ものづくり補助金平成25年度製造業香川県

競争力強化(静音化や省エネ化等)を目的とした高精度歯車の研究開発及び製作

株式会社川西歯車工作所

成果ホブ研磨時間 100%→30%

この事例のポイント

  • 中・大型歯車は歯形誤差の高精度化が残っており、超精密なホブカッターの製作が必要だが、現設備ではミクロン単位の機械制御が困難で、現行レベルを超える精度向上要求に対応できない。
  • 新鋭CNCホブ歯溝研削盤を導入し、ミクロンオーダーの機械制御とCBN砥石による面粗度の向上で超精密なホブカッターの研究開発および製作をめざした。
  • ホブ研磨時間 100%→30%。歯形精度が向上し、現行のホブ切削の歯形公差JIS8級程度から、より高い精度要求に対応でき、低騒音・低振動・省エネルギー…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社川西歯車工作所
所在地香川県 観音寺市
業種生産用機械器具製造業
技術分野機械制御,精密加工,製造環境
従業員数13人

事業の背景

株式会社川西歯車工作所は歯切り部門の設立から50年余りにわたり、各種歯車部品を中心に製作してきた。多品種小ロットに対応できる設備と人材を持ち、材料取りから完成品までの工程をほとんど社内で行えることが強みである。近年は環境問題や省エネルギー化への対応が重要視され、差別化の観点から高精度歯車へのニーズが強まっている。小型歯車は既に高精度化を実現しているが、中・大型歯車の歯形誤差の高精度化が課題として残っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度中・大型歯車は歯形誤差の高精度化が残っており、超精密なホブカッターの製作が必要だが、現設備ではミクロン単位の機械制御が困難で、現行レベルを超える精度向上要求に対応できない。
  • 新製品・新技術静音化や省エネルギー化への要求が高まっており、振動・騒音が少なく省エネルギーで長寿命な高精度歯車の研究開発と製作が求められている。

やったこと

新鋭CNCホブ歯溝研削盤を導入し、ミクロンオーダーの機械制御とCBN砥石による面粗度の向上で超精密なホブカッターの研究開発および製作をめざした。CNCホブ歯溝研削盤で歯溝研削したホブカッターで製作した歯車と、現設備で歯溝研削したホブカッターで製作した歯車を、各数個以上製作して比較検証した。試作品の精度測定は自社のCNC歯車試験機で行い、試作歯車とインボリュート曲線との差を数値化した。その数値を業界基準規格(JIS B 1702-1およびJIS B 1708-8)と比較し、等級を確認した。

新しい製品・サービス:ミクロンオーダーの超精密ホブカッターおよびそれで製作する高精度歯車

事業の効果

  • ホブ研磨時間 100%→30%
  • ホブ盤の切削時間 100%→80%
  • ホブ研磨盤の電力代 100%→40%
  • ホブ盤の電力代 100%→80%

歯形精度が向上し、現行のホブ切削の歯形公差JIS8級程度から、より高い精度要求に対応でき、低騒音・低振動・省エネルギーが見込まれる。湿式全面カバーにより粉塵や鉄粉の飛散がなくなり、クリーンな製造環境と作業員の健康に配慮した労働環境が確保される。ホブの研磨回数と研磨時間が減り、大型特殊ホブ研磨の内製化により日数と費用が削減でき、ホブ盤での切削時間も短縮される。これにより電力消費も減少し、ユーザー側では歯車の面粗度向上により摩擦抵抗と転がり抵抗が減り、大型モーターの消費電力の削減が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    歯車製作の強みや50年の歯切り実績は書かれているが、本事業が経営戦略のどこに位置づくかの説明は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    静音化・省エネ需要の高まりと、工程の多くを社内で行える強みが書かれ、競争優位の根拠が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    ミクロン単位の歯形精度や研磨時間7096削減、大型歯車の単価数%向上など、課題と効果が具体的に示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    J18S4級からJ189級への精度向上、研磨回数1/3、切削時間20%短縮など数値目標があり、達成見込みも示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員13名や技能の蓄積への言及はあるが、事業遂行のための人材配置や事務処理体制の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    産業機械・建設機械向けが主なターゲットで、市場規模7〜8億円や多品種小ロット対応、納期・品質の評価が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作品での比較検証や精度判定の方法は示されているが、スケジュールと中長期の課題解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    中・大型歯車で歯形誤差を超精密に抑える高付加価値化を図る内容で、CBN砥石によるRa0.1の面粗度が具体的に示されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    地域の造船・産業機械業界への波及や競争力強化が述べられているが、雇用創出などの国の補助の必要性は明示されていない。

  • 費用対効果4

    電力代削減の金額や割合、ユーザー側モーター消費電力最大10%減など、費用対効果を示す数値が複数書かれている。

  • イノベーションへの貢献2

    CNC制御や湿式カバーなど技術の活用は書かれるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は明確ではない。

政策面70%
  • 成長分野への進出3

    高精度・省エネ歯車による産業機械分野の競争力強化は読み取れるが、日本経済の構造転換への言及は少ない。

  • 地域経済への波及4

    香川県観音寺市の地域産業(造船・産業機械等)を対象とし、地域の特性を活かした事業であることが具体的に書かれている。

今後の展望

本事業により当社の事業拡大が見込まれ、中・大型歯車の生産量増加に加え、大型歯車は高精度化により数%程度の単価上昇が見込まれる。ターゲットは産業機械向けと建設機械向けであり、高精度歯車により市場規模の拡大が見込まれる。

事業者の声

さらに高い精度要求にお応えできるよう、日々研鑽してまいります

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。