ものづくり補助金平成26年度製造業秋田県

難形状・難切削材に対応する生産技術・ラインの構築

株式会社柳澤鉄工所

この事例のポイント

  • ロープネジ加工は汎用機では熟練技能者でなければ難しく、時間がかかりコストも高いため受注を見送る状況が続いていた。
  • 若年層が扱いやすい高性能な数値制御機能と操作・熟練技能習得を支援する機能を併せ持つCNC普通旋盤を導入した。
  • 若年層でもCNC操作を習得できるようになり、加工時間が短縮されて納期に応える生産体制が整った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社柳澤鉄工所
所在地秋田県 鹿角市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数57人
資本金2,000万円
設立1921年

事業の背景

当社はボーリング用のロッドやケーシング(鋼管)などの製造を得意とする鉄工関係の総合企業で、鉱山関連の鉄工工事で培った技術に定評があり、難易度の高い注文が全国から寄せられている。地震の影響で地盤補強工事においてボーリングパイプの継ぎ手として鋼管にロープネジ加工を施すニーズが高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ロープネジ加工は汎用機では熟練技能者でなければ難しく、時間がかかりコストも高いため受注を見送る状況が続いていた。
  • 人手・技能熟練工の高齢化が進んでおり、早期に技能伝承を図る必要があった。
  • 品質・精度腐食性ガスを含む地熱開発向けに耐食性が求められ、難切削材への切り替えニーズがあることも分かった。

やったこと

若年層が扱いやすい高性能な数値制御機能と操作・熟練技能習得を支援する機能を併せ持つCNC普通旋盤を導入した。選定した機器は対話式でプログラムを組んで旋削加工ができ、ものづくり職人を目指す若年層の教育にも役立つと期待された。この設備により、ネジ山と底形状を円弧にするロープネジ加工を熟練技能者に頼らず行える体制を整えた。

事業の効果

若年層でもCNC操作を習得できるようになり、加工時間が短縮されて納期に応える生産体制が整った。CNC旋盤の技術習得とノウハウの蓄積が進み、最近導入したより大型の旋盤機械の操作にも役立っている。長い歴史で初めて女性技能者を採用するなど、働きやすい職場環境づくりにもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    鉱山関連の鉄工工事を基盤に技術を蓄積し、ロープネジ加工の受注見送りを減らすためCNC旋盤を導入したと読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    地熱開発向けの耐食性が求められ難切削材へのニーズがあると判明したと書かれるが、市場規模や自社の強みの数値的裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    熟練工の高齢化と汎用機で加工が難しく受注を見送っていた課題を認識し、CNC旋盤導入で納期対応できる体制を整えたと書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    加工時間の短縮と納期対応が成果として挙げられるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    若年層がCNC操作を習得し、熟練者に頼らない体制を構築したと書かれるが、人員数や事務体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ロープネジ加工という顧客ニーズと、難形状に対応できる点は読み取れるが、ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    大型切削加工の手作業依存という中長期課題と今後の受注目標は書かれるが、スケジュールや解決方法は具体的ではない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ロープネジ加工は難易度が高く汎用機では対応しづらいと書かれ、高付加価値化の方向性はうかがえるが、数値の裏付けはない。

公的補助の必要性27%
  • 波及効果・雇用2

    地熱開発や地盤補強工事での需要に触れるが、波及効果や雇用創出の国の関与理由は明示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献1

    先端的なデジタル技術やサプライチェーンへの貢献は事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    リニア関連や橋脚工事を目指すとあり成長分野への進出意向はうかがえるが、構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    地域社会への貢献を社是に掲げ、東日本有数の鉄工企業として地域で事業を行う点は読み取れるが、雇用増の数値はない。

今後の展望

東京オリンピック後の景気後退懸念はあるものの、リニア関連や橋脚工事などの受注を目指し、鉄に関わるあらゆるニーズに対応していく考えである。より大型の切削加工については依然として熟練技能者の手作業に頼る面が多く、技能伝承と社内体制の見直しを模索している。

事業者の声

先々を見据えると新卒者を採用したいが、その数は年々減るばかり。今いる社員を大切にしながら、若い人たちにとっても働きやすい職場環境を整えたい。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。