ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業三重県

全国的な屋上・壁面緑化メーカーとなるための、"機能性とデザイン性が両立可能な"商品の試作・開発

南出株式会社

成果本物石と擬岩の重量をモデル石で比較すると、重量はおおよそ15分の1

この事例のポイント

  • 屋上緑化は建物が耐えられる荷重が限られ、石・土・水などの重い素材を使えないため、魅力ある庭を作れずに施主が諦めてしまうことが多い。
  • 本物の木曽石を使ったマスターモデルを試作開発し、外注加工で試作品商品を製作した。
  • 本物石と擬岩の重量をモデル石で比較すると、重量はおおよそ15分の1。擬岩の重量が本物石の約15分の1になり、従来は荷重制限で使えなかった屋上にも設置できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名南出株式会社
所在地三重県 鈴鹿市
業種各種商品卸売業
従業員数23人
資本金1,000万円

事業の背景

当社は包装資材、農業生産用資材、土木・管工機材などを卸売し、特に緑化・園芸資材では特許を持つ独自商品を中心に製造販売している。近年は石原和幸デザイン研究所と提携し、壁面緑化・屋上緑化分野にも進出している。屋上・壁面緑化市場は都会の緑地面積を増やすため普及しており、全国的に建築着工件数が減る中で大きく成長している分野で、年間施工面積は37万㎡程度(2009年実績)に達している。東京オリンピックの選手村への屋上・壁面緑化が明示されるなど注目も集まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術屋上緑化は建物が耐えられる荷重が限られ、石・土・水などの重い素材を使えないため、魅力ある庭を作れずに施主が諦めてしまうことが多い。
  • 新製品・新技術壁面緑化は建物の壁の強度が低く取り付けできない場合も多く、補強が必要になって設置費用が高くなり、単調で魅力に欠ける壁面が多い。
  • 新製品・新技術屋上緑化で独自性・競争力のある部材・工事能力を持つメーカーになるため、機能性とデザイン性を両立する部材・機器の試作・開発が必要だった。

やったこと

本物の木曽石を使ったマスターモデルを試作開発し、外注加工で試作品商品を製作した。協力会社から目地の補修技術指導を受けて補強を実践し、擬岩15種類と擬岩壁で実証設置を行った。リプラfボードを四段階で順次曲げグセをつけるスチール製形成機を試作開発し、曲げ戻りに対応する曲げ維持止具を製作した。リプラ曲面ボードに三角補強版を取り付けた曲面立上げ壁を試作し実証設置した。接着剤とビスを併用した壁面枠の取り付け方法を考案し、枠に使うボードと角材は厚さやサイズを変えて実証設置した。

加工機リプラfボード曲げ機械
加工機スチール製形成機(曲げ維持止具を含む)

新しい製品・サービス:本物そっくりの硬質ウレタン壁シート、機能性擬岩(擬岩パネル・擬岩)、曲面立上げ壁。

事業の効果

  • 本物石と擬岩の重量をモデル石で比較すると、重量はおおよそ15分の1
  • 原価ベースで三段池が40万円程度で製作できるようになった
  • 従来の他社擬岩施工と比べ2分の1程度になった

擬岩の重量が本物石の約15分の1になり、従来は荷重制限で使えなかった屋上にも設置できるようになった。三段池を原価ベースで40万円程度で製作でき、他社の擬岩施工と比べ施工コストは2分の1程度になった。擬岩パネルと擬岩は本物そっくりなものができ、屋上緑化で機能性とデザイン性を両立する商品になった。軽くて丈夫で安い商品提案が可能になり、ベランダ緑化・地上外溝緑化工事の受注も期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の緑化・園芸資材の製造販売と特許商品を背景に、壁面・屋上緑化へ進出する流れが読み取れるが、経営戦略上の位置づけの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    屋上緑化市場の年間施工面積37万㎡(2009年実績)や、石原氏との提携による施工実績など、市場と自社の強みが具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    屋上は荷重制限で諦める施主が多いという課題を、擬岩の重量を本物石の約15分の1にして解決する具体的な計画が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    三段池の原価約40万円、従来施工比2分の1程度といった数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    鈴鹿工業高等専門学校や協力会社との連携、外注加工の記載があるが、人材や事務処理体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    軽さ・安さ・デザイン性の両立という価値と、ディベロッパーや大手造園会社の評価で顧客ニーズが裏付けられている。

  • 事業化までの道筋3

    四段階の曲げ加工や実証設置など開発工程は示されるが、中長期のスケジュールと課題解決の方法は明確ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    屋上緑化で本物そっくりの擬岩・機能性とデザイン性を両立した独自商品としており、同分野で高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    都会の緑地面積増加や東京オリンピック選手村での緑化など社会的意義は示されるが、波及効果や雇用創出の数字は少ない。

  • 費用対効果3

    原価約40万円で従来施工の2分の1程度とコスト削減効果は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    曲面成形機や接着剤とビスの併用など技術開発はあるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    屋上・壁面緑化市場の成長にふれているが、日本経済の構造転換に資するという観点の記述は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    三重県鈴鹿市の地域企業で、地域の特性を活かした記述は薄いが、東京の大型施工実績などにふれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

試作品に対する全国のディベロッパー・大手造園会社等の評価は上々で、設計織り込みもかなり見込みが立ってきている。ベランダ緑化・地上外溝緑化工事の受注が期待され、全国的な屋上・壁面緑化総合メーカーへ展開できる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。