ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

デジタル電力量計用電線接続ターミナルアダプターの試作・開発

有限会社今村化学

この事例のポイント

  • デジタル電力量計用電線接続ターミナルアダプターの試作・開発に取り組んだが、大手企業に先行され製品化は断念した。
  • 電力量計のデジタル化に伴う交換工事の際、従来のアナログ式とは端子の位置が異なるため電線の延長加工などが必要だったことから、デジタル電力量計に装着すればアナログ式と同じ端子配置にな…
  • デジタル電力量計用電線接続ターミナルアダプターの開発には成功したが、類似商品が大手メーカーから発売されたため製品化は断念した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社今村化学
所在地大阪府 香芝市
業種プラスチック製品製造業
技術分野複合・新機能材料,立体造形
設立1968年

事業の背景

昭和43年6月創業のプラスチック製品成形メーカーで、耐熱性や耐電圧・絶縁性に優れる熱硬化性樹脂を用い、受配電設備用絶縁部品や鉄道車両部品などを製造してきた。熱硬化性樹脂の成形には圧縮成形技術を用い、1980年代からは炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の加工も手がけてきた。主な取引先は鉄道車両・鉄道設備、電気設備、産業機器メーカー、電気工事会社などである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術デジタル電力量計用電線接続ターミナルアダプターの試作・開発に取り組んだが、大手企業に先行され製品化は断念した。
  • 人手・技能新たな樹脂圧縮成形技術を確立する必要があった。
  • 生産能力下請け仕事への依存度を下げ、自社製品を開発する必要があった。

やったこと

電力量計のデジタル化に伴う交換工事の際、従来のアナログ式とは端子の位置が異なるため電線の延長加工などが必要だったことから、デジタル電力量計に装着すればアナログ式と同じ端子配置になる電線接続ターミナルアダプターの試作・開発に取り組んだ。アダプターの本体構成部品の試作を通じ、新たな樹脂圧縮成形技術の確立を目指した。試作品製作に用いる金型や治具の購入に補助金を利用した。

新しい製品・サービス:無停電バイパスケーブル

事業の効果

デジタル電力量計用電線接続ターミナルアダプターの開発には成功したが、類似商品が大手メーカーから発売されたため製品化は断念した。アダプター開発を通じて習得した新たな圧縮成形技術は歯科医を目指す学生向け教材の製造に応用された。電力量計などの交換作業用の無停電バイパスケーブルは、大手電気工事会社など採用先が順調に拡大している。自社製品を生み出す取り組みは仲間づくりや業界での認知向上にもつながり、相談や依頼も増えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和43年創業以来、熱硬化性樹脂の圧縮成形を軸に受配電部品や鉄道車両部品を製造してきた流れが書かれ、一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客ニーズに応え小ロットから量産までコーディネートする強みや、大手が手出しできないニッチ市場を狙う方針が書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    電力工事会社の交換作業簡素化ニーズを課題として捉え、ターミナルアダプター開発に取り組んだと書かれているが、財務や数値目標は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    経験豊富なベテラン技術者を顧問に迎え、平成26年に開発室を立ち上げ、3Dプリンタなどを揃えたと書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    無停電バイパスケーブルの採用先拡大や、大学病院の医師の声を聞いたカテーテル台の開発など、ニーズに基づく製品の方向性が書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    ターミナルアダプター製品化は断念したが、その後の方向性や中長期の検証方法、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    炭素繊維強化プラスチックの加工や熱硬化性樹脂の圧縮成形を扱い、ニッチ市場を狙う姿勢が書かれているが、高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    受配電設備部品や鉄道車両部品の製造、電力量計の交換作業簡素化への貢献がうかがえるが、波及効果や雇用創出の記載は乏しい。

  • 費用対効果2

    無停電バイパスケーブルの採用先が順調に拡大していると書かれているが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    3Dプリンタや小型切削加工機の活用や圧縮成形技術の応用が書かれているが、デジタル技術によるサプライチェーン変革までは読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自社製品開発や下請け依存度の低下を目指す方向性はうかがえるが、成長分野への進出や構造転換の記述は限定的である。

  • 地域経済への波及2

    奈良県香芝市の開発室を拠点に取り組むと書かれているが、地域雇用や地域経済成長への言及は少ない。

今後の展望

樹脂成型技術を柱に、無停電バイパスケーブルのような自社製品を生み出すチャレンジを今後も続ける。

事業者の声

顧客の喜びが従業員にも返ってくるような循環を生み出す

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。