ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

シートの両面にチャックを接合する為の機械と専用スライダーの試作開発

株式会社ミューパック・オザキ

この事例のポイント

  • 旧来の仕事が縮小傾向に直面し、数をこなす受託加工から顧客の課題を解決して付加価値を得るスタイルへの転換が必要だった。
  • フィルムシートの表・裏の両面にチャック部を接合する機械として、大手石化系樹脂加工メーカーの開発機を導入した。
  • 表・裏両面にチャックを接合できるようになり、袋の中心部など任意の位置に入れ口を設定できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ミューパック・オザキ
所在地大阪府 八尾市
業種プラスチック製品製造業
技術分野接合・実装
従業員数30人
資本金1億円
設立1984年

事業の背景

プロのカメラマン向けネガ袋の受託製造から始まった合成樹脂フィルム製袋の専業メーカーで、ユニークな仕様の袋で市場に認知されている。後発でチャック付き袋に参入し、現在は売り上げの50%以上をチャック付き製品が占める。近年は特許取得にも力を入れている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力旧来の仕事が縮小傾向に直面し、数をこなす受託加工から顧客の課題を解決して付加価値を得るスタイルへの転換が必要だった。
  • 新製品・新技術表・裏の両面にチャックを後付けする新機能の実用化が課題だった。

やったこと

フィルムシートの表・裏の両面にチャック部を接合する機械として、大手石化系樹脂加工メーカーの開発機を導入した。導入したダブルドラム式チャック溶着装置は、ドラム2つとフィルムを反転させる仕掛けで、表・裏両面にチャックを接合する。表面と裏面のチャックの雄・雌部をかみ合わせる専用スライダーを独自に考案し、金型を導入して試作開発を行った。当初はチャックの雄・雌がはずれる現象が出たため、かみ合わせの強度を上げる設計変更を行った。通常の引っ張り方向では外れないよう荷重の支点を偏位させる仕様を考案した結果、通常の引っ張りでは破断するまで外れない強度を得た。

加工機ダブルドラム式チャック溶着装置
金型センタースライダー用の金型

新しい製品・サービス:表・裏両面にチャックを接合できるセンターシール式のポーチおよびチャック袋。専用スライダー「ミュースライダー」を組み付けた開閉パーツ、学生と協力した「閉めるだけ~」、自動包装機にかけられる密閉型のスライダー式袋。

事業の効果

表・裏両面にチャックを接合できるようになり、袋の中心部など任意の位置に入れ口を設定できるようになった。かみ合わせ設計の改良によりスライダーとのコンビが完成し、通常の引っ張りでは外れにくくなった。ツートンカラーなどバリエーションも広がった。高齢者にとって開閉が簡単なスライダー式袋として、食品用を中心に本格的な販売を始めた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    ネガ袋の受託から始まり、チャック付き袋への参入と特許取得へと続く流れが示され、事業の一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    先行社が多い市場で、表・裏両面にチャックを接合する独自仕様や大手石化系メーカーとのコラボによる強みが具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決3

    旧来の受託縮小という課題認識と付加価値型への転換は読み取れるが、高付加価値化の数値目標などの具体性は薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの目標値は書かれておらず、売上比率などの記述はあるが目標の実現可能性は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    大手メーカーとのコラボや学生との協力、人材育成に言及があるが、補助事業の実施体制としての具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    両面チャックで任意位置に入れ口を設定できる点、高齢者の簡単な開閉、食品用の密閉型スライダー袋など、価値と顧客が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    当初スケジュールからの遅れ、平成28年半ばの営業開始、今後の機械化などが書かれているが、課題解決の詳細は限定的。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    チャック付き袋の市場は多様な製品が出回る中で、両面チャックを接合する独自方式で差別化し、ニッチな高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    高齢化社会での開閉しやすいチャック需要に触れているが、経済波及や雇用創出などの国の補助の必要性は明示されていない。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す数値は書かれておらず、工程の合理化提案などの成果がわずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献3

    新たなチャック方式の開発や大手メーカーとの共同開発が示されるが、サプライチェーンへの貢献の具体性は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    高齢化社会への対応という需要の変化に触れているが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    大阪の八尾市の企業であることや大阪経済法科大学との協力が書かれるが、地域経済の牽引に関する記述は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

スライダー式の需要が伸びると見ており、高齢化社会を背景に、簡単に確実に開閉できる袋を提供していく。スライダーの機械化で効率を高める考えで、現本社工場は手狭になりつつあり新工場の計画も描いている。次世代の技術・経営の幹部候補者の育成が今後のカギとなる。

事業者の声

高齢者と孫のコミュニケーションにも役立つ

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。