ものづくり補助金平成26年度学術研究、専門・技術サービス業岩手県

蓄光製品の内製化体制整備による小ロット需要への対応と品質の強化、その効用による新商品の開発

有限会社 東北エヌティエス

この事例のポイント

  • 蓄光製品の製造のほとんどを外注しており、製品が高価格になっていた。
  • 蓄光製品の内製化のため、4種の機器を導入した。
  • 塗装板の切り取りに関する外注をやめた結果、塗装板カットのコストが約60%削減され、納期も4日間短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 東北エヌティエス
所在地岩手県 盛岡市
業種広告業
技術分野デザイン,情報処理
従業員数10人
資本金300万円
設立2002年

事業の背景

当社は広告等の企画やデザイン、室内装飾、屋内看板等の製作を手がけている。東日本大震災の折に被災地での支援活動を行う中で、蓄光製品である屋外用避難誘導標識の必要性を見出し、製造を開始した。頻発する自然災害や防災意識の高まりにより、避難誘導標識をはじめとする蓄光製品の需要は増している。一方、蓄光製品は性能や効果が認められながらも、製品が高額なため導入が進みにくいという状況があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算蓄光製品の製造のほとんどを外注しており、製品が高価格になっていた。
  • 生産能力外注により納期が長期化し、小ロットに対応できず、設計変更や追加仕様に即時に対応できなかった。

やったこと

蓄光製品の内製化のため、4種の機器を導入した。軸昇降丸鋸盤は、台板となる蓄光吹き付け塗装板を、作製したデータのサイズに合わせて切り取るために使用する。カッティングプロッタは、自動作図したデータから誘導表示や避難所名などの絵柄用シートを切り出すために使用する。大判インクジェットプリンタは、設置場所やデザインが適切かを現地に設置する前に事前確認するために導入した。輝度計は、納品前に内製した蓄光製品の明るさを測定し、輝度性能検品を社内で行うために導入した。これにより、データ作成から蓄光製品の完成、施工まで自社で行える体制を整えた。

加工機軸昇降丸鋸盤
加工機カッティングプロッタ
検査測定輝度計
その他大判インクジェットプリンタ

新しい製品・サービス:長期耐候性に優れた蓄光素材を使用した蓄光製品(避難誘導標識等)

事業の効果

塗装板の切り取りに関する外注をやめた結果、塗装板カットのコストが約60%削減され、納期も4日間短縮された。シートの切り出しでも約40%のコストダウンと4日間の納期短縮が実現した。受注から完成までを社内で一元管理できるようになり、小さな仕様変更や表示データの追加にも迅速に対応できるため、きめ細かな顧客サービスにつながっている。従来に比べ約1/2の価格で蓄光製品を提供できるようになり、各自治体の管理負担の軽減にもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の蓄光製品の製造・販売と広告・室内装飾の事業を基盤に、蓄光製品の内製化を進める流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    外注による高価格・長納期・小ロット非対応という弱みを、内製化で克服する方向性が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    外注加工の課題を認識し、塗装板カットに約60%、シート切り出しに約40%のコスト削減と各4日の納期短縮を実現したと記載されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    塗装板カットのコスト約60%削減、納期4日短縮など数値目標に相当する成果が示されており、実現性がうかがえる。

  • 事業を進める体制2

    従業員10名の体制や自治体への一括受注対応は読み取れるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の記載はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    低価格・短納期・小ロット対応、避難誘導標識の需要増という顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    4種の機器導入、内製化、全国への受注拡大という遂行の方向は示されるが、スケジュールや課題解決の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来の約半額のコストで長期耐候性に優れた蓄光製品を提供し、外注依存からの差別化を図っていると記載されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    防災意識の高まりに対応する避難誘導標識の供給体制を担う点は社会的意義として読み取れるが、経済波及効果の記載は薄い。

  • 費用対効果4

    コスト約60%・約40%削減、納期4日短縮、製品価格約半額という費用対効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術としてカッティングプロッタや大判インクジェットを導入した点はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    岩手県盛岡市の企業が被災地支援を契機に避難誘導標識を全国展開する点から地域性がうかがえるが、地域経済の牽引までは読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は長期耐候性に優れた蓄光素材を使った強みを生かし、全国を対象とした避難誘導看板の受注拡大に努める。また、蓄光素材を使用した他の商品の開発も推し進めていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。