ものづくり補助金平成25年度製造業富山県

NC付プレスブレーキ機導入により、部品加工の高度化・効率化を図る

株式会社タイワ精機

この事例のポイント

  • 構成部品に占める薄型板金の比率が大きく、材料費よりも加工の効率化によってコストダウンを図れる部品が多いため、自社の作業効率を追求する必要があった。
  • NC付プレスブレーキ機を導入し、熟練が必要な旧型機種からの置き換えを行った。
  • NC付プレスブレーキ機の導入により、加工時間が大幅に短縮され、製品別の加工時間を分析したところ30~40%程度の工程時間短縮が確認された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社タイワ精機
所在地富山県 富山市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数47人
資本金5,000万円
設立1976年

事業の背景

当社は大手の下請けではなく、最終製品である精米機本体を製造している。業務用精米機からコイン精米機、家庭用精米機までラインナップは多岐にわたり、特にコイン精米所向けは国内シェア50パーセントを占める。近年は精米により生じる米ぬかを有機肥料に加工する機器も開発し、循環型農業への貢献も進めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算構成部品に占める薄型板金の比率が大きく、材料費よりも加工の効率化によってコストダウンを図れる部品が多いため、自社の作業効率を追求する必要があった。
  • 人手・技能精度を維持しながら作業効率を上げるには、熟練工がひとつの作業に従事するのではなく、作業員が相互に業務を補い合い、ひとりの作業員が多岐の工程に関わる体制が必要だった。
  • 人手・技能熟練が必要な旧型の機種を使っており、作業の簡素化を図ることが急務であった。
  • コスト・採算後発メーカーがコストダウンを図り、今後は価格競争の激化が見込まれた。

やったこと

NC付プレスブレーキ機を導入し、熟練が必要な旧型機種からの置き換えを行った。これまで手動で調節していた曲げ寸法の調整が、タッチで交換できる新型機種によって自動化された。さらにバックゲージの調節も自動となり、加工時間が短く長い部品の中間部の誤差調整も簡単に行えるようになった。複数のプログラムを入力すれば金型を取り換えることなく加工が完了し、データを呼び出すだけで同様の加工ができ、角度調整も自動で行われる。本機導入後は1429アイテムの加工プログラムの入力を終えた。

加工機NC付プレスブレーキ機

新しい製品・サービス:2016年の新製品発表会で、「ぶづき」と「低音精米」に関わる機能を強化した精米機「米ぼうやくんNEO」、米ぬかなど有機肥料の原料をペレットに加工する「パワー乾ペレくん」、特許技術を搭載したエア搬送装置「クリーンウインド」などを発表した。

事業の効果

NC付プレスブレーキ機の導入により、加工時間が大幅に短縮され、製品別の加工時間を分析したところ30~40%程度の工程時間短縮が確認された。製品のうち多いものでは121種類の部品が本導入機によって製作されるようになった。作業の簡素化により製作スピードが上がり、開発のスピードも上がった。部品の生産精度、生産スピードが向上し、製造原価の低減も推進された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    2003年・2010年の発明奨励賞など過去の研究開発の取組を踏まえ、独自製品づくりを続ける方針が示されている。NC導入の位置付けは概ね一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    後発メーカーのコストダウンや東南アジアとの価格競争激化を見据え、NC付プレスブレーキ機で製造原価低減を図る方針が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    熟練者依存や手作業の調整など課題を明示し、加工時間を30~40%程度短縮できたと記載され、課題解決の効果も示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。加工時間30~40%短縮という結果の数字のみ示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員47人や職人による製造体制には触れられているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    国内シェア50%、長粒種対応の専用精米機、ぶづきや低音精米などの機能が示され、選ばれる理由はある程度読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    2014年の試用開始、2016年の新製品発表会など時系列は示されているが、遂行方法や課題解決の詳細な手順は書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金5,000万円のみ記載されており、財務状況や金融機関からの資金調達の見込みは書かれていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    長粒種(インディカ米)専用精米機やコイン精米機など、国内シェア50%を占める高水準の専門分野であることが読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    米ぬかの有機肥料化による循環型農業への貢献や、カンボジアでの精米プラント導入など、社会的意義の記述がある。

  • 費用対効果3

    121種の部品で加工時間が短縮され1429アイテムのプログラムを入力したと記載があるが、投資額対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    NC付機の導入でデジタル入力による段取りの自動化が進んだと書かれているが、地域やサプライチェーン全体への波及は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    有機肥料の原料をペレット化する新製品や循環型農業への取組が示され、環境分野への事業構造転換の方向性がうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    富山市の地元食材を使った社内給食や、富山地産地消優良活動企業としての表彰など、地域との結びつきが示されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は、さらなる新製品の開発や、外注していた加工の内製化を進めるとともに、低価格競争となっている東南アジア対策についても、NC付プレスブレーキ機を使った生産精度と生産スピードの向上、製造原価の低減を推進していく。より安全安心な食の実現と環境問題への貢献を目指して、独自の製品づくりを続けていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。