ものづくり補助金平成25年度製造業和歌山県

輸出用梱包材の製造工程改善に係る設備投資による生産能力拡大計画

藏野製材株式会社

この事例のポイント

  • 建築用木材の需要が減り、主力だった建築用木材の売上比率が約20%まで落ち込んだため、パレット製造に一層力を入れる必要があった。
  • 補助事業では、パレット事業の利益率向上を目的に「ローラーコンベア式パレット組立及び自動積上げ機」を導入した。
  • 導入後、機械のトラブルや操作への慣れに時間がかかり、生産効率が向上するまでに1年程度を要した。

事業者のプロフィール

事業者名藏野製材株式会社
所在地和歌山県 有田郡湯浅町
業種木材・木製品製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数16人
資本金1,600万円
設立1921年

事業の背景

1921年に紀州木材を使ったみかん箱の製造で創業し、その後は住宅用製材や工務店向けの構造材加工を中心に事業を続けてきた。現在はパレットの製造が主要事業となり、大阪・奈良方面へ出荷している。一方で建築用木材の引き合いは年々減少し、売上に占める比率は約20%程度まで落ち込んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信建築用木材の需要が減り、主力だった建築用木材の売上比率が約20%まで落ち込んだため、パレット製造に一層力を入れる必要があった。
  • コスト・採算パレットの販売先からの値下げ要請が年々厳しくなり、生産効率を上げてコスト競争力を持つ必要があった。
  • 生産能力単純工程を人の手で行っていたため、その工程を自動化して生産効率を改善する余地があった。

やったこと

補助事業では、パレット事業の利益率向上を目的に「ローラーコンベア式パレット組立及び自動積上げ機」を導入した。この機械により、これまで人の手で行っていた単純工程を自動化した。単純工程に従事していた従業員の時間は、より複雑な工程に振り向けられるようになった。

  • 加工機ローラーコンベア式パレット組立及び自動積上げ機

事業の効果

導入後、機械のトラブルや操作への慣れに時間がかかり、生産効率が向上するまでに1年程度を要した。その後は定型パレットの製造に割く時間が減り、特注パレットや木箱など複雑な形状の製品に従業員の時間を充てられるようになった。これまで生産能力の限界で受けられなかった県内の歯車メーカーの納品用木箱や機械メーカーの輸出用木箱などの受注が得られ、一定の成果を上げた。パレット事業の利益率向上も期待できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来の紀州木材加工の一貫性と、みかん箱からパレットへ事業を移してきた経緯が具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    木製パレットは安く複雑加工や修理ができる利点があると述べられ、強みは読み取れるが数値比較は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    建築用木材の売上比率が20%程度まで低下したという課題と、自動化による生産効率向上とパレット利益率向上の方針が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    利益率向上を目的とするとあるが、具体的な目標値や数値は示されておらず、わずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    従業員が操作に慣れるまで時間を要し、人材配置が課題とあるが、体制や事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    木製パレットの価格・加工自由度・修理可能性の利点と、小ロット対応の強みが具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    生産効率が向上するまで約1年かかったことや工程の見える化による人員配置の解決が語られ、課題と対応は読み取れる。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    木製パレットの小ロット対応や複雑加工の強みは書かれているが、高付加価値化の水準は数値で示されていない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    大阪・奈良方面への出荷や地元湯浅での供給は書かれているが、波及効果や雇用創出の国の関与理由は薄い。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す投入額や付加価値増加額の記載はなく、生産効率の改善が語られるにとどまる。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    紀州木材を地域で活かし、湯浅の地域密着で事業を続けてきた点は読み取れるが、地域経済成長への寄与は具体性が薄い。

今後の展望

既存の得意先である梱包材の商社筋との取引拡大に注力し、新たな得意先の獲得も目指している。木製パレットの安さ、複雑な加工ができること、修理できること、小ロットに対応できることを強みとしてアピールしていく。他材料との組み合わせによる木屑が出ないパレットの開発など、研究開発にも力を入れる意向である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。