ものづくり補助金平成25年度製造業鹿児島県

日本古来・固有の格子・障子を3Dで自由な形に加工した、革新的なデザインの格子・障子の試作製作と開発

有限会社奥建具製作所

成果半日以上かかっていた接着剤の乾燥が約1分に短縮

この事例のポイント

  • 大規模建具メーカーの進出などで組子製作の機会が年々低下している。
  • NC機械用のプログラムを作成し、有曲線加工用型枠の製作時間を従来の5分の1まで短縮してコストを削減した。
  • 半日以上かかっていた接着剤の乾燥が約1分に短縮。高周波はぎ組接着機の導入により、半日以上かかっていた接着剤の乾燥が約1分に短縮され、仕上げ工程の課題が解消された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社奥建具製作所
所在地鹿児島県 鹿児島市
業種家具・装備品製造業
技術分野情報処理,立体造形
従業員数12人
資本金300万円
設立1958年

事業の背景

有限会社奥建具製作所は1958年設立の建具メーカーで、組子製作の技術を強みとしてきた。木造住宅の洋風化により日本古来の和の文化が減っている。大規模建具メーカーの進出もあり、組子製作の機会は年々低下の一途をたどっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑大規模建具メーカーの進出などで組子製作の機会が年々低下している。
  • 販路・情報発信木造住宅の洋風化が進み、日本古来の和の文化が少なくなっている。
  • コスト・採算3D曲線加工の組子に必要な有曲線加工用型枠の製作に時間とコストがかかっていた。
  • 生産能力仕上げ工程では接着剤の乾燥に半日以上かかり、時間短縮が課題だった。

やったこと

NC機械用のプログラムを作成し、有曲線加工用型枠の製作時間を従来の5分の1まで短縮してコストを削減した。型枠は複数回使用できるものとし、曲げ加工の短時間・高効率・高品質化を実現した。仕上げ工程では高周波はぎ組接着機を導入し、半日以上かかっていた接着剤の乾燥を約1分に短縮した。認証鹿児島材を用いて3D曲線加工の組子を組み合わせた格子・障子を試作し、扉風パーテーション、照明器具、球形の組子など新分野の製品を開発した。

新しい製品・サービス:3D曲線加工の組子を組み合わせた格子・障子(扉風パーテーション、照明器具、球形の組子などの試作品を含む)

事業の効果

  • 半日以上かかっていた接着剤の乾燥が約1分に短縮

高周波はぎ組接着機の導入により、半日以上かかっていた接着剤の乾燥が約1分に短縮され、仕上げ工程の課題が解消された。NC機械用プログラムによる有曲線加工用型枠の製作で時間が従来の5分の1まで短縮され、コスト削減に成功した。3D曲線加工の組子を組み合わせた格子・障子の製作に成功し、従来は製品化できなかった革新的な試作品を生み出した。これらにより和の文化を新たに創造する一歩となった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    建具製作で培ったノウハウを生かし組子を3D曲線加工へ広げる流れが書かれており、過去の取組との一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    組子需要の低下や大規模メーカーの進出に触れ、自社のノウハウを強みとして挙げているが、競争優位の根拠は定性的な記述にとどまる。

  • 課題の認識と解決4

    型枠製作時間の課題を認識し、NCプログラムで従来の5分の1に短縮、接着乾燥が約1分になったと具体的に示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの目標値は示されておらず、わずかに成果の方向性がうかがえるだけである。

  • 事業を進める体制2

    従業員12人と専務取締役の記載はあるが、補助事業を遂行する体制や役割分担の具体的な説明は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    3D曲線加工の組子製品を、団塊世代やアジアの新興国富裕層、建築業界向けに展開すると顧客像を明示している。

  • 事業化までの道筋3

    ショールーム出店や展示会出展、設計図書への織り込みなど今後の展開手段は示されているが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    組子の需要低下が進む中で3D曲線加工の組子を業界初の試みとし、扉風パーテーションや照明など新分野の製品を試作している。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    日本固有の組子技術の継承と新分野の和の文化創造を目指すとしており、文化面の公共的な意義はうかがえる。

  • 費用対効果2

    補助金額に対する付加価値額や費用対効果の数値は示されておらず、コスト削減の一部が述べられるのみである。

  • イノベーションへの貢献4

    NC機械用プログラムや高周波はぎ組接着機を用い、3D曲線加工の組子という新しい製造方法を開発したことが書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    木造住宅の洋風化で和の文化が減る中、新分野へ進出する方向性はうかがえるが、構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    認証鹿児島材を活用した和装飾製品を鹿児島の事業者として開発しており、地域の素材を生かした取組である。

今後の展望

今後は国内の団塊世代やアジアの新興国の富裕層をターゲットに市場展開を図る。設計図書への織り込みによる建築業界へのアピールで独占市場の獲得を目指し、各種展示会に出展して認知活動に努める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。