ものづくり補助金平成25年度製造業三重県

保存性を高めるために乾燥技術を取入れ、品質保持を実現する設備導入

株式会社加藤製麺所

成果消費期限 2週→6週

この事例のポイント

  • 生麺は要冷蔵で消費期限が短く、取引先で廃棄ロスが発生して取引先の経営を圧迫している。
  • 生麺の廃棄を減らすため、乾燥機を設置する工場内の部屋を改装して設置スペースを確保した。
  • 消費期限 2週→6週。半生麺の製造により消費期限が2週間から6ヶ月に伸び、廃棄率の減少と販路拡大が期待される。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社加藤製麺所
所在地三重県 松阪市
業種食料品製造業
従業員数17人
資本金1,000万円
設立1964年

事業の背景

創業以来「伊勢うどん」を中心に生麺・ゆで麺・蒸し麺・調理麺・冷凍麺を製造し、スーパーや企業給食、学校給食などに業務用・一般消費者向けで販売している。地元中小製麺所のOEM先としても生麺を手掛け、地元の契約農家から そば粉を調達して地産地消にも取り組んでいる。食品ロス削減が社会的な課題となる中、食品製造業全般で賞味期限延長技術の創出が重要になっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算生麺は要冷蔵で消費期限が短く、取引先で廃棄ロスが発生して取引先の経営を圧迫している。
  • 新製品・新技術取引先から消費期限の長い商品の開発を求められており、日持ちのする半生麺を開発する必要があった。
  • コスト・採算製麺機の生産能力のロット数と注文数の差分が生じて廃棄が増え、廃棄率が上がっていた。

やったこと

生麺の廃棄を減らすため、乾燥機を設置する工場内の部屋を改装して設置スペースを確保した。機械は乾燥を選び、同業者への見学などを重ねた結果、乾燥用の台車を入れて乾燥させるバッチ式の乾燥機を導入した。設置後に試験運転を行い、半生うどん、ひじきうどん、日本そばを試作した。試作した半生麺は食品分析開発センターSUNATECに依頼して水分量と消費期限を検証した。

加工機バッチ式乾燥機

新しい製品・サービス:半生麺(半生うどん、半生ひじきうどん、半生日本そば)

事業の効果

  • 消費期限 2週→6週
  • ロット数と注文数の差分による廃棄ロスは半減した
  • 廃棄処理コストは従来の半分以下となった

半生麺の製造により消費期限が2週間から6ヶ月に伸び、廃棄率の減少と販路拡大が期待される。生産能力のロット数と注文数の差分による廃棄ロストは半減し、廃棄処理コストは従来の半分以下となった。また、比較的小ロットで製造していたひじきの微粉末は半生麺にすることでロット数が大きくなり作業効率が向上した。乾燥の過程で麺線熟成が起こり、うまみの向上も見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    取引先から日持ちする商品の開発を求められ、生麺の廃棄ロス対策として半生麺を開発したとあり、既存事業との関連は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    地元スーパーや取引先の要望、食品ロス削減の社会的要請に触れ、伊勢うどんやOEM実績にも言及するが、競争優位の根拠となる自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    生麺の消費期限が短く廃棄ロスが発生している課題を認識し、乾燥機導入で消費期限が2週間から6ヶ月に伸び、廃棄処理コストが従来の半分以下になったと数字で示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    水分量目標25%以内、常温6ヶ月保管の目標に対し、ひじきうどんの水分量22.8%、一般生菌数20などの実績が数値で示され、目標達成の根拠がある。付加価値・賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    乾燥機設置のための工場改装や試験運転、食品分析開発センターへの検証依頼があったとわかるが、人材や事務処理体制についての記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    消費期限が伸びることで廃棄率の減少や販路拡大が期待でき、生麺に近い味を保てる点、小売店や贈答品など顧客ターゲットも具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として小売店の新商品、飲食店の持ち帰り用、贈答品などの販路展開が示されているが、中長期の検証や遂行スケジュールは具体的ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    半生麺は日持ちする新しい商品として位置付けられているが、ジャンルの普及度や高価格化の水準を示す記述は少ない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    食品ロス削減の取り組みや農林水産省の調査に触れ、地産地消にも言及するが、雇用創出や波及効果の具体的な記述は薄い。

  • 費用対効果4

    廃棄処理コストが従来の半分以下、ロット数と注文数の差による廃棄ロスが半減といった効果が数字で示され、費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    乾燥技術の導入により麺線熟成でうまみを出す点は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーン全体の革新への言及は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    明和町の特産品「ひじきうどん」や松阪の地元契約農家との取り組みに触れ、地域の特性を活かしている点は読み取れるが、地域経済成長への言及は具体的ではない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

半生麺に機能性素材などを組み合わせれば需要が広がる可能性がある。既存取引先には生麺に加えて半生麺を提案し、小売店では新商品、飲食店では持ち帰り用の新たな商品として新販路の創造につなげる。また、日持ちがして食感がよい半生麺で特徴のある贈答品などへの参入も見込む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。