ものづくり補助金平成27年度製造業三重県

顧客満足度向上の為、センサーネットワークおよび加工管理システム基盤の構築

三重精機株式会社

この事例のポイント

  • 不良品発生率が高く、熟練技術者の知識と勘に基づく現場調整だけでは改善に限界があった。
  • CNC自動旋盤6台に、センサーとデータ収集装置を取り付け、切削油の温度、材料ロット(成分・曲がり)、刃物ロット(素材)、機械設備の振動、室温・湿度、製品加工時の電流値や主軸負荷等…
  • IT強化により、製品加工時に取得できる各種データの収集、データベースへの蓄積、任意検索・閲覧・分析が可能となった。

事業者のプロフィール

事業者名三重精機株式会社
所在地三重県 三重県津市
業種金属製品製造業
技術分野情報処理
従業員数95人
資本金8,000万円

事業の背景

当社は切削加工技術を軸とした精密部品の製造を行っており、品質・コスト・納期の3つの評価軸で品質改善を進めてきた。自社で定めた不良品発生率の目標に向けて試行錯誤を繰り返してきたが、データに基づく一歩踏み込んだ要因分析ができない状態だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度不良品発生率が高く、熟練技術者の知識と勘に基づく現場調整だけでは改善に限界があった。
  • 人手・技能製造機器の測定・検査記録が紙ベースのみで、要因分析に使えるデータがなかった。
  • 品質・精度正常な設備状態の維持も熟練技術者の勘と経験に頼っており、原因を特定する材料が取得できない状況だった。

やったこと

CNC自動旋盤6台に、センサーとデータ収集装置を取り付け、切削油の温度、材料ロット(成分・曲がり)、刃物ロット(素材)、機械設備の振動、室温・湿度、製品加工時の電流値や主軸負荷等のデータを収集できることを確認した。既存の生産管理システムと連携する生産・検査実績等のデータ入力画面を作成し、社内ネットワークとデータベースを構築した。平成28年11月にセンサーネットワークおよび加工管理システムを検収した。検証として、CNC自動旋盤の操作画面に表示される情報と分析サーバの情報を比較し、機械上のデータをサーバに正しく取得できていることを確認した。また、刃物損傷時の電流値データをもとに、刃物が損傷した際に機械を自動停止するシステムを構築した。

  • 検査測定CNC自動旋盤用センサー・データ収集装置
  • 加工機CNC自動旋盤切削機械
  • その他センサーネットワーク
  • ソフト加工管理システムデータベース・分析サーバ

事業の効果

IT強化により、製品加工時に取得できる各種データの収集、データベースへの蓄積、任意検索・閲覧・分析が可能となった。刃物損傷以降の不良品の生産量を最小化できるようになった。データに基づく不良率の低下や最適加工条件の導出、切削刃物の寿命限界までの使用が可能となる見通しで、生産効率改善による品質・コスト・納期の向上が期待される。仮説検証による不良発生要因の追求や最適加工条件の算出は、データの蓄積が進んだ段階で実施する予定である。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均2.8 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決品質・価格・納期の評価軸で課題を整理し、CNC6台へのセンサー導入や刃物損傷時の自動停止システムまで具体的に構築している。
  • 4
    イノベーションへの貢献センサーネットワークとサーバによる加工データの収集・分析基盤を構築し、協力会社とも共有する点でサプライチェーンへの貢献が読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標不良率低下や最適加工条件導出の見通しは述べられているが、目標値の数字は示されず実現可能性の根拠が薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の不良品発生率低減の取組の限界を踏まえ、品質改善という中長期課題の解決にデータ収集基盤を整備したと一貫して位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    熟練技術者の勘に頼る現場調整の限界を自社の弱みとして認識し、データに基づく要因分析へ転換する方針を示している。

  • 課題の認識と解決4

    品質・価格・納期の評価軸で課題を整理し、CNC6台へのセンサー導入や刃物損傷時の自動停止システムまで具体的に構築している。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    不良率低下や最適加工条件導出の見通しは述べられているが、目標値の数字は示されず実現可能性の根拠が薄い。

  • 事業を進める体制3

    ネットワーク設定、既存生産管理システムとの連携構築、検収までの工程を自社内で実施しており体制は確保されている。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    顧客ターゲットや選ばれる理由は直接記述されず、品質向上による顧客満足度向上という目的が述べられている程度。

  • 事業化までの道筋3

    仕様検討から検証・評価まで段階を示し、今後はデータ蓄積後に要因分析を行い現場へ横展開する計画を述べている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    工作機械のデータ活用による品質改善という内容で、高付加価値化・高価格化の具体的な記述は薄い。

公的補助の必要性3.5
  • 波及効果・雇用3

    協力会社とのノウハウ共有により業界全体でデータを活用したものづくり品質向上を目指すと、波及効果に触れている。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献4

    センサーネットワークとサーバによる加工データの収集・分析基盤を構築し、協力会社とも共有する点でサプライチェーンへの貢献が読み取れる。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    三重県の企業として精密部品製造を行うことは触れられているが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

今後の展望

データの収集・蓄積を進め、不良率の低下や最適加工条件に関連する指標の仮説検証を実施し、その結果をもとに具体的対策を現場にフィードバックする。現場での成果が確認できれば他製品群へ横展開し、将来的には協力会社とノウハウを共有して業界全体でデータを活用したものづくり品質の向上を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。