ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

製造(裁断)工程の自動化と管理システムの構築による生産性向上、および新商品開発

株式会社プリオール

この事例のポイント

  • サポーター類の裁断工程では手加工とプレス抜きを併用しており、寸法が変わるたびに金型の製作が必要で、コストと時間がかかっていた。
  • 自動定寸カットシステム、自動裁断機、アパレルコンピュータシステムなどを導入し、金型を使わずに生地の製図から裁断まで自動で行う体制を整えた。
  • 自動延反機・裁断機とアパレルコンピュータシステムの導入により裁断工程の自動化が可能になり、作業人員が削減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社プリオール
所在地長野県 千曲市
業種繊維工業
従業員数38人
資本金1,000万円
設立1985年

事業の背景

株式会社プリオールは1970年に個人創業し、介護・福祉用具の製造・販売を一貫して手がけてきた。主力は医療用・スポーツ用サポーターおよびスプリングマットレス用全包型防水シーツ等の福祉用品で、大手企業にOEMおよび自社ブランド製品として供給している。高齢者人口の増加により、福祉用具産業をはじめとするメディカル・ヘルスケア関連市場は大きく拡大すると予想されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算サポーター類の裁断工程では手加工とプレス抜きを併用しており、寸法が変わるたびに金型の製作が必要で、コストと時間がかかっていた。
  • 生産能力型を使わずに生地の製図から裁断まで自動で行う体制がなく、工程短縮とフレキシブルな生産が課題となっていた。
  • 人手・技能製造の管理書類が手記入の帳票中心で、全体の生産効率を高めるための電子化が必要だった。

やったこと

自動定寸カットシステム、自動裁断機、アパレルコンピュータシステムなどを導入し、金型を使わずに生地の製図から裁断まで自動で行う体制を整えた。あわせて信州大学工学部情報工学科(現電子情報システム工学科)と共同で独自の生産管理システムを開発した。作業者がタブレットで入力したデータをもとに工程の進捗を把握でき、社員個々の作業実績もリアルタイムで把握できるようにした。

加工機自動延反機・裁断機
ソフトアパレルコンピュータシステム
ソフト自動定寸カットシステム
ソフト生産管理システム
検査測定自動検針機
加工機入力機能付きアパレル用ミシン

新しい製品・サービス:サポーターの新商品と、OEM供給先の新規製品。新商品の開発にともない特許を出願した。

事業の効果

自動延反機・裁断機とアパレルコンピュータシステムの導入により裁断工程の自動化が可能になり、作業人員が削減された。金型コストや金型製作のリードタイムが不要になり、製品の品質も安定した。生産管理システムによりデータ管理と進捗把握、社員の作業実績のリアルタイム把握ができるようになった。これらは既存製品、OEM供給先の新規製品、自社製品「メモリーベルトⅡ」の製造にも適用されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    1970年の個人創業以来、介護・福祉用具の製造に一貫して携わってきたと書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    産学官連携や自社製品の強みに触れるが、市場動向と自社の強み・弱みを関連づけた記述は読み取れない。

  • 課題の認識と解決3

    金型製作によるコストと時間の課題を認識し、自動裁断で工程短縮を図ると書かれているが、高付加価値化の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    高付加価値の創出や賃上げを実現する目標値は、公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    信州大学と共同で生産管理システムを開発し、大手企業へのOEM供給実績があることから体制はうかがえるが、具体的な人員配置は不明。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    メモリーベルトⅡなど自社製品や新商品の特許出願に触れるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体的に書かれていない。

  • 事業化までの道筋2

    導入による効率化は記載されるが、中長期の検証や遂行スケジュールについての記述は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    福祉用具の市場は大きく拡大すると予想されると書かれ、高水準の高付加価値化を図る内容かは判断が難しい。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    高齢社会のニーズ拡大に応える事業とあるが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果2

    作業人員削減や金型コスト不要などの効果は書かれるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    アパレルコンピュータや独自の生産管理システムを大学と共同開発した点は、デジタル技術の活用として読み取れる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    成長分野とされる福祉用具・メディカル市場への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    長野県千曲市を拠点に地域の産学官連携を進めていると読み取れるが、地域の雇用や成長への効果は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新商品の取引先への売り込みやネット通販を積極的に展開し、従来の事業に加えて自社ブランド製品の開発・販売にも積極的に取り組んでいきたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。