ものづくり補助金平成29年度製造業奈良県

業界初コンビニ用冷凍陳列棚の試作開発の為の設備導入と工程改善計画

株式会社M.T.C

成果加工速度 100%→10%

この事例のポイント

  • 板金加工の外注コストと外注に伴う効率の悪さが課題で、内製化によるコスト削減が必要だった。
  • 顧客からの新製品の店舗什器開発への協力要請を受け、陳列棚の試作開発を進めた。
  • 加工速度 100%→10%。バリ取りを内製化したことで外注加工費が削減され、外注に関わるリードタイムと人員も圧縮できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社M.T.C
所在地奈良県 大和高田市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,表面処理
従業員数40人
設立1968年

事業の背景

当社は1968年に前身の森製作所として創業し、家内工業から始まってプレス加工を中心に建築部材や自動車部品を製造してきた。2008年のリーマンショックで顧客業界・金属加工業界が大きな打撃を受け、顧客の事業領域変更に合わせて板金など金属加工全般へ事業領域を拡大した。以前から板金加工の外注コスト・効率改善を進め、2019年に最新型タレットパンチプレス機を導入して板金加工の内製化を始め、陳列棚などの店舗什器の案件も増えつつあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算板金加工の外注コストと外注に伴う効率の悪さが課題で、内製化によるコスト削減が必要だった。
  • 品質・精度店舗什器部品は厳しい安全基準を満たす必要があり、量産時の安全性・品質の確保が課題だった。
  • 生産能力安全性に直結する手作業のバリ取り工程が外注前提となっており、これを内製化する必要があった。

やったこと

顧客からの新製品の店舗什器開発への協力要請を受け、陳列棚の試作開発を進めた。バリは手作業やグラインダーで取る工程が一般的で、形状に大きく左右されるため自動化が難しい工程だった。そこで汎用型のバリ取り機を導入して外注加工費の削減とリードタイム・人員の圧縮を実現した。また作業者支援システム付プレスベンダーを導入して早期の工程従事教育を試行中である。さらに稼働設備や配送トラックをネットワーク連携するIoT生産管理体制を構築し、全体的な作業効率を改善した。

加工機汎用型バリ取り機
加工機作業者支援システム付プレスベンダー
ソフトIoT生産管理システム

新しい製品・サービス:業界初コンビニ用冷凍陳列棚

事業の効果

  • 加工速度 100%→10%

バリ取りを内製化したことで外注加工費が削減され、外注に関わるリードタイムと人員も圧縮できた。加工速度が約1/10に短縮され、低コスト化と生産効率の向上、課題の解決を実現した。IoT生産管理体制により稼働設備や配送トラックを連携させ、全体の作業効率が改善して総合的な生産コストの削減につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    2008年のリーマンショック後に板金など金属加工全般へ事業領域を拡大した経緯が書かれ、板金加工の外注内製化へ一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客の店舗什器の新製品開発という外部要因と、プレス・板金両立の社内体制が書かれているが、市場データや競争優位の数値は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    陳列棚のバリ残りによる安全性問題と外注バリ取りのコスト・時間を課題として明示し、バリ取り機導入で加工速度約1/10に短縮と記載されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工速度約1/10短縮や外注費削減は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員約40名、平均年齢40歳、営業部長の受賞歴などの人材面は書かれているが、補助事業の遂行体制の詳細は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    安全性重視の品質を低コストで提供する点や顧客ニーズは書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    2019年にタレットパンチプレスを導入し内製化を開始したと書かれるが、中長期の遂行スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    店舗什器の安全性確保のため塗装やバリ取りを手作業で行う課題はあるが、市場における高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    国内生産への回帰や若者の雇用環境整備に触れているが、波及効果や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果3

    加工速度約1/10や外注費削減が書かれ費用対効果はうかがえるが、補助金額に対する付加価値増加の数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    IoTを活用した生産管理体制で稼働設備や配送トラックをネットワーク連携したと書かれ、デジタル活用の方向性が読み取れる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    コスト重視の海外生産を国内回帰させる構想が書かれるが、構造転換への具体的な位置付けは薄い。

  • 地域経済への波及3

    奈良県の地域未来牽引企業認定や地域経済牽引事業計画の承認が書かれ、地域での雇用と成長への寄与がうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

若い世代が活躍できる環境を整備し、当社全体の生産性を向上させ、コスト重視の海外生産を国内回帰させる低コスト・高品質の生産体制構築を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。