ものづくり補助金平成25年度製造業京都府

次世代立体対象物読取スキャナー開発用設備の構築

ニューリー株式会社

成果読み取り解像度 400dpi→800dpi

この事例のポイント

  • 立体物の再現ニーズが高まる中で、新製品の開発に使う大きな面積を高解像度で読み取れる設備が必要だった。
  • 平面を高解像度で読み取るため、従来の400dpiから800dpiでのスキャンを可能にする技術を開発した。
  • 読み取り解像度 400dpi→800dpi。高解像度で凹凸の深い対象物まで再現できるようになり、立体感や表情のリアルな再現が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名ニューリー株式会社
所在地京都府 久御山町
業種電気機械器具製造業
技術分野機械制御
従業員数120人
資本金5.584億円
設立1979年

事業の背景

当社は1979年の創業以来、スキャン技術の研究と開発に特化し、印刷業界向けスキャナーを製造販売して50台以上の販売実績がある。主力製品は登録商標「スキャメラ」で、A1サイズまでの対象物を高解像度で取得できる。国内外の印刷業界や建材・内装材メーカーでは業務用の大型スキャナーの導入が進んでおり、特に欧州の先端技術を持つメーカーから高精度のスキャナーが輸入されている。アジアでも汎用性の高いスキャナーの需要が急速に増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術立体物の再現ニーズが高まる中で、新製品の開発に使う大きな面積を高解像度で読み取れる設備が必要だった。
  • 品質・精度凹凸の高い対象物を鮮明に読み取るには、より高い精度のスキャン技術が必要だった。

やったこと

平面を高解像度で読み取るため、従来の400dpiから800dpiでのスキャンを可能にする技術を開発した。幅50mmの画像を短冊状に複数回に分けて読み取り、つなぎ合わせて1つの画像を完成させる手法を採用し、新たな光学系を備えた読み取りセンサーを開発した。凹凸の高い対象物には、階層的に読み取りの高さを変えて複数回画像を取り込み、各階層でピントの合った部分を抽出して合成する手法を用いた。高さセンサーとその対応ソフトウェアを導入して合成処理のつなぎ性と位置の再現性を確保し、凹凸の頂点から底まで50mmの範囲でピントの合った画像を取得できるようにした。これにより読み取り範囲は従来のA1サイズを上回る600×900mmの面積まで対応可能となった。開発した設備(ステージ)を用いて次世代3次元スキャナー「SCAMERA-Face」を完成させた。

その他開発用設備(ステージ)
検査測定高さセンサーとその対応ソフトウェア
検査測定新たな光学系を備えた読み取りセンサー

新しい製品・サービス:次世代の3次元スキャナー「SCAMERA-Face」

事業の効果

  • 読み取り解像度 400dpi→800dpi
  • 従来のA1サイズを上回る600×900mmの面積まで対応
  • 凹凸の読み取り高さ 10mm→50mm

高解像度で凹凸の深い対象物まで再現できるようになり、立体感や表情のリアルな再現が可能になった。読み取り範囲も拡大し、商業施設の壁面印刷や壁紙など建材への応用が見込める。新製品「SCAMERA-Face」の展示会出展では、国内外の販社から関心を集め、優位性を確認している。今後は既存顧客を中心とした印刷業界や建材・内装材メーカーに向けて既存設備の更新需要を取り込み、開発後3年目の本年度に国内稼働の約200台の大型スキャナーのうち約30%にあたる60台の達成を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    印刷業界向けスキャナーの販売実績(50台以上)と独自コア技術の蓄積が述べられ、過去の取組との一貫性は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    欧州メーカーの先端技術や顧客からの立体再現ニーズに触れ、スキャン精度・画質の好評という自社の強みと結びつけている。

  • 課題の認識と解決3

    凹凸の再現に関する課題と、高さセンサー導入による解決の方向性は示されているが、高付加価値化や成長への定量的計画は薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    現在国内稼働約200台の約30%にあたる60台を開発後3年となる本年度に達成するという具体的な数値目標が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員数120人や設備の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制について具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    立体物の凹凸や色・表情の再現を求める顧客ニーズ、印刷業界・建材メーカーがターゲットと明確に述べられている。

  • 事業化までの道筋2

    開発後3年の目標とデモ機としての位置づけは示されるが、遂行方法や課題解決のスケジュールの詳細は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    400dpiから800dpi、読取範囲をA1サイズ超へ広げるなど、高水準の高付加価値化を図る内容が具体的に示されている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    建材・印刷業界の需要や業務用スキャナー市場の拡大にわずかに触れるが、国による補助の積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    高さ情報の階層合成による立体再現技術は先端的な技術だが、サプライチェーンへの貢献の記述は具体性が薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    印刷・建材などの既存分野の高度化は述べられるが、日本経済の構造転換への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

開発後3年となる本年度に、国内で稼働していると予測される約200台の業務用大型スキャナーの約30%にあたる60台の販売を達成することを目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。