ものづくり補助金平成25年度製造業滋賀県

伝統産業と新素材を活用した若年層向け「ふくさ」の開発を通じた「ふくさめる」文化の浸透

株式会社 清原

この事例のポイント

  • 博多織や西陣織、ふじやま織など織り込みのある生地は、裁断時に糸が出てきて繊細なふくさの縫製が難しく、美しい柄を歪ませずに縫う必要があった。
  • 従来のちりめん生地から、アパレルや服飾雑貨に使われる博多織、西陣織、ふじやま織などの新素材に取り組んだ。
  • 新素材の縫製に成功し、新しいふくさの試作品を完成させた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 清原
所在地滋賀県 守山市
業種繊維工業
技術分野複合・新機能材料
従業員数23人
資本金1,250万円
設立1978年

事業の背景

当社は昭和53年設立の、ふくさの製造・販売を行う会社である。ふくさの生産数量・種類では日本トップクラスのシェアを占めている。一方、ふくさの用途は冠婚葬祭で金品を渡す際に限られ、そのままでは市場が縮小してしまうため、若年層をターゲットとした事業革新が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術博多織や西陣織、ふじやま織など織り込みのある生地は、裁断時に糸が出てきて繊細なふくさの縫製が難しく、美しい柄を歪ませずに縫う必要があった。
  • 納期・工程刺繍は型代が必要で、デザインから試作サンプルの提供までに時間がかかっていた。
  • 新製品・新技術若年層向けに従来のちりめん生地や定番の配色・柄から脱却し、若い感性に響く色やデザインを提案する必要があった。

やったこと

従来のちりめん生地から、アパレルや服飾雑貨に使われる博多織、西陣織、ふじやま織などの新素材に取り組んだ。これらの生地は、これまで培った高度な縫製技術により縫製の課題を解決した。社内でデザインした刺繍や柄をデジタルデータとして取り込み、型なしで直接刺繍できる刺繍専用ミシンを導入し、試作時間を大幅に短縮した。京都精華大学デザイン学部と連携し、「ふくさめる かたち」と題した授業を開講して学生のアイデアを試作開発に取り入れ、若い感性に合った新しいふくさを試作した。

加工機刺繍専用ミシン

新しい製品・サービス:若年層向けの新素材・新デザインのふくさ(博多織・西陣織・ふじやま織を使用した試作品)

事業の効果

新素材の縫製に成功し、新しいふくさの試作品を完成させた。刺繍専用ミシンの導入により試作時間を大幅に短縮し、商品提案力が強化された。京都精華大学との連携で若年層に響くデザインを取り入れ、試作開発につながる学生のアイデアを得た。今後は百貨店や専門店に加え、アパレル、服飾雑貨、文具売場など若年層の目につきやすい販路の拡大に取り組む。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    ちりめん生地からの素材転換と「ふくさ」製造で培った縫製技術の活用が書かれ、既存事業との一貫性はうかがえる。経営戦略上の位置付けまでは示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    日本トップクラスのシェアや高度な縫製技術という強みが書かれるが、市場動向との関係や競争優位の根拠は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    冠婚葬祭需要の縮小という課題認識と、若年層向け商品への転換が書かれるが、高付加価値化や成長の数値目標までは読み取れない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    従業員の技術向上を支える職場環境や量産体制の構築が書かれるが、補助事業の遂行体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    若年層をターゲットに新素材・デザイン・機能へ挑戦し、アパレルや文具売場への販路拡大を計画していることが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    刺繍専用ミシン導入や京都精華大学との授業連携など取組内容は書かれるが、スケジュールや課題解決の方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ふくさの一般的な認知が縮小傾向の中で、ふじやま織や博多織などの素材を使った若年層向けの新分野に挑戦している点が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    伝統産業との連携や産学連携の意義は書かれるが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由の記載は限定的。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    京都精華大学との連携や異業種の伝統産業との素材連携で新たな価値を生む点は書かれるが、デジタル技術活用の詳細は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    滋賀県守山市の地場企業として、富士吉田市や京都の伝統産業との連携を行う点は読み取れるが、地域経済への効果は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

百貨店の呉服売場・専門店が中心の従来の販路に加え、アパレルや服飾雑貨、文具売場などへ販路を拡大していく。

  • 目標:従業員数23人

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。