ものづくり補助金平成26年度製造業千葉県

難削材における高回転歯車の革新的製造の確立

株式会社小名木川ギヤ-

この事例のポイント

  • 大手取引先の新型車両用歯車では高速回転に対応する高精度な真円度が求められるが、現有の内面研削では真円度のバラツキが0.01mmと大きく、要求精度0.005mmを満たせなかった。
  • 内径研削盤専門メーカーの山田工機製内面研削盤を導入し、形状の異なる3品目のワークで内径研削を行った。
  • 平成28年度から量産された新型車両に搭載される歯車を安定供給でき、大手取引先から継続的な受注を獲得できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社小名木川ギヤ-
所在地千葉県 東京都江東区
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数84人
資本金2,000万円
設立1949年

事業の背景

特殊車両用歯車を大手取引先から従来受注している。今後の新型車両導入に伴い、従来より高速回転する歯車が必要な設計となった。新型車両用歯車の受注を引き続き得るには、回転振れを抑えた高精度で寸法バラツキの少ない安定品質が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度大手取引先の新型車両用歯車では高速回転に対応する高精度な真円度が求められるが、現有の内面研削では真円度のバラツキが0.01mmと大きく、要求精度0.005mmを満たせなかった。
  • 品質・精度高速走行で車両振動が激しくなり、その衝撃に耐えられず歯の欠けが予想されるため、従来より粘りのある難削材を使う必要があった。
  • 新製品・新技術難削材の加工は容易ではなく、現状の設備では特に内面研削工程での高精度加工が難しかった。

やったこと

内径研削盤専門メーカーの山田工機製内面研削盤を導入し、形状の異なる3品目のワークで内径研削を行った。保有設備では主軸やチャック爪のガタが回転時の振動となっていたため、3品目それぞれに新規爪を製作し、緩みなくチャッキングできるようにした。均一にチャッキングすることで歪と楕円を抑え、無段インバーター制御で加工ワークごとに主軸回転数を調整した。切込み量と切削スピード(送り速度)を最適に調整し、真円度の目標を達成した。

加工機山田工機製 内面研削盤
その他新規チャック爪(3品目分)

新しい製品・サービス:プラネットギヤー、ポンプギヤー、ベベルギヤー(試作品)

事業の効果

平成28年度から量産された新型車両に搭載される歯車を安定供給でき、大手取引先から継続的な受注を獲得できた。内径のバラツキ、面粗さ、真円度とも目的を達成し、加工時間も短縮できた。難削材加工の技術により他の大手取引先からの要求にも対応可能となった。大手取引先から当社への信用も獲得できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    従来受注している特殊車両用歯車の延長として新型車両向け製造に取り組む経緯が書かれ、過去取組との一貫性がわずかにうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大手取引先からの新型車両向け受注を狙う点は読めるが、市場動向や自社の強み・弱みの分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    真円度0.005mm要求や0.01mmのバラツキなど現状課題が数値で示され、内面研削設備導入で解決する計画が読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    売上向上や継続受注は記載があるが、賃上げや付加価値額の目標値は示されておらず目標の数値が薄い。

  • 事業を進める体制2

    社長と担当者の名前や従業員数84名は書かれるが、補助事業を遂行する体制の具体的な記述はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大手取引先からの新型車両用歯車という顧客と、高精度歯車の品質安定という選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    問題点①②への対応と加工条件の調整は書かれるが、中長期の検証や実施スケジュールは明確に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    難削材による高回転歯車の高精度加工という同分野で高水準の品質を目指す取組が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    新型車両の歯車を安定供給する点が書かれるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は記載がない。

  • 費用対効果3

    加工時間の短縮や品質向上は書かれるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    無段インバーター制御など設備面の工夫はうかがえるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    東京都江東区と千葉県茂原市に拠点があることは書かれるが、地域特性を活かした雇用や成長の記述はわずかである。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既存取引先に加え、新たな販路拡大に努める。平成29年度の売上向上を図っていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。