ものづくり補助金平成25年度製造業愛知県

環境配慮型プラスチックリサイクル材料の安定供給化事業

フジイ化工株式会社

この事例のポイント

  • リサイクル材に環境負荷物質が含まれるリスクがあり、安全面の品質を保証する必要があった。
  • 平成25年度補正中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業を活用し、平成25年12月に蛍光X線分析装置を設置した。
  • 分析会社への外注に頼らず、有害物質の検査を自社で行えるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名フジイ化工株式会社
所在地愛知県 安城市
業種プラスチック製品製造業
技術分野製造環境
従業員数34人
資本金3,000万円
設立1979年

事業の背景

フジイ化工は、ポリプロピレンやポリエチレン、ナイロンなどの熱可塑性樹脂全般を扱い、自動車や建材などの樹脂部品の試作品や不良品を粉砕、ペレット化して再生している。メーカーの環境意識の高まりでリサイクル材の需要はあるが、樹脂のグレードや汚れがさまざまで、顧客が満足する品質で供給するには手間がかかる。欧州のELV規制やRoHS規制で有害物質が制限され、国内向けでもサンプリング検査の需要が増えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度リサイクル材に環境負荷物質が含まれるリスクがあり、安全面の品質を保証する必要があった。
  • コスト・採算検査を分析会社や試験場へ外注しており、コストと時間がかかっていた。
  • 生産能力検査体制が十分でなく、リサイクル材の取扱量を増やすことができなかった。

やったこと

平成25年度補正中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業を活用し、平成25年12月に蛍光X線分析装置を設置した。この装置は、鉛、スズ、銀、塩素、クロム、カドミウム、アンチモンの7物質の有無を検出し、含有量をppm単位で把握できる。蛍光X線を材料に照射して反射の仕方などを元データと比較する仕組みである。さらに、アロイ材の熱変形温度を測定する装置を令和2年2月をめどに導入し、物性や特性の測定を内製化する計画である。

検査測定蛍光X線分析装置
検査測定熱変形温度測定装置

事業の効果

分析会社への外注に頼らず、有害物質の検査を自社で行えるようになった。購入前のリサイクル材の成分分析も素早くでき、納期は外注時の1、2カ月から3週間前後短縮された。リサイクル材が規制以下であることのエビデンスを出せるようになり、顧客の信頼性が高まって受注増につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    ポリプロピレンやナイロンなど樹脂リサイクルを手がけ、検査装置導入で内製化を図った経緯が書かれているが、経営戦略上の位置付けは詳しく読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    環境規制や顧客のサンプリング検査需要を背景に、有害物質検査の内製化で差別化する点が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    外注検査に1、2カ月かかっていた課題を、内製化で3週間前後に短縮したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    納期短縮や受注増の記述はあるが、付加価値額や賃上げに関する数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    検査体制の整備や装置導入の記述はあるが、人材や事務処理能力の確保については読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客の品質要求や自動車関連向けの用途は書かれているが、ターゲットとニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    令和2年2月をめどに熱変形温度測定装置を導入し、物性測定を内製化する予定が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    有害物質検査の内製化で差別化を図るとあるが、分野の普及度や高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    リサイクル材の拡大や混練材のマテリアルリサイクル促進に触れているが、波及効果の記述は限定的。

  • 費用対効果2

    検査の内製化で納期や受注増の効果が書かれているが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ペットボトルキャップの再生やリサイクルの輪を広げる取り組みに触れているが、イノベーションの具体性は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    環境負荷低減や資源循環に関する記述はあるが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    安城市の本社工場でリサイクルを手がける記述はあるが、地域の雇用や経済成長への言及は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も検査・測定体制を強化し、自動車の機能部品などに使われる複数種類の混練材(アロイ材)のマテリアルリサイクルを促進する。リサイクル材の安全性や品質を自前で証明する体制を整えて差別化を図り、品質の管理・保証面を向上させてリサイクルの輪を広げ、環境負荷低減につなげる考えである。

事業者の声

必要な検査はほぼ自前でできる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。