ものづくり補助金平成26年度製造業福島県

測定技術の高度化によるプラスチック加工製品の高精度・短納期加工の実現

東北江南株式会社

成果測定時間 25分/個→2分/個

この事例のポイント

  • 人による測定誤差が大きく、顧客の求める公差を超えてしまう。
  • 画像寸法測定器を導入した。
  • 測定時間 25分/個→2分/個。測定時間が1個25分から2分に短縮され、約1/10になった。

事業者のプロフィール

事業者名東北江南株式会社
所在地福島県 二本松市
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工,測定計測
従業員数235人
資本金1,000万円
設立1992年

事業の背景

ウエハー洗浄装置に使われるプラスチック加工品を製造している。従来は三次元測定機や顕微鏡で1ヵ所ずつ測定しており、工数が増えていた。人件費の安い海外勢に対抗するため、顧客の求める精度と生産数をクリアすることが急務となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度人による測定誤差が大きく、顧客の求める公差を超えてしまう。
  • 人手・技能複雑な形状の測定には高い測定スキルが必要で、データの信頼性が低い。
  • 納期・工程検査工程に時間がかかり、製造の流れに停滞が生じている。
  • 納期・工程納期との兼ね合いで抜き取り検査しかできない。
  • その他検査結果を紙で保存しているため、保管状況が煩雑である。

やったこと

画像寸法測定器を導入した。ステージに被測定物を載せてスイッチを押すと、必要な寸法を自動で測定し合否を判定する。ハンディープローブ三次元測定器も導入し、測定したい部分にプローブを押し当てて精密な測定を行えるようにした。統計的な測定システム分析「MSA」で検証し、10個のサンプルを3人が3回ずつ繰り返し測定したところ、総体精度比5%を達成して国際ルールを満たした。測定作業標準書を作成し、検査員教育も実施した。機械装置の試運転を行い、測定条件の設定を確認した後、運用・使用条件をマニュアル化し、スキル者を10名に拡大した。

検査測定画像寸法測定器
検査測定ハンディープローブ三次元測定器

事業の効果

  • 測定時間 25分/個→2分/個
  • MSAによる検証で総体精度比5%を達成し、国際ルールに準拠した。
  • 品質保証関連者 2名→10名
  • スキル者を10名に拡大した。

測定時間が1個25分から2分に短縮され、約1/10になった。自動プログラムは265製品に適用された。検査滞留が省かれて納期が短縮された。自動測定機能により測定誤差のリスクを回避し、MSAで国際ルールを満たす精度を確認した。品質保証関連者が増え、現場作業者19名もものづくり段階で測定業務に携われるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    検査工程の課題と測定技術の改善は読み取れるが、過去の事業活動や経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内生産の優位性や海外勢への対抗が述べられ、強みは読み取れるが市場データは示されていない。

  • 課題の認識と解決5

    測定時間が平均25分から2分へ約1/10に削減、納期は6000分の削減と数字で課題解決と短納期化が示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    総体精度比5%達成や測定時間1/10など具体的な改善値が示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    検査員教育の実施、品質保証関連者が2名から10名、現場作業者19名が測定に携わる体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ウエハー洗浄装置向け加工品や国際的な引き合いは書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    MSA検証、測定作業標準書の作成、スキル者拡大など遂行方法と課題解決の手順が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    超エンジニアリングプラスチックの微細・高精度加工に高評価とあるが、普及度や高価格化の数字は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    半導体製造装置市場やパソコン需要、輸出ニーズの拡大が触れられているが、国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    測定時間の削減や納期短縮の効果は数字で示されるが、補助金投入額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    自動測定プログラムや画像寸法測定器の導入は読み取れるが、サプライチェーン全体へのイノベーション貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    半導体製造装置市場の成長分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及2

    福島県二本松市の企業で国内生産の優位性に触れるが、地域特性を活かした雇用創出までは書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内生産の優位性を活かし、半導体製造装置市場の拡大や新興国からの輸出ニーズを取り込み、世界的企業からの引き合いに応えて受注拡大と収益アップを目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。