ものづくり補助金平成25年度製造業鳥取県

「精密マイクロンチャック」量産化のための工作機械設備の新規導入

聖和精機株式会社

成果納期 45日→30日

この事例のポイント

  • 精密マイクロンチャックは精度保証が厳しく、需要に対する製品供給量は70%以下にとどまっていた。
  • 精密マイクロンチャックの量産化のため、NC旋盤(森精機製 NLX2500)を新規に導入した。
  • 納期 45日→30日。NC旋盤の導入により精密マイクロンチャックの加工精度が安定し、第2工程を内製化できた。

事業者のプロフィール

事業者名聖和精機株式会社
所在地鳥取県 鳥取市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数120人
資本金9,000万円
設立1973年

事業の背景

当社は工作機械用切削刃具の保持工具(ツーリング)を主製品とするメーカーである。主力の精密マイクロンチャックは把握力と精度で顧客人気が世界的にトップクラスであり、2006年発表のAA級マイクロンチャックは振れ精度2μm以下を保証する高グレード商品である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力精密マイクロンチャックは精度保証が厳しく、需要に対する製品供給量は70%以下にとどまっていた。
  • 納期・工程高精度製品のため生産が顧客需要に対応しきれず、納期遅れから失注に至る場合があった。
  • 品質・精度製作難易度が高く、機械設備の性能によって製品の良し悪しが左右される状況だった。

やったこと

精密マイクロンチャックの量産化のため、NC旋盤(森精機製 NLX2500)を新規に導入した。この設備により旋削の第2工程を新たに内製化し、加工が可能となった。テスト旋削を繰り返し、設備に同期した加工条件を設定した。さらに外部の業務改善専門家を招き、生産の直行率向上と多能工化を進めるため、徹底した「ムダとり作戦」を展開した。組立職場を1階に移設し、動作・運搬・停滞のムダを排除して職場間のモノと情報の流れを改善した。

加工機CNC2軸旋盤(森精機製 NLX2500)

事業の効果

  • 納期 45日→30日
  • 生産数 970本/月→1,200本/月

NC旋盤の導入により精密マイクロンチャックの加工精度が安定し、第2工程を内製化できた。納期は45日から30日への短縮が見込まれ、生産数は月970本から1200本を目指せる状況になった。業務改善により毎月15件程度のムダとり改善提案が安定して出るようになり、従業員の多能工化も促進された。市場への供給不足が改善されれば、さらなる拡販と競合他社との差別化が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    主力のマイクロンチャックの人気と世界的評価は読み取れるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    世界的な人気と高い保持精度(2μm以下)、需要に対し供給量70%以下という市場と自社の状況が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    供給量70%以下という課題を示し、NC旋盤導入で納期45日から30日、生産数970本から1200本/月へという数字つきの解決策が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産数970本から1200本/月、納期45日から30日短縮という数値目標があり、導入後の成果も記載されている。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    外部の業務改善専門家を雇い入れた点と従業員120名は読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    保持精度2μm以下、刃具寿命の大幅延長、世界から注目されるといった製品価値と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    テスト旋削の繰り返しや組立職場の移設など進め方は読めるが、中長期の検証やスケジュールの明示は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    高精度ツーリングで同分野の高付加価値化を図り、保持精度2μm以下を保証する画期的な精密商品として位置付けられている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    世界市場の拡大や高精度ツーリングの役割は示されるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    生産数と納期の改善数字はあるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の記載はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    高精度な工作機械用ツーリングは日本の『ものづくり』を支えるとされるが、構造転換への言及はわずかである。

  • 地域経済への波及2

    鳥取市の本社立地は示されるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用牽引の記述は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

市場への供給不足を改善すれば、さらなる拡販が期待できる。顧客納期を意識した高性能ホルダの市場供給により、競合他社との差別化の拡大が期待される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。