ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

冷間リバース圧延ライン向け耐環境走間板厚測定器の試作開発

株式会社ヤスオカ

この事例のポイント

  • 冷間圧延では塑性熱で材料と測定器の両方が熱膨張し、熱くなった状態と冷めた状態が繰り返すため測定誤差が生じていた。
  • 圧延ラインを運転しながら圧延中の板の線径や板厚を1,000分の1mm単位で測定する精密走間測定器に、新しい機能を開発して搭載した。
  • 測定データの分析では、予熱によって測定誤差が従来の3分の1になり、精度が大きく向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ヤスオカ
所在地大阪府 柏原市
業種金属製品製造業
技術分野測定計測
従業員数14人
資本金1,500万円

事業の背景

株式会社ヤスオカは線材と板材の圧延機を主力に、機械や生産ラインを製造販売している。線材は髪の毛ほどの細さから最大60mm径まで手がけた実績があり、メガネフレーム用の異形線の圧延機も得意とする。精密走間測定器は国内で唯一の国産メーカーとして事業を展開しているが、国内の同業大手は最近までに軒並み撤退し、海外メーカーとの競争が続いていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度冷間圧延では塑性熱で材料と測定器の両方が熱膨張し、熱くなった状態と冷めた状態が繰り返すため測定誤差が生じていた。
  • 品質・精度圧延後の板の端部にたわみが生じるが、従来の測定器では測定が難しく、たわんだ状態でも精度よく測定することが求められていた。
  • 人手・技能従来の機種では測定パスラインの基準高さを手動で変更しており、段取り替えの調整作業に手間がかかっていた。

やったこと

圧延ラインを運転しながら圧延中の板の線径や板厚を1,000分の1mm単位で測定する精密走間測定器に、新しい機能を開発して搭載した。予熱については、熱が伝導する接触部分をあらかじめヒーターで予熱し、高めの温度に温めておく方式を考案して温度変化による測定誤差が起きる領域を小さくした。接触式測定モジュールの差動トランスは、従来の上下方向のぶれに加えて傾き方向にも追随するようにし、端部のたわみに追従して測定できるようにした。測定パスラインの基準高さはステッピングモーター駆動によりタッチパネルから指示できるようにし、段取り替えの調整作業を省力化した。さらに、ユニット式圧延機を単独制御型として製品化し、電機制御の設計ノウハウを活かした。

検査測定精密走間測定器(新機能搭載)

新しい製品・サービス:精密走間測定器の新機能(接触部分の予熱方式、傾き方向にも追随する接触式測定モジュール、タッチパネルから基準高さを指示できる機構)と、単独制御型のユニット式圧延機。

事業の効果

測定データの分析では、予熱によって測定誤差が従来の3分の1になり、精度が大きく向上した。端部のたわみにもスムーズに追従して測定できるようになり、品質保証の面での課題が解消へ向かった。基準高さの設定を自動化したことで段取り替えの調整作業が省力化された。新機能によって精密走間測定器の競争力が強化され、開発装置は大手圧延メーカーでテスト中で、別のユーザーからも引き合いが入っている。

今後の展望

今後も圧延機の分野を事業展開の柱と位置づけ技術開発に力を入れる。ユニット式圧延機は引き合いが順調で、当面は国内需要の深耕に注力する。ユーザーの投資は部分増設や補助ラインの機動的な設置が中心とみられ、そのニーズに応えるユニット式の提供を進める。アジア市場の開拓も視野に入れている。

事業者の声

いかに軽く追従機構を可動させるかがポイントで、そこの構想に時間を費やした

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。