ものづくり補助金平成25年度製造業愛媛県

ミートチョッパーの導入によるハランボの耳石の除去及び粉砕と魚残渣の有効活用

伊予蒲鉾株式会社

成果カルシウム含有量 1倍→3倍

この事例のポイント

  • 海外の冷凍すり身を使った大手メーカーの練り製品が安売りし価格破壊が起きており、水産資源の減少で魚価が高値で推移し年次利益が縮小している。
  • 高性能ミートチョッパー(72型、ステンレス製)を導入した。
  • カルシウム含有量 1倍→3倍。ハランボの下処理にかかる時間が短縮され、作業効率が上がった。

事業者のプロフィール

事業者名伊予蒲鉾株式会社
所在地愛媛県 西予市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数33人
資本金3,800万円
設立1987年

事業の背景

当社は水産練製品(じゃこ天、蒲鉾、竹輪)を製造し、年間の売上構成は天ぷら類(揚げ物)50%、蒲鉾類30%、竹輪類20%である。愛媛県産の魚100%を使う「愛あるブランド」認定の練り製品などで地元の魚を生かしてきた。海外の冷凍すり身を使う大手メーカーの安売りにより市場の価格が崩れ、水産資源の減少で魚価も高値が続いている。成魚はトロ箱1杯5,000〜15,000円、稚魚は1,000〜5,000円で取引されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算海外の冷凍すり身を使った大手メーカーの練り製品が安売りし価格破壊が起きており、水産資源の減少で魚価が高値で推移し年次利益が縮小している。
  • 人手・技能ハランボ(ホタルジャコ)の頭部にある耳石を除去する下処理に時間がかかり、稚魚は業者に敬遠されて安値で取引されている。
  • 生産能力稚魚の下処理はトロ箱1杯につき1人で1〜2時間を要し、手作業の時間短縮が求められている。

やったこと

高性能ミートチョッパー(72型、ステンレス製)を導入した。特殊構造のプレート(目皿)により大きな骨や皮もチョッピングできるようにし、穴をテーパー状(円錐型)に加工して目詰まりを回避した。インバータを備えて原料に応じた最適な回転速度に制御し、金属摩擦による熱を抑えて鮮度低下を防いだ。錆の出ないステンレス製とし、従来の鋳物製から変更した。導入後、ハランボを丸ごと投入して耳石の粉砕・除去の実験を行い、プレートを1ミリ単位で調整し、チョッパー作業の回数を変えてペーストを製造した。そのペーストでじゃこ天を試作したところ評判が良く、販売可能と確信した。

加工機ミートチョッパー(72型)
加工機ミートチョッパー(52型)

新しい製品・サービス:栄養機能食品として認定された「健康じゃこ天・骨力(こつりょく)」

事業の効果

  • カルシウム含有量 1倍→3倍
  • 従来より約20〜30%の原料有効活用を実現した

ハランボの下処理にかかる時間が短縮され、作業効率が上がった。原料の有効活用は従来より約20〜30%向上した。骨を多く含む試作品はカルシウムやコラーゲンの含有量が増え、カルシウムは従来品の約3倍となり、栄養機能食品に認定された新商品「健康じゃこ天・骨力」が完成した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和62年設立以来の水産練製品製造と地元魚の活用が書かれ、過去の取組との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外冷凍すり身の安売りで価格破壊が起きたことと、ハランボの安値取引を強みに変える構想が書かれ、外部環境と自社の対応が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    下処理に1人1〜2時間かかる課題と、原料有効活用20〜30%向上、栄養機能食品認定の新商品による高付加価値化が書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    時間短縮や原料有効活用の割合は示されるが、付加価値額の増加率や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    ISO9001取得と品質管理への注力はうかがえるが、補助事業の遂行体制や人材配置の記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ハランボ製品の評判が良く販売可能と確信したこと、学校給食や介護食といった顧客ターゲットが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作と試験、新市場開拓の課題は書かれるが、スケジュールや課題の解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    健康じゃこ天・骨力は、カルシウムが従来品の約3倍となり栄養機能食品に認定された点で、同分野内の高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地元宇和海の魚の活用や水産資源減少への対応がうかがえるが、経済波及や雇用創出の記述は書かれていない。

  • 費用対効果3

    時間短縮と原料有効活用20〜30%が示されるが、投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    愛媛県産の魚を使い愛あるブランドに認定された地域特性の活用は書かれるが、地域経済成長への牽引の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既存商品の製造を維持しつつ、ミートチョッパー導入により新商品の開発を続ける。水産資源の制約の中で原料の有効活用をさらに進め、環境問題にも対応していく。今後は学校給食や介護食など、新たな市場の開拓を課題とする。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。