ものづくり補助金平成26年度製造業茨城県

自動車ヘッドライト用リフレクターのダイレクトアルミ蒸着に有効な射出成型方法の確立

株式会社長浜合成工業所

成果不良を80%以上低減させた。

この事例のポイント

  • 直接アルミ蒸着では表面の状態がアルミ蒸着後の鏡面度に直接影響するため、成型品の表面に異物やガスが残らないよう部品の射出成型を見直す必要が出てきた。
  • リフレクター用射出成型機の射出ユニットを購入し、スクリューの改良とシステム制御ソフトのカスタマイズを行った。
  • 不良を80%以上低減させた。スクリューの回転数の最適値を見つけたことで、ガスの発生を抑えてプラスチック部品の不良を80%以上低減できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社長浜合成工業所
所在地茨城県 結城市
業種プラスチック製品製造業
技術分野機械制御,製造環境
従業員数84人
資本金1,000万円

事業の背景

株式会社長浜合成工業所は、玩具の部品製造から始まり、電話機、ヘアドライヤー、自動車部品など多様なプラスチック製品を製造している。全体の60%を占める自動車部品では、ヘッドライトのリフレクター(反射板)やインパネ、内装関係の製造に携わっている。従来の間接アルミ蒸着工法は3工程だったが、近年は同一工程で製品を完成できるダイレクトアルミ蒸着工法が使われるようになり、部品メーカーからの希望が増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度直接アルミ蒸着では表面の状態がアルミ蒸着後の鏡面度に直接影響するため、成型品の表面に異物やガスが残らないよう部品の射出成型を見直す必要が出てきた。
  • 品質・精度表面に異物やガスが残留すると、従来は問題なく使えていた部品が不良品として扱われてしまう。

やったこと

リフレクター用射出成型機の射出ユニットを購入し、スクリューの改良とシステム制御ソフトのカスタマイズを行った。スクリューの回転数が速いほど液状プラスチックの剪断によるガス発生が増え、低すぎると供給速度が落ちて生産能力が低下するため、この2つをバランスよく解消する最適値を見つけた。

加工機リフレクター用射出成型機の射出ユニット
ソフト射出成型機の制御ソフト

事業の効果

  • 不良を80%以上低減させた。

スクリューの回転数の最適値を見つけたことで、ガスの発生を抑えてプラスチック部品の不良を80%以上低減できた。付着したガスの洗浄に必要なメンテナンスの回数も減らすことができた。製品の不良を低減できるこのシステムは、新規顧客の開拓や受注増への足がかりになり、実際に受注も増えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    玩具部品から始まり自動車部品へ展開した沿革と、全体の60%を占める自動車部品事業が記載され、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    LEDの普及で直接蒸着が注目されるという外部環境と、新規顧客開拓や受注増につながるとの記述があるが、自社の強み分析は具体的でない。

  • 課題の認識と解決4

    ダイレクト蒸着の不良を、スクリュー回転数の最適化で不良を80%以上低減させたと具体的な課題解決が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    不良を80%以上低減という数値目標の達成が示され、受注増も実際に起きていると記載されている。付加価値額や賃上げの目標は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員84名、資本金1,000万円の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制への言及はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ヘッドライトのリフレクターに用いられる鏡面加工の需要と、ダイレクト蒸着がコスト低減につながるという製品の価値が明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    スクリュー改良とシステム制御ソフトのカスタマイズという実施内容は示されるが、スケジュールや中長期の検証は記載されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ダイレクト蒸着は間接蒸着より工程が少なく価格を抑えられる工法として注目されると書かれ、高付加価値化の方向性が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    新規顧客開拓や受注増の足がかりとなる記述はあるが、国が補助する波及効果や雇用創出への言及は乏しい。

  • 費用対効果3

    不良を80%以上低減し、ガス洗浄のメンテナンス回数も減らせたと書かれているが、投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    射出成形の制御ソフトのカスタマイズに触れているが、先端デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は限定的にしか書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    EV・水素自動車への変化に触れ、LEDへの移行を述べているが、構造転換への明確な位置付けは乏しい。

  • 地域経済への波及2

    結城市という地域名は記載されるが、地域特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ダイレクトアルミ蒸着はLEDの普及で注目され、ヘッドライトの需要は続くと考えている。今後はプラスチック加工の技術を生かし、化粧品などの新しい分野にも取り組みたいと考えている。

事業者の声

プラスチックの総合パイオニア

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。