ものづくり補助金平成28年度卸売業、小売業静岡県

IoTを活用したロボットを導入することによる廃車ガラの新たな資源化の実現

株式会社マルトシ青木

成果スクラップのサイズ(長さ) 2,000mm→1,000mm

この事例のポイント

  • 既存プレス機では一般的な規格の2,000mm×600mm×600mmまで圧縮できず、電気炉の投入口に合うサイズにできなかったため、受入れ可能な電気炉メーカーが1社だけだった。
  • 従来のプレス機は上蓋による上部からの圧縮と、主押し装置による横からの圧縮の二方向でプレスしていた。
  • スクラップのサイズ(長さ) 2,000mm→1,000mm。スクラップ処理の歩留まりが大きく改善し、プレス後の残さは電気炉へ投入できるサイズになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社マルトシ青木
所在地静岡県 藤枝市
業種その他の卸売業
資本金1,000万円
設立1988年

事業の背景

株式会社マルトシ青木は昭和63年の設立以来、藤枝市を中心に自動車の解体、中古部品の卸売、中古部品の輸出の3事業を営んでいる。3事業は相互に補完し合って業績を伸ばしている。一方で、自動車解体後に発生する細かなスクラップの再資源化に課題を抱えており、年間約6,000トンのスクラップが発生していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信既存プレス機では一般的な規格の2,000mm×600mm×600mmまで圧縮できず、電気炉の投入口に合うサイズにできなかったため、受入れ可能な電気炉メーカーが1社だけだった。
  • 生産能力年間約6,000トンのスクラップのうち約90%しか再資源化できず、処理できない残さが多く残っていた。
  • 販路・情報発信引取先が限られているため、市場の供給量が多いと受入れを拒否されるリスクを抱えていた。

やったこと

従来のプレス機は上蓋による上部からの圧縮と、主押し装置による横からの圧縮の二方向でプレスしていた。新たに幅方向の圧縮を加えて三方向から締められるように新型プレス機を導入し、スクラップの更なる縮小を図った。あわせてプレス制御をIoT化し、人の手で方向ごとにスイッチを操作することなく、一度の操作で全自動稼働させられるようにした。既存の自社生産管理システムと連動するIoT機能を付与し、稼働状況をモニターできるようにした。機械メーカーが稼働状況を常に確認し、その分析結果が同社にフィードバックされる仕組みも整えた。

加工機新型プレス機(三方向締め対応・IoT制御)
ソフトIoT機能(既存生産管理システムと連動)

事業の効果

  • スクラップのサイズ(長さ) 2,000mm→1,000mm
  • 主要引取先の数 1社→3社
  • プレス工程のリードタイム 7分→3分

スクラップ処理の歩留まりが大きく改善し、プレス後の残さは電気炉へ投入できるサイズになった。引取先が3社に増えたことで、各社の処理容量や単価を比べて高単価な引取先を選べるようになった。プレス工程の短縮と機械メーカーによる稼働分析の活用で、納入品のプレス状況など生産管理にも大きく貢献している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存プレス機の制約を解消する設備投資で、資源化事業の展開を図っている点は読み取れるが、過去の取組との一貫性までは示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    年間約6,000トンのスクラップに対し電気炉メーカーが1社のみで約10%しか処理できていなかったと、市場と自社の制約を具体的に示している。

  • 課題の認識と解決5

    約90%が再資源化できない課題を明示し、新型プレス機で処理サイズを1,000×600×600mmへ縮小、引取先を3社に増やす効果まで数字で示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    スクラップ縮小率50%、引取先3社、リードタイム7分から3分への短縮など目標と結果が数値で示されている。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    受入先を選ばない戦略的事業という価値は書かれているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋4

    プレス方向の追加と制御のIoT化という工程見直しの方法と、一連の自動制御への移行が段階的に説明されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    廃車ガラの資源化で、一般的な普及度や高付加価値化について言及はあるが、分野の位置づけは読み取りにくい。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    電気炉への燃料利用や資源有効活用という社会的意義はうかがえるが、雇用や波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    処理台数の増加や高単価な引取先選択など効果は述べられているが、投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    プレス制御のIoT化と生産管理システムの連動、機械メーカーへの稼働情報のフィードバックが具体的に記載されている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    資源循環の取組はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    藤枝市を中心とした地域営業は書かれているが、地域の特性を活かした成長牽引の記述は限られる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

プレス機の処理能力が向上した分、今後は自動車自体の処理台数を伸ばしていく方針である。また、現在は海外向け事業を進めるとともに、廃タイヤの処理などの新規事業も模索している。

事業者の声

今回の補助事業が、取引先の増加や生産性の向上に結びついた。プレス機の処理能力が向上した分、今後は自動車自体の処理台数も伸ばしていきたい。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。