ものづくり補助金平成24年度滋賀県

下水管補修用強化プラスチック製材料製造の機械化k

丸五運送株式会社

成果縫製作業の所要日数 2日→1日

この事例のポイント

  • 厚肉で重量のあるガラス繊維入り材料は、ミシンの前引きローラの駆動力が限界を超え、縫目の不揃い、目飛び、縫製不能が起きていた。
  • 重量のある厚物に対応するため、レール上を縫製速度に合わせて自走するミシン本体と縫製ラインを開発した。
  • 縫製作業の所要日数 2日→1日。これまで手仕事に頼っていた厚物の縫製工程を機械化し、大幅な工数削減を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名丸五運送株式会社
所在地滋賀県 甲賀市
業種プラスチック製品製造業
技術分野繊維加工
従業員数79人
資本金3,000万円
設立1978年

事業の背景

当社は運送業、倉庫業、製造業を営み、本件では管更生に用いる強化プラスチック製補修材料の製造を担っている。築50年以上の老朽化した下水管は全国で数千kmに達し、損傷の激しいものから順次布設替えや補修が行われている。非開削で既設管内に強化プラスチック管を構築する補修工法は国内で年約500kmの施工量があり、金額は年約400〜500億円と伸びている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力厚肉で重量のあるガラス繊維入り材料は、ミシンの前引きローラの駆動力が限界を超え、縫目の不揃い、目飛び、縫製不能が起きていた。
  • 人手・技能止むを得ず手縫いで対処していたため、多くの人員と時間を要し、熟練工でも仕上がりにばらつきが生じていた。

やったこと

重量のある厚物に対応するため、レール上を縫製速度に合わせて自走するミシン本体と縫製ラインを開発した。ミシン本体は、針が上下動して材料に貫通している間は停止し、針が抜けた後に一定ピッチだけ動く間欠移動方式とした。ミシン針の通り道には、ドリルで下穴をあける方法と、ミシン針よりひと回り細い針を材料の厚さの半ばまで挿入する方法を縮小モデルで比較した。ドリルは材料を損傷する危険があったため、細い針で針道をつける方式を採用した。この穴あけ機構を設計に取り入れ、材料の厚みや縫製速度にかかわらずミシン針への負荷を低減できるようにした。

  • 加工機自走式ミシン本体縫製ライン

事業の効果

  • 縫製作業の所要日数 2日→1日

これまで手仕事に頼っていた厚物の縫製工程を機械化し、大幅な工数削減を実現した。従来は2日かかっていた作業が1日で完了し、5〜6名の作業員が2〜3名で済むようになった。縫い目ピッチや縫い糸の張力など品質も向上し、仕上がりのばらつきを抑えられるようになった。リードタイムが短縮されたことで材料を安価に提供でき、公共性の高い下水道整備に貢献できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    手仕事の縫製が課題で、安価な材料提供が可能になったと書かれているが、市場や競合の分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    手縫いで5〜6名が2日かかっていた工程が2〜3名で1日に短縮されたと数字で示され、課題認識と成果が具体的。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    作業時間が2日から1日、人員が5〜6名から2〜3名と数値目標と実績が示されている。賃上げや付加価値額の目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    開発の主要課題や縮小モデルでの検証は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    公共性の高い下水道整備への貢献や、年約500kmの施工実績という市場規模のニーズ根拠が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    残課題として集積設備の未整備と二つ折り定規の改良が挙げられ、早期実現の必要性が述べられているが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    下水管補修の強化プラスチック製材料は年約500km・400〜500億円規模と述べられ、大口径厚物の縫製を機械化した点が高付加価値を示す。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    築50年以上の老朽下水管が数千kmに及ぶ社会インフラ維持への貢献が具体的に述べられている。

  • 費用対効果3

    工数削減と品質向上の効果は示されているが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    非開削工法の補修材料の縫製に機械を導入したとあるが、先端デジタル技術やビジネスモデルの記述は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    インフラ維持の成長分野への参入がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの記述は明確でない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

縫製が完了した材料を集積する設備が未整備のため、早期の整備が必要とされている。被縫製材料の繰出し部にある「二つ折り定規」装置は、厚物で重量があるため十分に機能しておらず、改良が求められている。今後も下水道インフラの維持・整備の観点から補修工法の市場は伸びていくと考えられている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。