ものづくり補助金平成26年度製造業千葉県

特殊仕様のスチールドアを短納期で提供できる自社独自の仕組みの構築

株式会社福富製作所

この事例のポイント

  • 顧客から短納期での確実な製品の納品と迅速な納期回答が求められている。
  • スチールドアを製造するための作業工程を過去の実績をもとに分析集計し、全体のデータ構造を設計して統合工程部品表にまとめた。
  • 生産管理システムによる的確な納期管理で短納期対応が可能になり、顧客からの納期短縮要望にも応えられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社福富製作所
所在地千葉県 旭市
業種金属製品製造業
従業員数25人
資本金1,000万円
設立1953年

事業の背景

当社は創業85年の歴史を持ち、50年近くにわたりオーダーのスチールドア(建築基準法に基づく特定防火設備)を製造販売してきた。昨今のスチールドア業界では、倒産・廃業による製作工場の減少や、人材不足による生産力低下が起きている。そのような中、顧客からは短納期での確実な納品と迅速な納期回答が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程顧客から短納期での確実な製品の納品と迅速な納期回答が求められている。
  • 生産能力特殊仕様に臨機応変に対応できる生産体制と、顧客の要望を捉えた設計支援が求められている。
  • 人手・技能製作工場の減少や人材不足による生産力低下が業界で起きている。

やったこと

スチールドアを製造するための作業工程を過去の実績をもとに分析集計し、全体のデータ構造を設計して統合工程部品表にまとめた。その上で3つのシステムを構築した。1つ目は、受注から出荷までの流れを工場内各工程のタブレットと連携させたスチールドア生産管理システムで、事務所で受注状況や進捗をリアルタイムに把握でき、一貫生産スケジューリングにより効率的な生産を可能にした。2つ目は、簡易入力機能で工作図を自動作成するNCデータ作成プログラムで、従来のNC加工機と連携させ入力の二度手間を省いた。3つ目は、簡易入力でスチールドア図面を自動作図するNC連携作図システムで、設計担当者でなくても作図できるようにした。

ソフトスチールドア生産管理システム
ソフトNCデータ作成プログラム
ソフトスチールドアNC連携作図システム
その他工程に設置したタブレット

事業の効果

生産管理システムによる的確な納期管理で短納期対応が可能になり、顧客からの納期短縮要望にも応えられるようになった。簡易入力機能を用いた工作図プログラムと自動作図システムにより二度入力の間違いを防ぎ、従来の担当者以外でも設計業務や工作図業務に携われるようになった。今後は生産実績を集積・分析して過去データを共通化・パターン化し、生産効率の向上とコストダウンを目指す。すべてのシステムをデータ連携させ、スチールドアの品質向上と顧客からの信頼確立を図る。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業85年、約50年のオーダー製造実績があり、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    業界の倒産・廃業による工場減少や人材不足を外部環境として挙げるが、自社の強み・弱みの具体的な分析は記載されていない。

  • 課題の認識と解決4

    短納期対応への顧客要望を課題とし、生産管理システムの導入で納期管理を可能にしたと、課題と取組の対応関係が具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値向上や賃上げの目標値は書かれておらず、売上拡大を目指すという方向性のみが示されている。

  • 事業を進める体制2

    自社システムの構築を外部協会・センターの協力で進めたと書かれるが、社内の人材や事務処理体制の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客の短納期・確実な納品要望と製品の信頼獲得が目的と示されるが、ターゲット顧客や選ばれる理由は具体的に整理されていない。

  • 事業化までの道筋3

    工程分析、統合工程部品表、システム構築という段階と今後のデータ分析計画は読めるが、スケジュールや期間の記載は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    特殊仕様の特定防火設備スチールドアを扱うが、同分野での高付加価値化や高価格化を示す記述はわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    業界の製作工場減少という社会的背景は書かれているが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果2

    二度入力の防止や納期管理の効率化は書かれるが、補助金額に対する付加価値増加や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    生産管理・NC連携・自動作図といったデジタル技術の活用が具体的だが、業界や地域への波及効果までは書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    千葉県旭市の事業所で事業を行うことは分かるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用拡大の記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

各システムで生産実績等を集積・分析し、過去データを共通化・パターン化して生産効率を上げ、コストダウンも可能にしていく。すべてのシステムをデータ連携させ、品質をさらに向上させて顧客からの信頼を確固たるものにしていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。