ものづくり補助金平成25年度製造業富山県

ゼリー状及びペースト状介護食(レトルト殺菌)

福田食品工業株式会社

この事例のポイント

  • 冷凍食品では保存や調理ができないというデメリットがあり、それを解消する必要があった。
  • 城端工場に高温高圧調理殺菌装置を導入し、レトルト殺菌を採用した。
  • 新装置の導入により、ドリップ液を出さずに殺菌することに成功した。

事業者のプロフィール

事業者名福田食品工業株式会社
所在地富山県 南砺市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数45人
資本金1,000万円
設立1976年

事業の背景

1976年にローストレッグの製造会社として創業し、焼き鳥やピザパイなどを経て1983年に冷凍食品の製造を始めた。調理から梱包まで自社工場で一貫して行う体制を築き、主力の業務用冷凍食品である大学いもと茶碗蒸しは大手食品会社を通じて全国に販売している。近年はスーパーや飲食店にも提供し、TPP参加国など海外への販路も広げている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術冷凍食品では保存や調理ができないというデメリットがあり、それを解消する必要があった。
  • 販路・情報発信高齢化で広がる介護市場に着目し、常温で長期間保存でき手軽に栄養を摂れる介護食を開発する必要があった。
  • 品質・精度従来のボイル殺菌では食品から腐敗の原因となるドリップ液(栄養素を含む水分)が出る問題があった。
  • 品質・精度介護食という性質上、より衛生的で栄養成分を逃さない殺菌方法が求められた。

やったこと

城端工場に高温高圧調理殺菌装置を導入し、レトルト殺菌を採用した。富山県産エノキタケを粉砕してピューレにし、スティック状に包装した「気になるきのこ」を商品化した。新装置ではドリップ液を出さずに殺菌することに成功し、レトルト殺菌により常温保存で賞味期限1年を実現した。OEMでは200キロから小ロットに対応しており、装置導入により新規受注を獲得できた。

加工機高温高圧調理殺菌装置

新しい製品・サービス:常温長期保存の介護食「気になるきのこ」(富山県産エノキタケのスティック状ピューレ)

事業の効果

新装置の導入により、ドリップ液を出さずに殺菌することに成功した。レトルト殺菌で常温保存が可能になり、賞味期限を1年とすることができた。殺菌作業は包装後の製品を庫内に入れてスイッチを押すだけになり、安全性と効率が向上した。装置導入により新規受注を獲得でき、OEMの取引先を広げることにつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    冷凍食品製造の経験を生かし、介護食・レトルト食品へ進出する流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    介護市場の高齢化拡大に着目し、小ロット200キロから対応できる中小企業ならではの強みを挙げており、強みと市場動向の関係が具体的。

  • 課題の認識と解決4

    ボイル殺菌でのドリップ液流出という課題を明示し、レトルト殺菌導入で常温保存賞味期限1年を実現した点が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    新規受注獲得は書かれるが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されておらず、わずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    SGS-HACCP認証取得や一貫生産体制の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ドリップ液を出さない殺菌、小ロット対応、栄養成分の逃げない点など、選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として介護専門誌での取扱い、海外販路開拓、OEM増受注を挙げるが、スケジュールや課題解決方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    キノコをピューレにした介護食で、ドリップ液を抑えた新たな商品分野を開拓しているが、普及度や高価格化の具体的データは薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    災害時の停電対策や高齢化に対応する介護食の需要創出に触れるが、経済波及効果など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    新規受注獲得や作業者の安全性・効率向上は書かれるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    高温高圧調理殺菌装置の導入は書かれるが、先端的なデジタル技術や新ビジネスモデルへの言及はわずかにうかがえる程度。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    海外市場や和食のうま味への関心に触れており、成長分野への進出がわずかにうかがえる。構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    富山県産エノキタケを原料にするなど地域資源を活用しているが、地域の雇用創出や経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

「気になるきのこ」は現在直販とインターネット通販が中心だが、介護専門誌などを通じて介護市場に本格参入し、冷凍食品とともに会社の柱にしたいと考えている。また、うま味の多いキノコを原料とした栄養食品として海外での販路開拓も目指している。新たな介護食や離乳食、レトルト食品の開発と、OEMのさらなる受注増も進める方針である。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。