ものづくり補助金平成25年度製造業福岡県

熱処理による変寸予測値設定と内外径一貫研削技術とを駆使した生産性・精度向上計画

株式会社フクネツ

成果加工時間 219時間→175時間

この事例のポイント

  • 1つの製品を加工するのに3台の機械を使い、機械ごとに人を配置して作業しているため、人手・時間・コストがかかっている。
  • 一回のチャッキングで内径、他面、外径を連続的に研削できる立型複合研削盤(立体複合研削機)を導入した。
  • 加工時間 219時間→175時間。機械の集約により作業人員と人件費が減り、作業効率が向上して納期に余裕ができた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社フクネツ
所在地福岡県 篠栗町
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数85人
資本金3,500万円
設立1969年

事業の背景

金属熱処理と研削加工を基盤に、機械加工から表面処理までを手がけている。顧客からは研削仕上げの高精度化、短納期化、低価格化、大型化の要望が日々強まっている。最近の機械装置は大型化が進み、部品単品の大型化・高精度化が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力1つの製品を加工するのに3台の機械を使い、機械ごとに人を配置して作業しているため、人手・時間・コストがかかっている。
  • 品質・精度工程ごとにチャッキングが必要で、その精度が悪いと仕上がりの品質も落ちるため、毎回チャッキング精度を確認しながら作業しなければならない。
  • 納期・工程既存設備ではリードタイムが長く短納期対応ができておらず、マーケットが要求するコストを満たせない製品もあるため、機会を逃している。

やったこと

一回のチャッキングで内径、他面、外径を連続的に研削できる立型複合研削盤(立体複合研削機)を導入した。機械を3台から1台に集約し、熱処理前寸法(L加工寸法)を適正に設定することで最小の研削代を残せるようにした。NC装置は対話型で難解な操作が不要なため、短時間で機械操作を習得し試作品の研削加工を完了できた。最適寸法を設定した制作評価品(既存製品類似品)の加工時間を比較したところ、現行平均作業の219時間が立体複合研削盤では175時間に短縮された。立型での研削により幾何公差についても十分な高精度を確保し、リング形状の受注も可能になった。

加工機立型複合研削盤(立体複合研削機)

事業の効果

  • 加工時間 219時間→175時間
  • 機械台数 3台→1台
  • 作業人員 3人→1人

機械の集約により作業人員と人件費が減り、作業効率が向上して納期に余裕ができた。一回のチャッキングで加工できるため精度が上がり、加工時間も短くなった。これまで体制の問題で受けられなかった依頼にも対応できるようになり、リング形状の受注も可能になった。コスト削減と新分野での売上増により業績向上が期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の熱処理・研削の一貫加工を強みとして立型複合研削盤導入を位置付けており、過去の取組との連続性は読み取れるが、経営戦略としての明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    顧客からの高精度化・短納期化・大型化の要望と、熱処理から研削までの一貫加工という強みを結び付けて説明しており、具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    既存設備で納期が長く機会を逃している課題を示し、219時間から175時間への短縮という数字で解決効果を示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    加工時間が219時間から175時間へ短縮と数値で示され、5年後売上13億円の目標も記載されており、目標値が明確である。

  • 事業を進める体制3

    従業員85人の体制や作業人員を1人に集約した点は読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高精度化・短納期化へのニーズと、リング形状の受注が可能になる点など選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として新規顧客開拓や売上目標はあるが、遂行スケジュールや課題解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    大型・高精度の研削加工を得意とし、同分野で高付加価値化を図る記述はあるが、市場の普及度に関する情報は薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用や経済波及効果への言及はほぼなく、国が補助する積極的理由はわずかにうかがえる程度である。

  • 費用対効果4

    投資により3台から1台に集約し人件費負担が減ったこと、加工時間短縮など効果は具体的だが、補助金額との比較は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    立型複合研削盤の導入は示されるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明確に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    福岡県篠栗町の地域企業である点や協力企業ネットワークの活用は読み取れるが、地域経済への牽引効果は具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

熱処理および立体複合研削盤を駆使した生産性・精度向上により、対象マーケット分野が広がり新規顧客を複数開拓できると考えている。エネルギー関係、工作機械、アルミダイキャスト、鋳造などの一般金属加工、建設機械の油圧機器などが対象となる。5年後には13億円の売上高達成を見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。