ものづくり補助金平成25年度製造業栃木県

石油由来に匹敵する高純度ペットボトルリサイクル原料実現のための高精度選別装置の開発

ジャパンテック株式会社

この事例のポイント

  • 使用済みペットボトルに混入する異物・異材質を高精度に除去する手段が不足しており、石油由来に匹敵する高純度の再生PET樹脂を作れなかった。
  • 当社宇都宮工場に搬入される使用済みペットボトルの異物混入状況を確認し、異物と異材質の実態を把握した。
  • 使用済みペットボトルから異物や異材質を高精度に除去でき、石油由来に匹敵する高純度の再生PET樹脂を実現できた。

事業者のプロフィール

事業者名ジャパンテック株式会社
所在地栃木県 鹿沼市
業種プラスチック製品製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数65人
資本金5,000万円
設立1991年

事業の背景

高機能フィルムや高機能繊維などの分野では、これまで石油由来原料しか使われてこなかった。飲料ボトル向けの再生PET樹脂利用は拡大しているが、炭酸飲料ボトルへの利用には高い純度が求められる。想定される市場は数量ベースで23万t、最終製品の金額ベースで1,000億円とされている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度使用済みペットボトルに混入する異物・異材質を高精度に除去する手段が不足しており、石油由来に匹敵する高純度の再生PET樹脂を作れなかった。
  • 新製品・新技術石油由来原料だけが使われてきた高機能フィルムや高機能繊維などの用途へ、再生原料を代替として広げるための技術が確立していなかった。

やったこと

当社宇都宮工場に搬入される使用済みペットボトルの異物混入状況を確認し、異物と異材質の実態を把握した。近赤外線センサー等を備えた光学選別装置をベースに、センサーの改良、組み合わせ、感度の最適化を行い、当社独自の選別手法を確立した。選別装置の仕様を決め、2社から見積りを取ってペレンクSTジャパン株式会社を共同開発先に選定し、PPやPEなど異なる樹脂のボトルを認識できるレンズも製作を依頼した。装置は組立後に宇都宮工場のラインへ仮設し、3回のオフライン選別トライアルを経て、透明ペットボトルを正確に抽出できることを確認した。試作した原料は異物混入がほとんどなく、純度99.9%以上であることを確認した。量産化に向けた作業工程マニュアルを作成し、課長・班長に教育を行った。この手法について平成27年9月28日付で特許を申請した。

検査測定光学選別装置
検査測定近赤外線センサー・可視光線センサー

新しい製品・サービス:石油由来に匹敵する高純度ペットボトルリサイクル原料

事業の効果

使用済みペットボトルから異物や異材質を高精度に除去でき、石油由来に匹敵する高純度の再生PET樹脂を実現できた。試作原料は純度99.9%以上で、異物の混入がほとんどなかった。高機能フィルムや高機能繊維用途では少なくとも30%が石油由来から代替可能となり、炭酸飲料ボトルでも100%の代替が見込まれる。国内に高純度再生原料のサプライチェーンが形成される効果も期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の取組として再生PET原料の開発・既存設備の問題点洗い出しが触れられるが、経営戦略上の位置付けは記載が乏しい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    石油由来の代替、飲料ボトルで100%代替可能と市場を示すが、自社の強み・弱みとの関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    異物・異材質の除去が課題と明記され、選別装置の開発で解決する計画と、売上目標8,000万円・1億円が示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    事業終了後3年で60%増の年間生産高8,000万円、5年後に従来の2倍の1億円、5年目売上高2,055百万円と数値目標が明示されている。

  • 事業を進める体制2

    共同開発先の選定や作業工程マニュアル作成・社員教育が触れられるが、体制や人材の詳細は示されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    純度99.9%以上、世界最高水準の精度、想定ユーザー(大手繊維・フィルムメーカー)と用途が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋4

    図1のスケジュールや、オフライン選別トライアル3回、試作・試運転の段階的な手順が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来は石油由来原料だけが使われていた用途で代替を目指し、石油由来に匹敵する品質の再生PET原料と数値で差別性が示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    石油由来原料の代替と国内サプライチェーン形成、新たな産業群の育成が期待として書かれているが、定量的な波及効果は乏しい。

  • 費用対効果2

    補助金額や投入額に対する付加価値額の記載がなく、費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献3

    近赤外線センサー等の光学選別装置による高精度化は示されるが、サプライチェーン全体のイノベーションとしての記述は限定的。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    ペットボトル再生原料の用途拡大と国内産業群育成が書かれ、循環型の構造転換への関連はうかがえる。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

事業実施後1年目に高機能用途で3,000tを販売し、5年目には同用途で12,000tを販売して総販売量の3分の2以上を高機能用途に置き換える計画である。5年目の売上高は2,055百万円、経常利益は8,200万円を見込む。技術や成果は同業他社や新規参入者に広く公開する予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。