ものづくり補助金平成26年度製造業茨城県

硬質材料加工への対応強化と型レス化実現による、顧客提案力強化と新市場開拓

大進商工株式会社

成果試作品のリードタイム 10日→2日

この事例のポイント

  • 発泡倍率2〜6倍の硬質材料の加工を顧客から求められても、既存設備では対応できず外注するか受注できなかった。
  • 硬質材料加工の課題に対して、木工用の板材直線切断機であるパネルソーを導入した。
  • 試作品のリードタイム 10日→2日。加工可能な材料が軟質材料だけでなく硬質材料に広がり、受注の幅が広がった。

事業者のプロフィール

事業者名大進商工株式会社
所在地茨城県 常総市
業種プラスチック製品製造業
技術分野情報処理,立体造形
従業員数96人
資本金2,000万円

事業の背景

同社は建築市場向けの発泡プラスチックを材料にした緩衝材を主力商品とし、在庫材料を多くストックして材料調達のリードタイムを最少にすることで短納期を強みとしてきた。近年は保護する製品の多様化・高度化・複雑化が進み、発泡プラスチックの需要・要求が高まり、材料の硬度の幅が広がっている。同社の既存設備では発泡倍率6倍以上の軟質材料しか加工できなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力発泡倍率2〜6倍の硬質材料の加工を顧客から求められても、既存設備では対応できず外注するか受注できなかった。
  • コスト・採算発泡プラスチックを複雑な形状に成形する際、試作段階で木型を製作する必要があり、コストと期間がかかった。
  • コスト・採算小ロットの受注では木型製作がネックとなり、成約に至らないことが多かった。

やったこと

硬質材料加工の課題に対して、木工用の板材直線切断機であるパネルソーを導入した。加工実験では、従来の設備では加工できなかった硬質樹脂板を問題なくカットできた。繊維強化セメント板のフレキシブルボードは汎用刃では強度が足りなかったが、ダイヤモンド刃に替えることで問題なくカットできた。これにより発泡倍率2倍という極めて硬い発泡プラスチックの加工が可能になった。型レス化の課題に対しては、CADデータを読み込みCAMデータに変換して木型を作らずに試作品を製作できるサンプルカッターを導入した。直線・曲線カットに加え掘削加工も行える。

加工機パネルソー
加工機サンプルカッター

新しい製品・サービス:型レス化を可能にするサンプルカッターによる試作品製作

事業の効果

  • 試作品のリードタイム 10日→2日

加工可能な材料が軟質材料だけでなく硬質材料に広がり、受注の幅が広がった。型レス化により1個からでも試作品を製作でき、短納期と低コストを実現した。修正が必要な場合もCAD/CAMデータの修正のみで柔軟に対応でき、高い付加価値を付けることができた。今後は、これまで取り込みに失敗していた量産品製作を確実に受注につなげることを目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成26年度の事業で、発泡プラスチック加工と受注幅拡大を強みとしてきた延長線上の取組と読めるが、経営戦略上の位置づけの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    建築向け発泡材の在庫ストックで短納期を強みとし、発泡倍率6倍以上の軟質材のみ対応だった弱みを明示している。

  • 課題の認識と解決4

    硬質材料に対応できず外注や失注が生じていた課題を示し、パネルソーとサンプルカッターで解決する計画が書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    リードタイムを10日から2日に短縮したと具体的な数字で示されており、成果は確認できるが、賃上げや付加価値額の目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    建築・土木・自動車・医療への展開先と、短納期・低コスト・1個から製作可能という選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は量産品の受注につなげると述べられているが、スケジュールや課題の解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    発泡倍率2倍の硬質材加工と型レス化は新しい取組として読めるが、市場全体の普及度や高価格化の数値は書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    建築・土木・医療など市場拡大への展開が書かれているが、雇用創出や波及効果など国が補助する理由は読み取れない。

  • 費用対効果2

    リードタイム10日から2日への短縮は読み取れるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD/CAMデータを使うサンプルカッターによる型レス化は、デジタル技術の活用として読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    茨城県常総市の工場が拠点として示されているが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用拡大の記述は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

建築市場だけでなく、土木市場、自動車市場、市場拡大傾向にある医療分野などにもプロモーション活動を行い、参入を図る考えである。

事業者の声

「仕事を通してノウハウを蓄積し、顧客が求めるものを製作できるようにすることが重要」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。