ものづくり補助金平成25年度製造業広島県

工作機械の稼働率向上を実現する機上工具監視システムの開発

株式会社 エーシック

成果価格 200万円→70万円

この事例のポイント

  • 切削加工では定期的に機械を停止させ、工具を取り外して刃先を目視検査する必要があり、機械の稼働率が低下していた。
  • 回転中の工具の刃先を観察できる広島県立総合技術研究所東部工業技術センターの装置を実用化し、機上工具監視システムを開発した。
  • 価格 200万円→70万円。高速回転のまま刃先を検査できるようになり、機械の稼働率向上と工具取り外しに伴う経費削減が見込まれる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 エーシック
所在地広島県 福山市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野機械制御,情報処理,測定計測
従業員数27人
資本金3,500万円
設立1984年

事業の背景

同社は電子回路設計製造を得意とし、従業員27人、年商1億1800万円の企業である。金属製品メーカーの切削加工現場では、従来の工具刃先監視が機械停止と目視検査を伴う方法に頼っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力切削加工では定期的に機械を停止させ、工具を取り外して刃先を目視検査する必要があり、機械の稼働率が低下していた。
  • コスト・採算従来の工具刃先監視は、機械停止、取り外し、目視観察、再取り付けの手順を伴うため、余分な人件費が発生していた。

やったこと

回転中の工具の刃先を観察できる広島県立総合技術研究所東部工業技術センターの装置を実用化し、機上工具監視システムを開発した。高輝度LED照明と高精細カメラを用い、照明と工具を近接させて設計した。小型高精細カメラの選定と撮像視野の最適化を行い、制御回路の周波数を上げて高速処理を実現した。撮像システム、照明系、制御回路を一体化して最適設計し、低価格化を図った。防塵・防水のためエアブロワでミストを除去する機構を備えた。

検査測定機上工具監視システム

新しい製品・サービス:機上工具監視システム

事業の効果

  • 価格 200万円→70万円

高速回転のまま刃先を検査できるようになり、機械の稼働率向上と工具取り外しに伴う経費削減が見込まれる。3000rpmでの撮影、30μmの測定検出精度、36枚5秒の処理を達成し、初期の開発目標はすべて達成した。高速回転検査で芯振れも検出でき、取り付け不良の早期発見によるロスコスト削減と加工トラブルの減少が期待される。製品価格は70万円で、従来品より大幅に抑えられた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    マイコン基板の設計・製造と顧客ニーズに応える受注生産が強みと書かれるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置づけは読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    切削加工現場の定期停止と工具目視検査という課題や、従来品200〜400万円に対し70万円という価格差から、市場との関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    稼働率低下や余分な人件費という課題を示し、機上監視で非取外し検査を実現、5年で累計1億円以上の見込みと書かれ、事業計画の実効性がうかがえる。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    3000rpm撮影、30μm精度、5秒/36枚、70万円といった目標値と開発結果が数字で示され、達成済みと書かれている。

  • 事業を進める体制3

    広島県の技術研究所と顧客ニーズ収集先との協力体制は書かれるが、社内の人材や事務処理体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    加工トラブル削減や複数台管理による費用削減という価値、販社経由の金属製品メーカーという顧客像が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    商品化のめどや販社経由の販売、機上工具測定への展開は書かれるが、スケジュールや課題解決の方法は詳しくない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来は機械停止と取外しが必要だった刃先検査を機上で行う点が、同分野で従来品より大幅に低価格な高付加価値化として示されている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    地域の公設研究機関の技術を実用化する点は書かれるが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果4

    従来品200〜400万円に対し70万円、加工機の稼働率向上と複数台管理による費用削減が示され、費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献3

    ストロボ同期の仮想停止撮像やリアルタイム観察など新技術の活用は書かれるが、サプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    金属加工の省力化という分野は読み取れるが、日本経済の構造転換への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及2

    広島県の技術研究所との連携という地域要素はあるが、地域の雇用や経済成長を牽引する記述は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

販社を通じて金属製品メーカーへの販売と市場の拡大を進め、5年間で累計1億円以上を見込む。機上工具測定システムへの展開も計画している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。