ものづくり補助金平成26年度サービス業(他に分類されないもの)千葉県

バイオディーゼル燃料製造・販売の革新高品質装置の導入とトラック市場参入

大金興業株式会社

成果原料使用率 60%→90%

この事例のポイント

  • 劣化の進んだ廃食用油は品質が一定以下だと原料に使えず、回収しても製造コストの面で大きな問題があった。
  • 専門家の指導を受けながら廃食用油の再生処理工程を新たに開発し、試作品を作って新製法の検討を重ねた。
  • 原料使用率 60%→90%。廃食用油の再生処理工程の開発により原料使用率が60%から90%に向上し、製造コストの削減につながった。

事業者のプロフィール

事業者名大金興業株式会社
所在地千葉県 千葉市
業種廃棄物処理業
従業員数41人
資本金2,000万円
設立1969年

事業の背景

創業時から一般廃棄物収集運搬業(し尿・浄化槽汚泥)を手掛けてきたが、千葉市では下水道普及率が99%近くになり、経営の合理化と業務の転換が急務となっていた。2011年の東日本大震災で地元ガソリンスタンドの燃料供給に不安が生じ、通常業務にも大きな影響があった。他県で使用済み食用植物油をディーゼル車両の代替燃料に使う取り組みを知り、関心を持った。日本でも製造方法は古くから知られているが、排気ガス規制の強化により最新のディーゼルエンジンへの利用が難しくなり、この事業から撤退する業者も多いとのことだった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算劣化の進んだ廃食用油は品質が一定以下だと原料に使えず、回収しても製造コストの面で大きな問題があった。
  • 品質・精度一般的なバイオディーゼル燃料は品質が十分でなく、最新のディーゼルエンジンへの利用が難しくなっていた。
  • 販路・情報発信バイオディーゼル燃料そのものへの利用者の不信感や不安があった。

やったこと

専門家の指導を受けながら廃食用油の再生処理工程を新たに開発し、試作品を作って新製法の検討を重ねた。さらに連続減圧蒸留装置を導入して燃料の品質を高め、JIS規格の軽油品質にほぼ同等となるまで向上させた。製造した燃料の出荷管理のため、クラウドシステムを活用したトレーサビリティシステムを構築した。燃料利用者が車両の状況を随時報告できるようにし、不具合が予見されるデータがあった場合には製造管理者と車両整備会社(提携企業)がすみやかに連携できる体制を整えた。2016年4月からは千葉市役所の公用車(塵芥車)で運行実験を行い、提携企業による予防保守点検を実施した。

加工機連続減圧蒸留装置
ソフトトレーサビリティシステム(クラウドシステム)

新しい製品・サービス:高品質バイオディーゼル燃料

事業の効果

  • 原料使用率 60%→90%

廃食用油の再生処理工程の開発により原料使用率が60%から90%に向上し、製造コストの削減につながった。連続減圧蒸留装置の導入で燃料の品質がJIS規格の軽油品質にほぼ同等となり、車両の不具合が減って燃費も改善された。予防保守とトレーサビリティシステムにより利用者の信頼を得て、千葉市の公用車での順調な運行につながり、トラック市場への参入も果たした。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業時からの廃棄物収集運搬業と環境保全への取組が書かれ、本事業は廃油再利用への延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    下水道普及率99%や東日本大震災での燃料供給不安を背景に新事業へ進んだと書かれ、外部環境は示されるが強み分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    原料使用率60%→90%、製造コスト削減、軽油とほぼ同等の品質といった課題解決の具体的数値が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    原料使用率60%→90%は実績として示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    専門家の指導や提携企業との連携は触れられるが、人材や事務処理体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    千葉市公用車での運行実験や予防保守・トレーサビリティによる信頼獲得など、顧客に選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    2016年4月からの千葉市での運行実験や今後の利用拡大計画は示されるが、スケジュールや課題解決の方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    廃食油由来の高品質BDFを扱い、一般的なBDFとの品質差を示しているが、市場の普及度の数字は書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    地域のバイオマス資源活用、廃棄物減量、CO2削減と地域貢献が述べられているが、雇用や波及効果の数字はない。

  • 費用対効果2

    コスト削減や品質向上はうかがえるが、投資額に対する付加価値増加などの費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    クラウドシステムによるトレーサビリティ構築は書かれるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は限定的にしか書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    廃食油の燃料化による未利用資源の活用や新規事業の立ち上げはうかがえるが、産業構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    千葉市の地域資源である廃食油を活用し、地元自治体と連携する点が読み取れるが、雇用や成長への数字はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

千葉市役所の公用車運行実験を継続し、バイオディーゼル燃料の利用拡大を目指す。ボイラー燃料や助燃剤としての廃食用油利用についても実験を重ね、未利用資源の活用につながる営業・提案活動を進める予定。

事業者の声

CO2の削減は、誰かがやってくれる、という受け身の姿勢ではいつまでも改善されません。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

岩手県サービス業(他に分類されないもの)平成26年度

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板金塗装専用工場を新築し、車両塗装と乾燥を行う塗装用スプレーブース、車両の骨格修正に使うフレーム修正機、コンプレッサーの3種の設備を導入し…

効果:フレーム修正作業時間 1.7時間→1時間

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。