ものづくり補助金平成24年度京都府

小粒径トナーへの適応を目指したラボ用新型気流分級機の開発

株式会社パウダーシステムズ

この事例のポイント

  • 粉体の微細化が進み凝集性の強い材料が増えたため、投入時に結合している原料を分散させてから分級場に導入する方法が課題だった。
  • 大型機と同じ機構で同等の分級性能を持つ小型のラボ用分級機を開発し、2機の試作機を完成させた。
  • 顧客指定の材料でテストを行う体制を整え、展示会でのデモンストレーションも実施した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社パウダーシステムズ
所在地京都府 京都市南区
業種生産用機械器具製造業
技術分野真空
従業員数11人
資本金1.2億円
設立1996年

事業の背景

当社は粉粒体処理設備のシステムエンジニアリングや機器開発を行い、多量生産向けの大型分級機を自社生産していた。展示会では来場者から、研究開発用の試作や少量生産に使える小型分級機の要望が多く寄せられた。プリンターや複合機のトナーは解像度の向上で微細化し、数年前の約10ミクロンから現在は5~6ミクロンが主流になっている。日本の大手メーカーは消耗品のトナーを含め世界でも圧倒的なシェアを有している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度粉体の微細化が進み凝集性の強い材料が増えたため、投入時に結合している原料を分散させてから分級場に導入する方法が課題だった。
  • 品質・精度分級精度は分級機内部のフラップの形状や角度、フィーダへの固気比、粗粉・中粉・微粉の各所から吸引するブロアの風量によって大きく変わるため、これらを最適化する必要があった。
  • 新製品・新技術小粒径トナーの開発では実験用機器から生産機へのスケールアップが困難な機器が多く、実生産機への移行に課題があった。

やったこと

大型機と同じ機構で同等の分級性能を持つ小型のラボ用分級機を開発し、2機の試作機を完成させた。1機は貸出機として希望する顧客に貸与し、もう1機はテスト機として販売につなげる計画とした。粒径2~4ミクロンの領域での分級精度向上を目指し、フラップの形状・角度、フィーダへの固気比、吸引ブロアの風量などの諸条件を試行錯誤して最適化した。小型機は分級範囲3~200ミクロン、処理量1~10kg/hで、粗粉・中粉・微粉の3製品に分級でき、原料供給フィーダ回転数や各吸引風量などを専用PC端末で設定できる。

加工機ラボ用小型分級機(新型気流分級機)
ソフト操作用専用PC端末

新しい製品・サービス:ラボ用小型気流分級機(小粒径トナー対応)

事業の効果

顧客指定の材料でテストを行う体制を整え、展示会でのデモンストレーションも実施した。顧客の反応は上々で、当初目標の販売数量には及ばないものの販売台数は着実に伸びている。トナー以外の化学、金属、食品、医薬品など幅広い分野からも分級のニーズが見つかった。小型機の導入を機に大型機の導入やプラント設備全体の提案につなげ、技術力と認知度の向上を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の大型分級機の自社生産の経験を背景に小型機を開発しており、事業の一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    展示会での来場者の小型機要望や、大型機製造で培ったノウハウ、1台で3分級できる優位性が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    凝集性材料への対応など課題認識はあるが、高付加価値化や成長につながる具体的な数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    販売数量は目標に及ばないと書かれるのみで、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    開発や試作の経緯は書かれるが、補助事業を遂行する人材や体制についての記述はほとんどない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    トナー以外の化学・金属・食品・医薬品などからのニーズ、顧客テストでの評価、1台で3分級できる点が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    分級条件の最適化など課題解決の方法と今後の展開は書かれるが、スケジュールや期間の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    トナーの微細化に対応した2〜4ミクロン領域の高精度分級を目指し、大型機と同等性能の小型機を開発した点が書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    トナー製造や幅広い産業での分級ニーズに触れるが、国が補助する理由となる波及効果や雇用創出は書かれていない。

  • 費用対効果2

    価格面の優位性に触れるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    PC端末による条件の自動蓄積やエクセル出力など、デジタル化の要素がわずかにうかがえる。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    化学・医薬品など成長分野への展開に触れるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

化学、金属、食品、医薬品など様々な分野のニーズを拾い上げ、付加価値の高い材料にも展開していく方針である。当機をエントランス商品として、量産移行後の大型機やプラント設備全体の設計・提案につなげ、さらなる認知度向上と社会貢献を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。