ものづくり補助金平成26年度製造業山形県

高精度パンチ金型並びに精密治工具の新規事業参入のための最新機械導入

株式会社荒井製作所

この事例のポイント

  • 鋳物(FC)中心の機械加工から別の材質・分野へ進出し、事業拡大と経営安定を図る必要があった。
  • 顧客の加工部品に対する精度、コスト、生産性の要求に応えるため、新型の立型マシニングセンターを導入した。
  • 新型マシニングセンターの導入で段取り替えの作業工程が減り、加工プログラムの高速化・効率化により加工時間が短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社荒井製作所
所在地山形県 天童市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数46人
資本金1,500万円
設立1961年

事業の背景

当社は昭和14年の創業から山形市で、地場産業である鋳物(FC)を材料とした機械加工を行ってきた。創業76年目を迎え、鋳物とは別の材質で新分野へ進出し事業拡大を検討していた。平成24年に天童工場へ本社・工場を移転し、当時は大物機械加工を第一工場で行っていた。新分野を模索する中で、国内トップクラスの工作機械メーカーから高精度大口径パンチ金型組立品の試作依頼があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術鋳物(FC)中心の機械加工から別の材質・分野へ進出し、事業拡大と経営安定を図る必要があった。
  • コスト・採算量産品は価格競争が厳しく、海外展開を含めて製造業として生き残る方策が求められていた。
  • 品質・精度顧客から求められる高精度・高品質な製品に対応するための加工能力が不足していた。

やったこと

顧客の加工部品に対する精度、コスト、生産性の要求に応えるため、新型の立型マシニングセンターを導入した。これにより、従来の大物中心の加工とは異なり、小物部品を中心とした加工が可能になった。導入後はSKD材やSKH材などの高硬度金属の切削も可能になった。

加工機立型マシニングセンター

新しい製品・サービス:高精度パンチ金型並びに精密治工具

事業の効果

新型マシニングセンターの導入で段取り替えの作業工程が減り、加工プログラムの高速化・効率化により加工時間が短縮された。精密な小物部品の加工が可能になり、顧客の要求する精度や生産能力に応えて安定供給できる量産化体制が整った。第二工場を建設したことで顧客からの受注が増加し、設備と人員を増やして生産力を約2倍にした。これにより地域雇用の拡大にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    鋳物機械加工の老舗として創業76年、新分野進出を検討していたとあり、既存事業との関連は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは詳述されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内トップクラスの工作機械メーカーから高精度大口径パンチ金型の試作依頼があったと書かれ、顧客要望への対応は読み取れるが、競争優位の根拠は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決3

    量産品の価格競争に対応するためベトナム進出と国内の高精度化を組み合わせる方針が書かれているが、課題認識と事業計画の詳細は薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工時間の短縮や生産能力を約2倍にしたと成果に書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    創業76年の実績や研修生・技術者の受入れに触れているが、補助事業の遂行体制の具体的な記載はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    パンチプレス用精密部品、高精度小物部品の加工が可能になったと書かれ、製品と顧客像は読み取れるが、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    ベトナム拠点で材料から熱処理・塗装まで行い日本へ輸出する体制や人材育成の方針が書かれ、遂行方法の方向性は読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    SKD材やSKH材などの高硬度金属の小物精密部品加工へ進出したとあり、同分野での高付加価値化の方向性は読み取れるが、水準の数値はない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用3

    第二工場建設で生産力を約2倍にし、地域雇用の拡大につながったと書かれ、雇用創出への寄与は読み取れる。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    鋳物から精密部品・検査治工具への進出とベトナム展開が書かれ、成長分野への進出はうかがえるが、構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及3

    山形市の地場産業である鋳物加工から天童市で事業を拡大し、地域雇用と経済活性化に寄与するとの記載がある。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

鋼材からアルミなどの高精度・微細加工を立ち上げ、新たな分野である検査治工具関連へ進出して事業拡大をめざす。受注量を増やし、地域経済の活性化に寄与していきたい。また、男女問わず意欲のある人材を育成するため教育体制を確立していく。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。