ものづくり補助金平成25年度製造業島根県

生産工程の改善による短納期化及びローコストでの多品種少量生産の実現

有限会社 出雲樹脂

成果試作・製作期間 1倍→0.5倍

この事例のポイント

  • 客先からの相談や製造依頼は短納期のものが多くなっており、成形型の製作に時間がかかるため、市場から更なる工程短縮を迫られている。
  • 3Dプリンタ、3DCAD、画像寸法測定機を導入し、試作工程の短縮に取り組んだ。
  • 試作・製作期間 1倍→0.5倍。3Dプリンタの導入により、成形型を作らずに試作品を作れるようになり、試作から生産までのプロセスが大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 出雲樹脂
所在地島根県 出雲市
業種プラスチック製品製造業
技術分野立体造形
従業員数23人
資本金1億円
設立1984年

事業の背景

有限会社出雲樹脂は10数台の射出成形機を有し、山陰地方を中心とした企業からのプラスチック製品、特に段取りが面倒な色もの部品の製造を得意としている。外観部品検査員のスキルも高く、顧客からの信頼が厚い。近年は客先からの短納期の相談や製造依頼が増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程客先からの相談や製造依頼は短納期のものが多くなっており、成形型の製作に時間がかかるため、市場から更なる工程短縮を迫られている。
  • 人手・技能設計は100%外注先に頼っており、自社で行えていなかった。

やったこと

3Dプリンタ、3DCAD、画像寸法測定機を導入し、試作工程の短縮に取り組んだ。3DCADで設計した部品を3Dプリンタで製作することで、角度が1度ずつ違う3つの部品の中から最適な1つを、型を作らずに選べるようにした。実際に受注を想定した部品を設計し、3Dプリンタで製造して画像寸法測定機で測定し、精度の確認を行った。画像寸法測定機で測定した検査表を添付することで、客先の製品評価の短縮にもつなげられるようにした。

加工機3Dプリンタ
ソフト3DCAD
検査測定画像寸法測定機

事業の効果

  • 試作・製作期間 1倍→0.5倍

3Dプリンタの導入により、成形型を作らずに試作品を作れるようになり、試作から生産までのプロセスが大幅に短縮された。設計を3DCADで内製化でき、顧客との交渉も迅速になった。画像寸法測定機の導入で精度の信頼性が加わり、既存の検査スキルとあわせて顧客からの信頼性が向上した。これにより受注増に向けた体制が強化された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    射出成形で多品種少量の生産を得意としている点はうかがえるが、3Dプリンタや設計内製化が過去の取組とどう連続するかは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    外観部品検査員のスキルが高く顧客からの信頼が厚いという強みが書かれており、競争優位の根拠として読み取れるが具体性は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    客先からの短納期化の要望を課題として挙げ、試作工程を短縮する計画が書かれており、課題と取組の対応が読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    3Dプリンタ使用で試作を型製造なしに行い、従来の1/2から1/3の期間短縮が可能と書かれており、目標値が読み取れる。

  • 事業を進める体制3

    設計を内製化し、試作の習得と構築に取り組んだと書かれているが、担当体制や人材については触れられていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    短納期の顧客ニーズと、寸法測定による評価短縮が書かれているが、ターゲット顧客の整理は限定的である。

  • 事業化までの道筋3

    実際に受注を想定した部品で試作と測定を行い精度を確認したと書かれているが、中長期の検証やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    3Dプリンタによる試作短納期化を強みとする記述はあるが、普及度や分野の水準についての具体的記載はない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    介護事業進出の検討が書かれているが、地域経済や雇用創出への波及効果は具体的に示されていない。

  • 費用対効果3

    従来の成形型製作に比べ期間が1/2から1/3になる点は示されているが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3DCADや3Dプリンタ、画像寸法測定機を用いた試作プロセスの改善が書かれ、デジタル技術の活用は読み取れる。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    山陰地方を中心とした企業から受注している点はうかがえるが、地域の特性を活かした付加価値創出の記述は限定的である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

開発リードタイムの短縮を強みに、新分野への進出を目指している。介護事業への進出を視野に、関連団体などから情報収集を行っている。少数ロットであれば3Dプリンタでの対応も可能となり、信頼性とレスポンスの速さを生かして受注増を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。