ものづくり補助金平成25年度製造業群馬県

医療・通信機器の高度化に寄与するナノレベルでの保証体制の確立

エムティーエス株式会社

成果医療機器用金属部材の測定時間 24分→18分

この事例のポイント

  • 医療機器用の金属部材は先端部が20度傾いており、20度の角度測定と交点位置の測定が従来の画像センサーでは高い精度で測定しきれていなかった。
  • ハイブリッド式測定機「O-INSPECT442」を導入した。
  • 医療機器用金属部材の測定時間 24分→18分。ナノレベルの解析精度が得られ、解析スピードも向上した。

事業者のプロフィール

事業者名エムティーエス株式会社
所在地群馬県 富岡市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数23人
資本金1,000万円
設立1990年

事業の背景

当社は医療・通信分野で1μmレベルの保証体制を確立しているが、先端分野ではナノレベルの製品が求められるようになった。医療機器は高齢化の進行で需要が増える一方、日本は医療機器の輸入超過による貿易赤字が拡大し、2011年時点で医薬品・医療機器を合わせて約2兆円の輸入超過となっている。光通信分野では超高速・大容量化が求められ、BRICS・東南アジア市場が有力となり、市場全体では国内の数十倍の規模が予想される。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度医療機器用の金属部材は先端部が20度傾いており、20度の角度測定と交点位置の測定が従来の画像センサーでは高い精度で測定しきれていなかった。
  • 生産能力光通信デバイス部品は形状が微細・複雑であり、大量生産への対応も課題だが、従来の測定方法では時間がかかりすぎ到底対応しきれなかった。
  • 品質・精度要求水準が高度化する医療・通信分野で、従来の1μmレベルの保証体制から一桁上のナノレベルでの製品保証が求められていた。
  • コスト・採算医療機器用の金属部材の測定では品質保証のため7種類の測定機を用い合計24分を費やしていた。
  • 品質・精度複雑な形状の製品はそのままでは測定できず、一部を削り込んで測定していた。

やったこと

ハイブリッド式測定機「O-INSPECT442」を導入した。製品図面を確認し、接触式測定・画像式測定・ホワイトライトセンサー測定のいずれかから最適な測定方法を選べる。3次元形状の20度の角度と交点位置は接触式(タッチプローブ)を使うことで立体的に形状を捉えられるようになった。品質保証部のマネージャー・サブマネージャーが技術指導者による集中トレーニングを合計7日間受けた。導入後、医療機器用金属部材の測定は7種類の測定機から4種類に減り、時間は24分から18分になった。光通信デバイス部品は12分から8分に短縮された。

検査測定O-INSPECT442(ハイブリッド式測定機)

事業の効果

  • 医療機器用金属部材の測定時間 24分→18分
  • 光通信デバイス部品の測定時間 12分→8分
  • 医療機器用金属部材の測定機数 7種類→4種類

ナノレベルの解析精度が得られ、解析スピードも向上した。医療機器用金属部材の測定は測定機を7種類から4種類に減らし、時間も24分から18分に短縮された。光通信デバイス部品は12分から8分に減少した。ホワイトライトセンサーにより非破壊の測定が可能となった。事業開始5年目には医療機器と光通信の2分野で合計約4億円の売上を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    1μm保証体制を既に確立しているとあり、ナノレベルへの一桁上げが次の段階として書かれているが、過去の取組との連続性は詳しく書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    医療機器の輸入超過約2兆円と光通信の数十倍市場予想を外部環境として示し、解析精度とスピードを強みに据えている。

  • 課題の認識と解決4

    測定に24分かかっていた課題に対し、O-INSPECT442で4種類・18分、光通信部品は12分から8分へ短縮と数字で示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    事業開始5年目に医療機器・光通信の合計で約4億円の売上を目指すとし、具体的な目標値が示されている。

  • 事業を進める体制2

    品質保証部のマネージャー等が7日間の集中トレーニングを受けたとあるが、体制全体の人材や事務処理能力は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機器用金属部材と光通信デバイス部品の顧客ニーズや、月産10万個の生産計画が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    導入から測定機活用までの手順は書かれているが、中長期の検証や詳細なスケジュールは読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ナノレベルの解析精度と光通信部品の高速大量生産対応は、一般的な普及度が低い分野での高付加価値化として具体的に読み取れる。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    医療機器の輸入超過と日本再興戦略への合致は触れられているが、波及効果や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果4

    測定時間を24分から18分、12分から8分へ短縮した数字が示され、生産性向上の効果が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    ハイブリッド測定や非破壊測定の技術が示されるが、サプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    医療機器と光通信という成長分野への進出が示されるが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及2

    富岡市の所在地は示されるが、地域特性を活かした雇用や地域経済への言及はうかがえる程度である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

光通信デバイス部品は新興国市場向けに近い将来月産10万個の生産計画が示されており、事業開始5年目に医療機器・光通信の2分野で合計約4億円の売上を目指す。この新技術を新規開発分野にも拡大していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。