ものづくり補助金平成26年度製造業青森県

「切粉の付着、きず、打痕」レスで超高品質な切削加工の後プロセス開発

株式会社新和技研

成果作業能率 1倍(従来比)→60倍(従来比)

この事例のポイント

  • 切削加工の後工程で品質に注意を払うため工程がコスト高になり、採算割れが起きている。
  • 切削加工の後工程の合理化に向けて、新規設備として真空洗浄乾燥機、画像寸法測定器、無人ワーク回収装置を導入し、実証試験を実施した。
  • 作業能率 1倍(従来比)→60倍(従来比)。夜間・休日の無人運転が可能になり、機械稼働時間が延びて月産能力は3倍以上になる見込みである。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社新和技研
所在地青森県 東北町
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数14人
資本金1,000万円
設立1989年

事業の背景

当社は半導体製造装置や光通信機器、航空宇宙関連の切削部品と医療器具部品のプラスチック射出成形を事業領域としている。近年は生産の海外シフトや中国・韓国メーカーの攻勢により、コスト面で競争しにくい状況が続いている。一方で日本製品は外観品質の評価が非常に高く、需要も多い。切削加工部品の納入後クレームは大半が切粉の付着、きず、打痕であり、業界全体がこの点に強く注意を払っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算切削加工の後工程で品質に注意を払うため工程がコスト高になり、採算割れが起きている。
  • 品質・精度納入後のクレームの大半が切粉の付着、きず、打痕であり、半導体や光通信、航空宇宙分野では機器全体に影響するため対策が必要である。
  • 生産能力後工程の合理化を図り、生産性を向上させる新たなプロセスを確立する必要がある。
  • コスト・採算生産の海外シフトや中国・韓国の部品加工メーカーの攻勢により、コスト面で太刀打ちできない状態が続いている。

やったこと

切削加工の後工程の合理化に向けて、新規設備として真空洗浄乾燥機、画像寸法測定器、無人ワーク回収装置を導入し、実証試験を実施した。真空洗浄乾燥機は、従来は困難だったワークの細部や小穴内部まで液が浸透し、高品質な洗浄ができる。画像寸法測定器は簡単な操作で自動測定ができ、作業者による誤差がなく信頼性の高い測定を行える。無人ワーク回収装置はワーク同士の衝突によるきずや打痕を防止し、夜間や休日の無人稼働を可能にする。

その他真空洗浄乾燥機
検査測定画像寸法測定器
その他無人ワーク回収装置

事業の効果

  • 作業能率 1倍(従来比)→60倍(従来比)
  • 月産能力 1倍(以上)→3倍(以上)

夜間・休日の無人運転が可能になり、機械稼働時間が延びて月産能力は3倍以上になる見込みである。作業能率は従来比60倍となる見込みである。真空洗浄により洗浄後のエアー吹き工程と顕微鏡による異物検査が不要になる目途がついた。洗浄液の溶剤をリサイクルすることで処分料などのコストも削減できる見込みである。複数ワークの一括自動測定により部品1個あたりの測定時間が大幅に短縮し、工程の合理化と新プロセス開発に成功した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    切削部品加工を半導体・光通信・航空宇宙で手がけ、納入後クレーム分析から後工程の課題を認識しているが、過去の取組との一貫性までは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    中国・韓国勢のコスト攻勢に対し、日本の外観品質評価が高い点を踏まえ、品質で勝負する方向性が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    クレームの大半が切粉付着・きず・打痕と特定され、後プロセスの採算割れ課題に対し新設備導入で解決する計画が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    月産能力3倍以上、作業能率60倍アップと数値目標が示されているが、見込みの根拠や付加価値額・賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員14名、NC自動旋盤60台以上などの設備規模は書かれているが、補助事業を遂行する担当体制や事務処理体制は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    外観品質を重視する半導体・光通信・航空宇宙の顧客ニーズは示されているが、製品の価値や選ばれる理由の整理は十分でない。

  • 事業化までの道筋3

    導入設備と成果の方向性は示されているが、スケジュールや課題解決の段階的な進め方は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高品質な切削部品の外観品質で高水準を目指す方向は読み取れるが、市場の普及度や高価格化の具体的な数値は書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    航空宇宙・半導体の部品供給や地域の雇用確保に触れる記述がわずかにうかがえるが、国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    工数削減や溶剤リサイクルによるコスト削減が示されているが、補助金額に対する付加価値増加の定量的な比較は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    画像寸法測定器や無人ワーク回収装置の導入は示されるが、サプライチェーン全体へのイノベーション貢献までは書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    青森県東北町に所在する旨が書かれ地域立地はうかがえるが、地域特性を活かした雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今回の成果を基に、高品質加工メーカーとしての地位を確立して新たな受注を獲得するとともに、医療機器分野への進出により売上の増加を目指す。洗浄工程で削減した人員は他工程に回し、発注数量の増加に合わせて加工や検査工程の人員を増強する計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。