ものづくり補助金平成25年度製造業滋賀県

蓄電池キャパシタによる革新的小型照明の開発

辻プラスチック株式会社

この事例のポイント

  • 太陽電池式街路灯は蓄電に鉛蓄電池を使うため設置コストが高く、定期交換などのメンテナンスも必要で、整備・普及の拡大に難点があった。
  • 蓄電部に電気二重層コンデンサー(キャパシタ)を採用し、太陽電池、キャパシタ、LEDを3つのキーデバイスとする小型自発光式LED照明を開発した。
  • 蓄電部にキャパシタを採用したことで、計算値11年の長寿命かつメンテナンスフリーとなり、維持管理費を低減できた。

事業者のプロフィール

事業者名辻プラスチック株式会社
所在地滋賀県 東近江市
業種プラスチック製品製造業
技術分野接合・実装
従業員数36人
資本金1,000万円
設立1988年

事業の背景

太陽電池式街路灯は災害時にも機能し省エネに貢献する有効な照明だが、蓄電に鉛蓄電池を用いるため設置コストが高く、定期交換などのメンテナンスも必要で、整備・普及に難点があった。国内の太陽電池式照明の市場規模は220億円程度(販売高ベース、2015年9月建設工業調査会)で、主な製品は数10Wの太陽電池をポール上部に載せた大型製品であり、単価は数十万円から百数十万円と高額だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算太陽電池式街路灯は蓄電に鉛蓄電池を使うため設置コストが高く、定期交換などのメンテナンスも必要で、整備・普及の拡大に難点があった。
  • 新製品・新技術従来品は約240×240×350mmと大きく、完成体の小型化が必要だった。
  • 品質・精度屋外で使うため外装部にIP7相当の防水性能を確保する必要があり、同時に外装の強度を上げるための厚肉化(約9mm)に伴う成形性の劣化を解決する必要があった。

やったこと

蓄電部に電気二重層コンデンサー(キャパシタ)を採用し、太陽電池、キャパシタ、LEDを3つのキーデバイスとする小型自発光式LED照明を開発した。完成体は従来品の約240×240×350mmから約154×100.5×40.1mmに小型化した。制御回路には高効率のDCDCと超省エネのMPU(PIC)を搭載し、太陽電池電圧、キャパシタ電圧(残容量)、人感センサーの電圧を監視して最適な条件でLEDを駆動できるようにした。外装部は樹脂製(PC)にOリング溝を設け、剛性の高いステンレス板を底板に使うことでIP7の防水性能を確保した。外装は約9mmに厚肉化し、樹脂流動解析を実施して成形性の問題を解決した。

新しい製品・サービス:小型自発光式LED照明(太陽電池・キャパシタ・LEDを使用した街路灯等の小型照明)

事業の効果

蓄電部にキャパシタを採用したことで、計算値11年の長寿命かつメンテナンスフリーとなり、維持管理費を低減できた。点灯・消灯タイミングや照明の明るさを顧客のニーズに応じて自由に設定できるようになった。小型で安価(数万円を予定)であり、歩道を想定した場合は1システムで10m以上の距離に対応でき、簡単に設置できる。採用したLEDは約200lm/Wの高効率タイプで、現時点では世界最高水準である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    鉛蓄電池の設置コストや定期交換の課題から小型照明の開発に取り組み、成長分野型の環境・エネルギーに位置づけられている。過去の取組との一貫性は読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内市場220億円、LEDは約200lm/Wで世界最高水準、キャパシタで長寿命と、市場と自社技術の強みが具体的な数字で示されている。

  • 課題の認識と解決4

    鉛蓄電池の課題を整理し、キャパシタ採用と従来品約240×240×350mmから154×100.5×40.1mmへの小型化で課題解決を図っている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。付加価値額や賃上げの目標値は記載されていません。

  • 事業を進める体制2

    従業員36人と記載があるものの、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な内容は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    官公庁・工事会社・設計会社へのヒアリングで小型照明が適する現場が多いと判明し、歩道で10m以上に対応できる点を示している。

  • 事業化までの道筋3

    樹脂流動解析や防水設計など技術課題の解決方法は示されるが、事業化のスケジュールや遂行方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。資本金1,000万円の記載はあるが、資金調達の見込みは書かれていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    太陽電池式照明は市場220億円で、大型製品は数十万円から百数十万円と高額な中、小型の低価格品という差別化が示されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    災害時に送電線が寸断されても機能する照明としての社会的意義は示されているが、雇用創出や波及効果の具体的な数字は書かれていない。

  • 費用対効果3

    キャパシタで寿命計算値11年、維持管理費の低減、数万円の想定価格が示されるが、補助金投入額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    MPUとセンサーで電圧や残容量を監視し最適制御する仕組みを示しているが、地域やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    環境・エネルギーの成長分野型に位置づけられ、太陽電池式照明の市場への進出が示されているが、構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及2

    滋賀県東近江市に本社があると記載されるが、地域特性を活かして付加価値や雇用を生む内容は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

太陽電池式照明の用途と場所によっては、本開発品である小型の照明が主流になると考えている。東南アジアでの戦略決定のため現地ヒアリングを行っており、価格は日本と別の対応が必要だが、需要は日本よりかなり大きい。官公庁、工事会社、設計会社へのヒアリングでは、大型製品より小型の照明が適切な現場が多くあることが分かった。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。