ものづくり補助金平成25年度製造業香川県

厚物ベルト用高速織機の導入によって生産能力を増強し売上の拡大を図る。

丸善織物株式会社

成果年間約820,000mの増産計画(計画値)。事業の成果では年間885,600m(約32t)の増産体制が確立したとされる。

この事例のポイント

  • 主力商品の厚物ベルトは注文に追いつかず、機会損失が発生していた。
  • 製造部門の生産課内にプロジェクトチームを置き、設備導入計画を作成した。
  • 年間約820,000mの増産計画(計画値)。事業の成果では年間885,600m(約32t)の増産体制が確立したとされる。厚物ベルトの増産体制が確立し、計画を超える生産能力を得た。

事業者のプロフィール

事業者名丸善織物株式会社
所在地香川県 善通寺市
業種繊維工業
技術分野複合・新機能材料
従業員数60人
設立1948年

事業の背景

弊社は国内最大規模の生産力を持つ、繊維スリングの日本工業規格表示認定工場(JIS認定工場)として製造と販売を行っている。繊維スリングの業界は安価な外国製品の日本進出により浸食され、価格面だけで対抗することは限界を迎えている。そのため、品質第一の経営理念のもと厳しい社内規格を設け、高品質な商品群で差別化を図っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力主力商品の厚物ベルトは注文に追いつかず、機会損失が発生していた。
  • 生産能力織機はフル稼働で、夜間・休日も稼働させても稼働率は高い所で200%近くに達していた。
  • 人手・技能生産品目を増やすため、1ヶ月に平均13回織機を止めて品目変更をしており、1回平均12時間の所要時間が労務費のロスとなっていた。

やったこと

製造部門の生産課内にプロジェクトチームを置き、設備導入計画を作成した。織機群の主力であり業界トップメーカーのヤコブミューラー社(スイス)とライン設計を行い、最新型の厚物ベルト用高速ニードル織機(型番NCG-82-130GG)を導入した。これにより現状10ラインの生産ラインを2ライン増設し、1台の織機で本ベルトが織れるため生産ラインは計12本となる。あわせて小福田製作所製のニードル織機用中間機・クリール一式を導入した。年間約820,000m(25t)の生産増を計画した。

  • 加工機ヤコブミューラー社製 厚物ベルト用高速ニードル織機型番NCG-82-130GG小福田製作所製 ニードル織機用中間機・クリール一式

新しい製品・サービス:MV等級ベルトスリングの試作製作が可能となった。

事業の効果

  • 年間約820,000mの増産計画(計画値)。事業の成果では年間885,600m(約32t)の増産体制が確立したとされる。
  • 本格稼働の始まった時の単月での生産合計は、前年同月の83,800m(約7%増)。

厚物ベルトの増産体制が確立し、計画を超える生産能力を得た。機会損失していた厚物ベルトの受注を確保し、品薄だった商品供給が大幅に改善された。生産品目を増やしたことで品目変更にかかっていた生産コストを削減できる見込みで、リードタイムも短縮された。MV等級ベルトスリングの試作が可能になり商品開発スケジュールも短縮され、新たな取引先への納品や販売の進展が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    取組の背景に織維スリングのJIS認定工場や厚物ベルトの主力性が書かれ、既存事業との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    安価な外国製品に価格で対抗できない限界と、J15S認定や厚物ベルトの品質差別化が書かれ、外部環境と自社の強みが対応づけられている。

  • 課題の認識と解決4

    稼働率100%超、月13回の品目変更、1回12時間の段取りなど課題が数字で示され、増産と段取り短縮で解決する計画になっている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    年間20,000m(25t)の増産計画と、5年後売上8%増という目標値が示され、導入後の単月生産増(83,800m)で実績も裏付けられている。

  • 事業を進める体制2

    プロジェクトチームを生産課内に置いたことは書かれているが、人材や事務処理能力の確保については具体的な記述がない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    厚物ベルトの受注機会損失と需要増、J15最高等級MV品の試作が可能になったことなど、ニーズと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    ヤコブミューラー社とのライン設計や2ライン増設の計画は書かれているが、中長期の検証や詳細スケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    厚物ベルトは高い安全性を求められる分野で使われると書かれるが、普及度の数値や高価格化の根拠は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    原子力発電所や化学プラントなど幅広い業種で使われると書かれ、国が補助する波及効果は間接的にうかがえる程度。

  • 費用対効果4

    投入額に対する増産量や売上8%増は示されるが、補助金額と付加価値額の比較は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    より付加価値の高い分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換に資する旨の記述は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    香川県善通寺市の本社所在地は書かれるが、地域特性を活かした雇用や地域経済成長への言及は乏しい。

今後の展望

生産コストの削減、リードタイム短縮、商品開発・販売の進展が期待でき、生産能力の向上により売上の増加を見通せる。また段取りロスを無くすことで低コスト化を実現する。

  • 目標:5年後に全体の売上高を現在より8%伸ばす計画。

事業者の声

生産力強化を通して、外国製品の国内流通による競争激化を乗り越える。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。