ものづくり補助金平成25年度製造業広島県

固形物の入った醤油加工品「たれ」「ドレッシング」の商品化

川中醤油株式会社

成果1時間あたりの生産数量 500本→2,000本

この事例のポイント

  • 手作業による容器供給と1本のみの充填ノズルのため充填作業が非効率で、生産数量を増やせない。
  • 「たれ」や「ドレッシング」に適する醤油の製造・改良を行い、固形物の種類と粒度を充填機で充填可能かつ商品特性に適した大きさに改良した。
  • 1時間あたりの生産数量 500本→2,000本。連続自動充填機の導入により、1時間あたりの生産数量は4倍、1日あたりの生産数量は5倍に増大し、生産効率が大幅に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名川中醤油株式会社
所在地広島県 広島市
業種食料品製造業
技術分野バイオ
従業員数38人
資本金2,460万円
設立1969年

事業の背景

当社は創業110年の老舗醤油製造企業で、醤油加工品の製造にも取り組み、毎年のように新商品を開発している。約10年前から固形物の入った「たれ」や「ドレッシング」を製造・販売しており、売上を伸ばせる分野との手応えがあった。近年は自然志向・本物志向が高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手作業による容器供給と1本のみの充填ノズルのため充填作業が非効率で、生産数量を増やせない。
  • 人手・技能固形物の種類や粒の大きさ、充填可能な容器の容量に制限があり、本格的な製造体制の整備に限界がある。
  • 新製品・新技術固形物の入った「たれ」「ドレッシング」を本格的に商品化するためには、ニーズに合う試作品づくりが必要である。
  • 品質・精度開栓後の酸化やしずくのたれを防ぐ容器がなく、新容器の開発が必要である。

やったこと

「たれ」や「ドレッシング」に適する醤油の製造・改良を行い、固形物の種類と粒度を充填機で充填可能かつ商品特性に適した大きさに改良した。連続自動充填機を導入し、9本の充填ノズルを装備、粘度無し~高粘度と固形物有り・無しの組み合わせに対応、1日あたり10,000本の充填を可能にした。容器の供給、投入、取出しを自動化し、専属の作業者を不要にした。充填量は秤による重量式とし、比重を入力するだけで内容量や充填物を短時間で変更できるようにした。協力会社に逆止弁付容器の試作を依頼し、新充填機での充填テストで充填可能なことを確認した。

加工機連続自動充填機
その他逆止弁付容器

新しい製品・サービス:固形物の入った「たれ」「ドレッシング」および酸化防止逆止弁付新容器

事業の効果

  • 1時間あたりの生産数量 500本→2,000本
  • 1日あたりの生産数量 2,000本→10,000本
  • 1日の作業時間 4h→5h
  • 充填ノズル本数 1本→9本

連続自動充填機の導入により、1時間あたりの生産数量は4倍、1日あたりの生産数量は5倍に増大し、生産効率が大幅に向上した。自動化により熱充填作業の安全性も向上し、容器の内容量や充填物の変更が短時間でできるようになった。新容器により一般消費者向けの小容量商品や、食品加工業者向けの1ℓ・1.8ℓの業務用商品の製造が可能となり、売上拡大が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    約10年前から固形物入りたれ・ドレッシングを手がけ、売上を伸ばせる分野との手応えがあったと書かれ、経営戦略上の位置づけはうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    一般消費者向けと業務用の両方への販路拡大、地産原料での差別化を挙げているが、市場動向の数値分析は示されていない。

  • 課題の認識と解決5

    生産数量が2,000本から10,000本へ5倍、1時間あたり500本から2,000本へ4倍と数字で課題解決効果が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1日あたり生産数量を2,000本から10,000本に増やす目標を設定し、導入後の実績として数値が示されている。賃上げ目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    協力会社2社との試作開発体制は書かれているが、人材や事務処理体制の詳細は記載されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自然志向・本物志向に合致する山椒や柚子などの固形物入り商品という顧客ニーズと、小容量・業務用の顧客層が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作、充填テスト、容器試作、商品検討の順序が示されているが、スケジュールの詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    固形物入りたれは類似商品との差別化を図る方針が書かれており、高付加価値化の方向性はうかがえるが、価格や市場普及度の数値はない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地産原料の利用や地元広島での支持に触れているが、国が補助する理由となる波及効果や雇用創出の記載は薄い。

  • 費用対効果3

    生産効率の向上を数値で示しているが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の記載はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    地産原料の活用と地元広島での支持は記載されているが、雇用創出や地域経済成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

連続自動充填機と新容器により「たれ」「ドレッシング」の生産能力と新型容器での商品化が実現可能となったため、今後は地産原料を使い類似商品との差別化を図る具体的な商品開発に取り組む。一般消費者向けには小容量容器のバリエーションを増やし、食品加工業者向けには業務用商品の提案力を強化して売上拡大につなげる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。