ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業岐阜県

廃棄物溶融スラグを原料とした焼成品の開発・商品化

株式会社エクシィズ

成果焼成温度 1,250℃→1,050℃

この事例のポイント

  • 鉱山の閉山が進み、陶磁器タイルの原料が枯渇しつつある。
  • リサイクル率を限りなく100%に近づけたタイルを生産するため、精密な温度調整が可能なローラーハースキルンを導入した。
  • 焼成温度 1,250℃→1,050℃。リサイクル率95%以上のタイルを1050℃の低温で成形できる原料を開発した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エクシィズ
所在地岐阜県 多治見市
業種建築材料、鉱物・金属材料等卸売業
技術分野材料製造プロセス
従業員数25人
資本金1,300万円
設立1997年

事業の背景

本社のある岐阜県多治見市は良質な粘土が採れ、古くから美濃焼をはじめとする陶磁器タイルの主産地として国内有数の生産量を誇ってきた。しかし鉱山の閉山が進み原料が枯渇しつつある。一方で廃棄物溶融スラグの利用率は22%と低く、さらなる有効利用が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力鉱山の閉山が進み、陶磁器タイルの原料が枯渇しつつある。
  • コスト・採算従来のタイルは焼成に高温が必要で、燃料費がかさむ。
  • 新製品・新技術リサイクル材料によるタイル製造を安定的に量産できる技術が確立していない。

やったこと

リサイクル率を限りなく100%に近づけたタイルを生産するため、精密な温度調整が可能なローラーハースキルンを導入した。原料は50%を溶融スラグとし、その他はガラスと粘土の廃材とした。従来のタイルより200℃以上低い1050℃程度で焼成でき、焼成コストの30%以上の低減を見込んだ。安定生産の可否を実証実験で確かめ、少ロット生産に対応する体制づくりにも取り組んだ。原料メーカーの協力を得て、乾式製法と湿式製法の2種類でタイル生産の目処がついた。

加工機ローラーハースキルン
加工機プレス成型機

新しい製品・サービス:溶融スラグを原料とした、リサイクル率95%以上の焼成タイル

事業の効果

  • 焼成温度 1,250℃→1,050℃
  • 焼成コストの30%以上を低減
  • 燃料費 4,875円/㎡→1,575円/㎡
  • 製造コスト 5,162円/㎡→1,862円/㎡

リサイクル率95%以上のタイルを1050℃の低温で成形できる原料を開発した。燃料費は1/3になり、製造コストは1㎡あたり5,162円から1,862円に下がった。焼成コストも30%以上の低減が見込める。スラグの種類によって様々な表情のタイルが製造できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去に試験用小型焼成炉で廃棄物基本試験を重ねてきたとあるが、経営戦略上の位置づけは記載が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    原料の枯渇や大手企業からの開発協力の申し出に触れ、外部環境と研究蓄積の関係はうかがえるが、強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    陶磁器原料の枯渇という課題に対し、焼成温度200℃以上低い1000℃程度や燃料費1/3という数値で解決策を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    焼成コスト30%以上低減、リサイクル率95%以上、燃料費4,875円から1,575円への低減など具体的な数値目標が示されている。

  • 事業を進める体制2

    原料メーカーの協力や少ロット生産体制づくりに触れるが、人材や事務処理能力の確保については書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    スラグの種類で様々な表情のタイルが作れる点や地方自治体への環境アピールに触れるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    乾式・湿式の2種類で生産の目処、今後メーカーへの生産協力打診とあるが、スケジュールや課題解決方法の詳細はない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    廃棄物溶融スラグ利用率22%と低い水準であり、リサイクル率95%以上のタイルは高付加価値の新分野として位置づけられる。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用4

    最終処分場の長期利用、利用率22%の改善、発展途上国への展開など、資源循環と社会的意義が具体的に示されている。

  • 費用対効果4

    製造コストが1サイクルあたり5,162円から1,862円/㎡へ下がるなど、コスト削減の費用対効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    溶融炉メーカーとの協力やタイル工場とセットの展開に触れるが、先端デジタル技術の活用は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    環境や資源有効利用の重要性に触れるが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及3

    美濃焼の主産地である多治見市の地域特性を踏まえた取組と読めるが、雇用や地域経済成長への効果は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

タイルメーカー各社に生産協力を打診中で、量産化に向けて前進が期待できる。将来は溶融炉メーカーと協力し、タイル生産工場とセットで発展途上国にも展開して国際貢献したい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。