ものづくり補助金平成28年度製造業香川県

最新型ファイバーレーザー導入による高精度加工の高効率化

株式会社アラクス

成果加工時間 1倍→0.5倍

この事例のポイント

  • 取引先が300社以上あり、受注形態は多品種少量で、同じ形状の製品がほとんどないため、生産効率を上げにくい。
  • 最新型ファイバーレーザー加工機を導入した。
  • 加工時間 1倍→0.5倍。加工スピードは従来のレーザー加工機に比べ約1/2に短縮し、電力やアシストガスなどのランニングコストも約1/3に削減でき…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アラクス
所在地香川県 観音寺市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数28人
設立1973年

事業の背景

弊社はレーザー加工機やTIG溶接機などを使い、ステンレス、アルミ、銅、鋼などの部品加工(切断、曲げ、溶接)を担っている。取引先は300社以上で、多品種小ロット製品を1〜7日の短期間で製造・納品することが特徴である。日本のステンレス鋼生産量はほぼ横ばいだが、中国の生産量が大幅に増加しており、世界の生産量も増加すると見込まれ、ステンレス鋼加工を主軸とする弊社にも受注増が期待されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力取引先が300社以上あり、受注形態は多品種少量で、同じ形状の製品がほとんどないため、生産効率を上げにくい。
  • 品質・精度ユーザーからさらなる高精度加工と短納期化の要望が強まっていた。
  • 生産能力さらなる高精度部品や複雑形状部品の即日納品など、現有設備だけでは対応できない顧客ニーズが増えていた。
  • コスト・採算現有設備で対応できない案件を外注加工に出すため、コストが増えていた。

やったこと

最新型ファイバーレーザー加工機を導入した。この加工機は発振効率が高く、ビーム品質の良い高出力ファイバーレーザーで、業界初のビーム可変ユニット「ENSIS」を搭載し、加工対象に合わせてビームを最適化できる。ENSISにより、エネルギー密度の高い極細のビームを発生させ、ビーム波長が短波長であるため金属材料に対して高吸収特性を持つ。これにより加工対象への熱影響を最小限に抑え、加工の高精度化と高速化を実現した。さらに既存のレーザー加工機やベンダー機とともにIoTネットワーク環境を強化し、製造工程全体を網羅した生産管理体制を構築した。蓄積・分析した保守・監視情報により、トラブルを未然に防ぐ予知保全も強化した。

加工機最新型ファイバーレーザー加工機
その他ビーム可変ユニット(ENSIS)
ソフトIoTネットワーク環境・生産管理システム

新しい製品・サービス:最新型ファイバーレーザー加工機(ビーム可変ユニットENSIS搭載)による高精度加工

事業の効果

  • 加工時間 1倍→0.5倍
  • ランニングコスト 1倍→0.33倍

加工スピードは従来のレーザー加工機に比べ約1/2に短縮し、電力やアシストガスなどのランニングコストも約1/3に削減できた。これによりリードタイムが短縮され、製造コストも低減した。加工の高精度化と高速化により製品の品質向上と超短納期化を実現し、高効率生産と安定供給ができる体制を整えた。また、新規顧客開拓による売上増や新規雇用の拡大も見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    現有のレーザー加工機やベンダー機を活かした多品種小ロット製造と、ステンレス・非鉄の割合8割超の目標が書かれている。過去の取組との連続性は具体的に読み取りにくい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    取引先300社以上、多品種少量、1〜7日の短期納品という強みと、高精度・短納期化の顧客ニーズへの対応が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    外注加工によるコスト増が課題と明示され、新設備導入で製造リードタイムと生産コストの低減を図る計画が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    5年間の売上目標が1年目1万千円から5年目4.5億円程度まで数値で示され、加工速度約1/2、ランニングコスト約1/3の目標も具体的。

  • 事業を進める体制2

    従業員28名や製造体制の強化は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制について具体的な記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ステンレス・アルミ・銅の色もの加工を確立する目標や、高精度・短納期という選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後のIoT環境構築や予知保全の強化は書かれているが、具体的なスケジュールや課題解決の段取りは読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ファイバーレーザーのビーム可変ユニットENSISは業界初と書かれ、高水準の付加価値化をうかがわせるが、市場での普及度の数値は示されていない。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用3

    ステンレス生産の世界的増加に伴う受注増や新規雇用の拡大が書かれているが、川上川下への波及効果の具体的な数値は示されていない。

  • 費用対効果4

    加速とランニングコストの削減率が示され、費用対効果の根拠は具体的だが、補助金投入額との比較は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    IoTネットワークによる生産管理体制と予知保全の強化が書かれ、デジタル技術の活用による製造工程全体の見直しが示されている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    ステンレス鋼の需要増への対応は書かれているが、日本経済の構造転換に資するという観点まではうかがえない。

  • 地域経済への波及3

    香川県観音寺市の企業として地域社会への貢献や新規雇用の拡大に触れているが、地域特性を活かした具体的な説明は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はステンレス鋼と非鉄の割合を全体の8割以上に高め、色もの加工(ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金)で確固たる地位を確立することを目標としている。本事業による売上目標は1年目1億円、5年目4億5千万円としている。

事業者の声

一日一歩

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。