ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業京都府

自動車用潤滑油での経験を活かし、工業油の新たな販売方式としてIBCローリーサービスを展開

株式会社FUKUDA

成果廃油吸引や給油に係る時間を半分程度に短縮した。

この事例のポイント

  • 工業油の仕入れ、配送、入れ替え、廃油回収、最終処理を別々の業者へ発注しており、業者の手配や作業日程の調整に手間がかかっている。
  • 蓄電機能付きの新型IBCローリー車両を開発し、IBCコンテナ(液体用コンテナ)を2基搭載するとともに、廃油回収用ポンプを搭載した。
  • 廃油吸引や給油に係る時間を半分程度に短縮した。廃油吸引や給油にかかる時間を半分程度に短縮し、作業の一体化により煩雑な発注業務を解消できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社FUKUDA
所在地京都府 京都市
業種各種商品卸売業
従業員数20人
資本金1億円
設立1976年

事業の背景

株式会社FUKUDAは自動車・バイク用潤滑油を中心に近畿2府4県で販売しており、地域を絞った密着型の営業と、販売から保管・配送・回収・処理までのワンストップサービスを特徴としている。リーマンショック時の原油高騰による価格圧力や、ハイブリッド車・エコカーの台頭によりエンジンオイルの需要が減少傾向にあり、経営環境は悪化していた。2012年からはIBCタンクを使った量り売りのIBCローリーサービスを行っており、ものづくり企業から工業用機械オイルを扱っていないかとの問い合わせを受けたことが今回の取組みのきっかけになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能工業油の仕入れ、配送、入れ替え、廃油回収、最終処理を別々の業者へ発注しており、業者の手配や作業日程の調整に手間がかかっている。
  • コスト・採算工業油はドラム缶での販売のため、必要量に合わない購入をして余りや使用期限切れによる無駄が生じることがある。
  • 生産能力工業油の交換には機械停止が必要で通常稼働日には作業できず、社員の休日出勤や丸一日の拘束が生じている。
  • 品質・精度バルブや配管のパッキン硬化などによる油漏れが多くの現場で起きており、オイルの継ぎ足し作業など本来不要な作業が発生している。

やったこと

蓄電機能付きの新型IBCローリー車両を開発し、IBCコンテナ(液体用コンテナ)を2基搭載するとともに、廃油回収用ポンプを搭載した。工場内に備え付けのオイルタンクから古い油を抜き取って給油し、そのまま廃油回収まで行うワンストップサービスを実現した。給油用の高性能ポンプと廃油を吸引するポンプを導入した。工業油は粘度があり正確に量ることが難しいため、株式会社富永製作所に給油・吸引電動ポンプの開発を依頼し、株式会社モビリティープラスに電源装置を依頼した。油漏洩・飛散防止機能を有した特殊な油圧作動油を扱えるようにした。

加工機蓄電機能付き新型IBCローリー車両
加工機給油・廃油吸引用電動ポンプ
その他電源装置
その他IBCコンテナ(液体用コンテナ)

新しい製品・サービス:工業用潤滑油(油圧作動油)の販売と、給油・廃油吸引・運搬を一体化した新型IBCローリーサービス

事業の効果

  • 廃油吸引や給油に係る時間を半分程度に短縮した。

廃油吸引や給油にかかる時間を半分程度に短縮し、作業の一体化により煩雑な発注業務を解消できた。適量の販売が可能になり、工業油の余りや期限切れといった無駄を減らせる見込みである。蓄電池機能付車両によりアイドリングストップで作業でき、工場内の引火事故の危険性や排気ガス、騒音を排除できた。営業面では、経営者へ直接営業できる機会が増え、新たな事業分野として工業用油の扱いに進出できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    2012年からIBCローリーサービスを行い、自動車用潤滑油の経験を工業油へ活かす一貫した取組みとして位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    エンジンオイル需要減少やエコカー台頭の外部環境を踏まえ、関西での専売権や既存企業との差別化を強みとして挙げている。

  • 課題の認識と解決4

    機械停止、発注の煩雑さ、適量購入、油漏れという課題を明示し、廃油吸引で給油と廃油回収の作業時間を半分程度に短縮するとしている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    目標は工業油の販売先を今年中に5件以上獲得することのみで、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員20人で協力企業と開発を進めた体制は示されているが、新規参入で実務経験が浅いとも記されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客をプレス機やNC旋盤を扱う金属加工業に定め、工業油の課題解決を提供価値として整理している。

  • 事業化までの道筋3

    今年中に5件の獲得を目標に展示会出展を検討すると記すが、課題の解決方法や詳細なスケジュールは限定的である。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    工業油の販売は新分野への進出で、粘度のため正確に量るポンプ開発は難しかったと記され、新市場への参入性が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    国が補助する理由として、経済波及効果や雇用創出などの積極的な説明はわずかにうかがえる程度にとどまる。

  • 費用対効果3

    作業時間の半減やドラム缶の容器代削減が示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    蓄電池機能付き車両や新型電動ポンプの導入でアイドリングストップや環境負荷低減を図る点が示されるが、デジタル技術の活用は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    工業油分野への進出は示されるが、日本経済の構造転換に資するという政策的な位置づけは読み取れない。

  • 地域経済への波及3

    近畿2府4県や京都市での地域密着型の営業と、地域企業との交流による事業展開が記されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

工業油の販売先を今年中に5件以上獲得することを目標とし、展示会への出展を検討している。『京都ビジネス交流フェア』や『びわ湖環境ビジネスメッセ』、『中小企業新ものづくり・新サービス展』にも参加を予定している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。