ものづくり補助金平成25年度製造業愛媛県

新たな加熱装置の導入による大型構造物溶接部熱処理の受注獲得・競争力強化事業

局部熱処理株式会社

成果自社設備の増強により他社からのリース費用が無くなり、コスト削減につながった

この事例のポイント

  • 大型構造物の局部熱処理の依頼に対応しきれず、受注を逃していた。
  • 溶接部を挟み込む形で複数のヒーターを設置し、加熱範囲や加熱時間を厳密に制御する6点式自動抵抗加熱装置を導入した。
  • 自社設備の増強により他社からのリース費用が無くなり、コスト削減につながった。自社設備の増強により他社へのリースが不要になり、スケジュール調整の手間と費用が減少してコスト削減につながった。

事業者のプロフィール

事業者名局部熱処理株式会社
所在地愛媛県 西条市
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
従業員数12人
資本金300万円
設立1981年

事業の背景

局部熱処理は化学・石油・電力プラントの配管や圧力容器などの溶接部を加熱して応力を解放する作業である。全国に専業業者は数十社程度しかないニッチな市場で、会社は四国内で唯一の局部熱処理企業である。国内外のプラントの大型化や規格改正により、大型構造物の熱処理需要が増加していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大型構造物の局部熱処理の依頼に対応しきれず、受注を逃していた。
  • 生産能力1点式自動抵抗加熱装置では、改正されたBS規格などの顧客要望に応えられなかった。
  • 人手・技能複数現場の同時施工には20台以上の加熱装置が必要だが、設備が不足していた。
  • 人手・技能繁忙期には他社から加熱装置をリースしており、スケジュール調整に時間がかかり費用も嵩んでいた。
  • 納期・工程熱処理装置を自作する必要があり、作業効率に課題があった。

やったこと

溶接部を挟み込む形で複数のヒーターを設置し、加熱範囲や加熱時間を厳密に制御する6点式自動抵抗加熱装置を導入した。ヒーター、制御装置、温度記録計を1つのユニットとしてキューブ型のコンテナにまとめ、全国のプラントへ搬送しやすくした。ヒーターは2枚1組をセットにした金網のカゴに入れて運搬しやすくした。局部熱処理用の加熱装置は市販されていないため、必要な機器や部品を購入して自作した。平成28年6月には関東営業所を開設し、全国の需要に対応できる体制を整えた。

加工機6点式自動抵抗加熱装置
検査測定温度記録計

新しい製品・サービス:6点式自動抵抗加熱装置(キューブ型コンテナに加熱処理装置を取りまとめたもの)

事業の効果

  • 自社設備の増強により他社からのリース費用が無くなり、コスト削減につながった
  • 複数の現場を全国各地で同時に熱処理できるようになった

自社設備の増強により他社へのリースが不要になり、スケジュール調整の手間と費用が減少してコスト削減につながった。自社で仕事が完結するようになり納期が短縮された。最新鋭の設備により精度の高い熱処理が可能となり品質が向上した。大型構造物の熱処理を全国の複数現場で同時に行えるようになり、売上が増加した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の局部熱処理の専業で、四国唯一の企業として既存事業の延長に設備増強を位置づけている。ただし経営戦略としての明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大型構造物の需要増と同業者の廃業を挙げ、四国唯一・蓄積ノウハウを強みとして受注拡大を狙う構図が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    20台以上の加熱装置が必要と現状の制約を示し、6点式自動抵抗加熱装置の導入で同時並行施工と納期短縮を図る計画が読める。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    納期短縮と売上増加を見込むと書かれているが、売上や付加価値の数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    会長・専務が関東営業所に常駐し、人材育成の課題にも触れている。従業員12名規模での遂行体制が読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ニッチな市場で大型構造物の顧客ニーズを挙げ、搬送しやすいコンテナ化など選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    ノウハウの体系化による事業承継や設備増強の検討に触れるが、スケジュールや実施方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    四国唯一、全国でも数十社程度の専業市場であり、同分野で高水準の対応力を持つことが具体的に読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    老朽化した国内プラントのメンテナンス需要や海外向け大型製品の増加に触れるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す数値は見当たらないが、リース費用削減によるコストダウンへの言及がわずかにうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    ユニット化による作業効率向上は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    四国の地域企業として関東にも拠点を置く形が読めるが、地域の経済成長への牽引は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

原発停止に伴う火力発電所のフル稼働や、プラントの老朽化対策によりメンテナンス需要が全国で続くと見込まれる。同業者の廃業により受注確保も見込まれ、今後も需要が拡大すると見られている。現状の受注をこなすには更なる設備増強が課題であり、事業継承予定の専務が関東営業所で新規顧客を獲得している。人材育成と技術の体系化も求められている。

  • 目標:加熱処理の対象幅 400mm→2,700mm

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。