ものづくり補助金平成25年度情報通信業山梨県

市町村職員が実施する現地調査の効率化に寄与する地理情報クラウドサービス

株式会社MARS

この事例のポイント

  • 市町村の農地の現地調査は紙の地図と調査用紙を使い、現地で判定した後に事務所へ戻ってPCへ入力するため、二度手間で非効率である。
  • タブレット、パソコン、スマートフォンのすべての端末から利用できるマルチデバイス対応のWebアプリケーションとして現地調査支援システムを開発した。
  • 現地でタブレット1枚により書類・デジカメ・ノートPCの機能を集約でき、屋外調査の重労働が軽減される見込みである。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社MARS
所在地山梨県 都留市
業種情報サービス業
資本金1,000万円
設立2003年

事業の背景

当社は市町村が利用する地理情報システム(GIS)の基本システムを開発・提供してきた。農業委員会は平成21年度より農地台帳を調査・電子化してインターネット上で公表することが地方自治法上の自治事務として義務となったため、今後システムの需要が高まると見込んでいる。当社の地図システムは約100団体の市町村に導入されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力市町村の農地の現地調査は紙の地図と調査用紙を使い、現地で判定した後に事務所へ戻ってPCへ入力するため、二度手間で非効率である。
  • 人手・技能現地に目印がない場合は位置の確定に時間がかかり、調査箇所を間違えるなどの人為的ミスも多い。
  • 人手・技能屋外調査で書類・デジカメ・ノートPCを持ち歩くのは重労働である。
  • 品質・精度紙の大きな地図や記録用紙は破損しやすく、作業効率も悪い。
  • その他現地調査員と事務所の間で情報共有ができず、既存の地図サービスには公図や地番図がないため実際には役に立たない。

やったこと

タブレット、パソコン、スマートフォンのすべての端末から利用できるマルチデバイス対応のWebアプリケーションとして現地調査支援システムを開発した。国土地理院の公開地図やグーグルマップの表示、市町村の地番図の表示と重ね合わせ、地図の拡大・縮小(11段階、最大約1/1,200、最小約1/125万)、GPSによる現在位置表示、地番検索、距離と農地面積の計測機能を搭載した。調査結果は筆ごとに入力でき、キーボードのほか音声入力にも対応し、入力済みの筆は着色して判別できるようにした。動作確認は主にWindowsのInternet ExplorerとiOSのSafariで行い、ソースコードを修正しながら双方で動作するよう調整した。試験では正常値試験と異常値試験を実施し、地番入力欄に文字を入れると不具合が出たため数値以外を受け付けないよう修正した。操作マニュアルは一般利用者向けに画面キャプチャを多用して作成した。

  • ソフト現地調査支援システムWebアプリケーション

新しい製品・サービス:農地パトロール支援サービス「現地調査支援システム」(タブレット等で現地の地図表示・調査結果入力ができるクラウドサービス)

事業の効果

現地でタブレット1枚により書類・デジカメ・ノートPCの機能を集約でき、屋外調査の重労働が軽減される見込みである。GPSによる現地の即時表示で位置確定が容易になり、調査箇所の人為的ミスも減らせる。調査結果を現地で入力して事務所と即時共有できるため、事務所に戻ってからの入力や書類作成の多大な労力が解消される。既存サービスにはない公図や地番図も表示でき、利用効率が上がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の地図システム事業や測量経験を背景に現地調査支援を開発したと読めるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    農地台帳の電子化義務化で需要が高まると見込み、市町村の地図システム導入約100団体をターゲットにすると書かれている。強み分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    現地での位置確定困難、二度手間入力、書類持ち歩きといった課題を列挙し、GPS表示や音声入力で解決すると具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    サーバと人員を確保してプロジェクトを始め、試験仕様書による試験を実施したと書かれている。体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    農業委員会をターゲットとし、既存地図サービスにない公図や地番図を表示できる点が選ばれる理由として示されている。

  • 事業化までの道筋3

    WEBアプリ方式の採用理由やブラウザ差異への対応方針、今後のバージョンアップ対応を記載している。スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    農地台帳の電子化義務に伴う需要増を述べるが、同分野で高付加価値化・高価格化を図る根拠は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    農地台帳の公表義務化という行政上の要請に応える点は読めるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    現地での書類・ノートPC持ち歩きや二度手間の解消を挙げるが、投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    タブレットでGPSや音声入力を使う点は先端技術の活用に当たるが、地域イノベーションへの広がりは具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    山梨県都留市の企業として全国の農業委員会へ販売すると書かれ、地域性は読めるが経済成長への貢献は示されていない。

今後の展望

農業委員会の農地台帳の電子化・公表義務により需要が高まる見込みで、全国の農業委員会をターゲットに、既存の地図システム導入先約100団体の市町村とその他の自治体へ販売する方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。