ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

PVDコーティングと電子ビーム照射による革新的金属表面処理技術の試作開発

岡谷熱処理工業株式会社

この事例のポイント

  • 金型部品の耐久性や精度を高めるには母材の熱処理が必須だが、母材の均質化と高寿命を実現する高度な熱処理技術が求められていた。
  • 高速度工具鋼の母材について、均質化と高寿命を実現する高度な熱処理技術の試作開発に取り組んだ。
  • 母材の品質が安定し、長寿命化と高精度化を実現する最適な熱処理プロセスに関する検証で新しい成果が得られた。

事業者のプロフィール

事業者名岡谷熱処理工業株式会社
所在地長野県 岡谷市
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
従業員数29人
資本金1,400万円
設立1961年

事業の背景

岡谷熱処理工業は1961年創業の金属熱処理・コーティングの会社で、社員は30人ほどである。熱処理を施すと金属に歪みが生じるのが業界の常識だったが、西澤社長はそれを疑い歪みを小さくする技術の開発に取り組んだ。顧客の金型メーカーからは、均質で高精度な母材の熱処理が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度金型部品の耐久性や精度を高めるには母材の熱処理が必須だが、母材の均質化と高寿命を実現する高度な熱処理技術が求められていた。
  • 生産能力熱処理による歪みが金型で0.3~0.4ミリ生じ、研磨や修正などの仕上げ加工で調整が必要だった。

やったこと

高速度工具鋼の母材について、均質化と高寿命を実現する高度な熱処理技術の試作開発に取り組んだ。今までの文献には乏しかった熱処理プロセスを検証し、母材の品質の安定化、長寿命化、高精度化を実現する最適な条件を検討した。

事業の効果

母材の品質が安定し、長寿命化と高精度化を実現する最適な熱処理プロセスに関する検証で新しい成果が得られた。試作・開発の目論みはほぼ完了したとされている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成4年度・平成5年度と熱処理・表面処理の試作開発を継続し、歪み極小化技術へ展開した経緯は読めるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    歪みが0.3〜0.4ミリから0.01〜0.03ミリ(従来の約1/30)に抑えられたと書かれており強みは読めるが、市場動向との関係は記述が薄い。

  • 課題の認識と解決3

    後工程が半日〜2日から数分〜2時間に削減されたと課題と効果は示されているが、事業計画の実効性や高付加価値化の見通しは書かれていない。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、わずかに技術開発の成果がうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制3

    産学官連携体制(信州大学工学部、県工業技術総合センターなど)や社員30人規模の職人集団が書かれており、体制の一部は読める。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客金型メーカーから均質かつ高精度な母材熱処理が求められている点と、歪み極小化で顧客に選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    開発の段階(試作・開発の目論みはほぼ完了)や産学官での開発経緯は書かれているが、今後の遂行スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    A3サイズ金型で歪みを従来の約1/30に極小化し、熱処理の常識を覆す技術として第25回中小企業優秀技術・新製品賞を県内で唯一受賞と数字で示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    金型部品や切削工具など製造業の基盤技術に関わる点はうかがえるが、地域波及や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    後工程時間の大幅削減や歪み1/30という効果は具体的だが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    産学官連携で開発し歪み極小化装置を自動化した点はイノベーションの一端を示すが、サプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    長野県岡谷市の企業で県内の産学官連携が行われた点はうかがえるが、地域の雇用や経済成長への牽引は書かれていない。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。