ものづくり補助金平成25年度製造業新潟県

鋸ユーザーニーズの多様化に応える、自動目立て機導入によるシリーズ開発推進

株式会社 石鋸工業

この事例のポイント

  • 大工向け・学校向け・ホームセンター向けの両刃鋸の需要が年々減少している。
  • 安価な新ブランド両刃鋸として「刃多楽ミニ両刃鋸180mm」を試作開発し、旧商品の木製の柄をプラスチック製のグリップに変更してデザインを変えた。
  • 最新型目立て機械の導入後、一ヶ月の生産枚数が約20%向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 石鋸工業
所在地新潟県 三条市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数25人
資本金2,500万円
設立1969年

事業の背景

当社は創業以来両刃鋸を製造してきたが、木工建築様式の変化や電動工具の普及、替刃式片刃鋸の登場により大工向け両刃鋸の需要はほぼなくなった。学校でも木工の授業が減り、学童向け需要も備品扱いになって消えた。現在主力のホームセンター向け両刃鋸も年々需要が減少しており、20年前から販売している旧商品「大吉ミニ両刃180mm」は販売数量が落ち、材料・副資材の高騰で価格維持もできなくなっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑大工向け・学校向け・ホームセンター向けの両刃鋸の需要が年々減少している。
  • 生産能力鋸ユーザーの多様化に応えるため小ロット多品種の製造を支える生産能力が不足している。
  • 生産能力取引先のホームセンターから受注後の短納期(即納)対応が求められている。
  • コスト・採算材料・副資材の高騰により、旧商品の価格を維持することが難しくなっている。
  • 新製品・新技術今後商品群を増やすための生産体制を整える必要がある。

やったこと

安価な新ブランド両刃鋸として「刃多楽ミニ両刃鋸180mm」を試作開発し、旧商品の木製の柄をプラスチック製のグリップに変更してデザインを変えた。試作開発にあたり最新型の自動目立て機を導入し、試作後は他の商品の生産にも使っている。導入した機械は鋸割専用機SGN-011を含み、既存の鋸割専用機より生産枚数が多くでき、工程の連携も良くなった。自動目立て機の導入により、多品種・小ロット・短納期の体制を維持できるようにした。

加工機自動目立て機

新しい製品・サービス:刃多楽ミニ両刃鋸180mm(木柄をプラスチック製グリップに変更した新ブランド両刃鋸)

事業の効果

最新型目立て機械の導入後、一ヶ月の生産枚数が約20%向上した。鋸割専用機SGN-011は既存機より生産枚数が多くでき、工程の連携も良くなったことが理由と考えられている。刃多楽ミニ両刃鋸180mmは昨年12月から販売を始め、微増ながら着実に販売実績を伸ばしている。多品種・小ロット・短納期の体制を維持でき、受注後の短納期対応を続けられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    両刃鋸の需要減に対し多品種シリーズ化と小ロット対応を進める方針が書かれ、過去事業との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    社内一貫生産や多品種体制が長所として示され、ホームセンター向けの需要減と短納期要求が外部環境として書かれている。具体的な競争優位の定量根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    需要減とアイテム増・超短納期化の課題が明示され、目立て機導入で生産性を上げる解決策が示されている。ただし高付加価値化の具体的数値は記載がない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    目標として一ヶ月の生産枚数約20%向上が示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制2

    社内一貫生産や従業員25人の体制が書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    木柄からプラスチック柄への変更と販売価格維持、デザイン変更による需要喚起の狙いが具体的に書かれ、ターゲットはホームセンターと明示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作、販売開始、新サヤ・グリップの金型作成など段階的な流れは示されるが、中長期の検証やスケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    多品種の手引きのこぎりは一般的な分野で、高付加価値化の記述は限定的だが、プラスチック柄やデザイン変更による差別化の意図がうかがえる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    国内鋸メーカーとして社内一貫生産を続けることや国内市場の拡大が書かれるが、経済波及や雇用創出など公的補助の積極的理由は記載がない。

  • 費用対効果3

    生産枚数が約20%向上したと数字で示されており費用対効果の一部はうかがえるが、補助金額に対する付加価値増の記載はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    三条市の企業であることや国内生産を続ける方針はうかがえるが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は明確ではない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今年は既存の刃多楽サヤ付シリーズのプラスチック製グリップとサヤの金型を新たに作成し、安全性と使いやすさを高めて販売増につなげる計画である。今回導入した機械がさらに貢献すると見込んでおり、今後も商品群を増やす予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。