ものづくり補助金平成25年度情報通信業大阪府

グローバル競争力強化の為のスマホ活用「進化型POP」の試作開発

フジキンソフト株式会社

この事例のポイント

  • 既存のアラームシステムは多数の加工機がある現場で騒音に紛れ、現場作業者が機械の停止や異常に気づきにくかった。
  • 補助事業では、グループの機械加工現場で使いこなしてきたPOP(生産時点情報管理)システムを改良し、スマートフォンやタブレットで各種情報を参照できる「進化型POP」を試作開発した。
  • 加工機の稼働・停止・トラブルを把握し、迅速な生産管理と稼働効率を上げる改善に役立てられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名フジキンソフト株式会社
所在地大阪府 大阪市北区
業種情報サービス業
技術分野情報処理,製造環境,測定計測
従業員数100人
資本金5,000万円

事業の背景

親会社の株式会社フジキンは、半導体製造装置に使う特殊精密バルブ機器や継手を製造販売し、高いシェアを持つ。フジキンソフトはそのグループの情報システム部門が独立した会社で、グループの情報システムの開発・保守を主力としている。現在の売上はフジキンカープグループ年商の5%程度を占めるにとどまり、IoT時代に向けて新たな成長の柱を求めていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存のアラームシステムは多数の加工機がある現場で騒音に紛れ、現場作業者が機械の停止や異常に気づきにくかった。
  • 人手・技能加工機の操作要員の配置分担が現場の経験に頼っており、データに基づいて効率化できていなかった。
  • 新製品・新技術複数の加工機械メーカーの情報を一元的に把握できる手頃な市販システムが見当たらなかった。

やったこと

補助事業では、グループの機械加工現場で使いこなしてきたPOP(生産時点情報管理)システムを改良し、スマートフォンやタブレットで各種情報を参照できる「進化型POP」を試作開発した。既存の加工機械に無線式スイッチを取り付け、機械から取得するカウント信号により稼働・停止・トラブルの状態や生産の進捗を把握する仕組みとした。さらに、加工機に流れる電流の実測値、周囲の温度環境、振動、運転音をビッグデータとして収集し、大型ディスプレーで機械の運転・停止や状態を知らせる機能を加えた。まず株式会社フジキン大阪工場柏原で先行運用し、共創会社1社に納入して稼働を始めた。日本語・英語・ベトナム語の操作環境を用意し、初年度は10セットの販売を計画している。

その他無線式スイッチ
その他大型ディスプレー
ソフト進化型POPシステム

新しい製品・サービス:進化型POP

事業の効果

加工機の稼働・停止・トラブルを把握し、迅速な生産管理と稼働効率を上げる改善に役立てられるようになった。データに基づく予防保全により、機械やプラントの稼働率を計画的に高く維持できるようになる。見積原価と実際原価の差異を精緻に検証でき、一品ものの仕事で両者の開きをなくしてコスト低減につなげる余地がある。また、外販によって新たな販売先を開拓し、消費電力や稼働効率を考えた操業計画のサポート機能も検討されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    ものづくり補助金で機械加工の現場で使い込み改良してきた進化型POPを、外販用システムとして展開する流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    一品モノの原価差異の検証や稼働データ分析など機械加工の現場ノウハウを武器に、市販品にない手頃なシステムで需要を開拓するとある。

  • 課題の認識と解決4

    見積原価と実際原価の開き、操作要員配置の非効率を課題として挙げ、コスト低減につなげる余地があると述べている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    初年度10台販売の計画はあるが、付加価値額や賃上げに関する目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員100名の会社で情報システム部門が独立し、社内検証を経て販売する体制が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    想定ユーザーは加工機械を10台以上持ち、自前のシステム構築が難しい会社と明確に示されている。

  • 事業化までの道筋4

    平成28年度中に10セットを販売し、社内では3年程度かけて全面導入する時期と段階が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    市販品で見当たらない手頃な生産管理システムとあるが、分野の普及度や高価格化の水準は具体的に書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    新事業やものづくり現場の進化への寄与は述べられているが、雇用創出や経済波及の数字は書かれていない。

  • 費用対効果2

    稼働率向上や原価低減の狙いは書かれているが、補助金額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    センサー、IoT、ビッグデータ、スマートフォン端末、MEMS開発との連携など先端的なデジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    IoT時代に合わせたユーザー提案で、ソフト面の成長エンジンとする方向性が示されている。

  • 地域経済への波及2

    大阪府柏原市の工場で先行運用する記載はあるが、地域の経済成長や雇用への波及は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は株式会社フジキンの本業の好調を弾みに、IoT時代のセンサー活用や予防保全の提案を強化する。MEMSセンサーの開発を進める半導体ベンチャーとも連携し、新事業として取り組む方針である。

事業者の声

IoTに積極的に対応し、応用製品の販売で社会に貢献していきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。