ものづくり補助金平成25年度製造業奈良県

丸編み機による新しい高機能な五本指靴下をスポーツや健康用に販売

西垣靴下 株式会社

この事例のポイント

  • 従来の五本指靴下は平べったいタイプが多く、運動効率とパフォーマンスを高めるスポーツ対応型を編み上げるには、立体的に編み上げる技術が必要だった。
  • 丸編み機を導入し、五本指靴下を編めるようにした。
  • 丸編み機の導入により、五本指靴下の立体編みやパイル編み、テーピング編み、ノンスリップ編みが可能になり、差別的優位性のあるオンリーワンの高機能スポーツ対応五本指靴下を製造できるよう…

事業者のプロフィール

事業者名西垣靴下 株式会社
所在地奈良県 奈良県大和高田市
業種繊維工業
技術分野複合・新機能材料,立体造形
従業員数43人
資本金1,000万円
設立1986年

事業の背景

ウォーキングやジョギングの人口増加と健康増進志向により、スポーツ用靴下の生産量は全国で121.1%、奈良県で112.1%と伸びている。五本指靴下は奈良県内で対前年比129.5%と特に生産量が増えており、スポーツ選手の愛用や衛生・健康面からのニーズも高まっている。スポーツシューズ1足に対して2〜3足の靴下が必要とされ、五本指靴下は有望な市場とみられている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術従来の五本指靴下は平べったいタイプが多く、運動効率とパフォーマンスを高めるスポーツ対応型を編み上げるには、立体的に編み上げる技術が必要だった。
  • 生産能力従来は横編み機で五本指靴下を製造していたが、パイル編みやテーピング編みができなかった。

やったこと

丸編み機を導入し、五本指靴下を編めるようにした。これにより、衝撃を和らげるパイル編み(衝撃緩和機能)と、足首・関節を固定するテーピング編み(足首・関節固定機能)が可能になった。摩擦係数の高いポリウレタン糸を編み込む当社の技術を用い、滑り止め機能を持つノンスリップ編みを開発した。この技術は平成27年11月27日付で㈱東レ・オペロンテックスと共同特許を取得している。拇と他の指の部分を斜めに立体で造り、大きい釜で針数を多くして斜めの食い込みを抑え、履き心地を高めた。

加工機丸編み機

新しい製品・サービス:五本指靴下「あしサポ つまずき予防靴下」

事業の効果

丸編み機の導入により、五本指靴下の立体編みやパイル編み、テーピング編み、ノンスリップ編みが可能になり、差別的優位性のあるオンリーワンの高機能スポーツ対応五本指靴下を製造できるようになった。1足の編立時間は18分、価格は1足1,500円を実現した。この製品は、スポーツ分野で販売を伸ばすとともに、新たな取引先の開拓にもつながると見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    過去の五本指靴下技術や意匠登録、特許取得の経緯が示され、スポーツ・健康分野への展開が一貫して読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    スポーツソックス生産量の伸び(121.1%、奈良県112.1%)や五本指靴下の129.5%増を示し、差別的優位性のある高機能製品と結びつけている。

  • 課題の認識と解決4

    五本指靴下を編めない課題を丸編み機導入とポリウレタン糸技術で解決し、1足の編立時間18分と1足1,500円を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    補助事業を含む年間売上を2年目4,620万円、5年目6,000万円と数値で目標設定しており、実現性の根拠はやや薄い。

  • 事業を進める体制2

    従業員43名や特許・指定工場の実績はあるが、補助事業を遂行する人材・体制の具体的な配置は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自然と人に優しいコンセプトや五本指靴下の機能(衝撃緩和、足首固定、滑り止め)とターゲットのスポーツ利用者が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    スポーツからビジネス、日常へと利用シーンを拡大する方向は示されているが、遂行スケジュールや課題解決方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    五本指靴下の市場拡大を数値で示し、横編み機では編めなかった機能を丸編み機で実現した高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    奈良県の靴下産地の集積や技術を活かす点は触れられているが、雇用創出や波及効果の具体的な数字は示されていない。

  • 費用対効果3

    1足1,500円や編立時間18分の効率化は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加額の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    丸編み機やポリウレタン糸の編込み技術は示されるが、デジタル技術や新ビジネスモデルによるサプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    スポーツ市場の成長に乗る点はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述は見当たらない。

  • 地域経済への波及3

    奈良県大和高田市の靴下産地の集積を活かす点は示されるが、地域の雇用や経済成長への寄与は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

補助事業を含む年間売上は、2年目に4,620万円、5年目に6,000万円を目標とする。今後はスポーツ分野から、ビジネス分野、そして日常へと利用シーンを広げていく計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。