ものづくり補助金平成26年度製造業新潟県

生産スケジューラにより企業規模を超えた生産体制への革新と収益拡大を図る。

株式会社タケダ

この事例のポイント

  • スケジュールを紙ベースで作成しており、急ぎの仕事が入るとすべて組み直す必要があって現場の負担が大きかった。
  • ものづくり補助金を活用し、生産設備、作業者、外注先の状況を反映して最適化された工程計画を立案する独自仕様の生産スケジューラを導入した。
  • 紙ベースだったスケジュール管理がシステム化され、手書きからシステム作業へ移ったことで、スケジュールを組む人の手間がなくなり、その分の時間を作業に費やせるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社タケダ
所在地新潟県 燕市
業種金属製品製造業
技術分野情報処理,精密加工
設立1963年

事業の背景

1963年にミシン部品の製造業として創業し、最新の機械設備と検査機器を導入しながら、高精度・高品質の切削加工を強みとしてきた。顧客からの信頼を得て、切削以外のレーザー加工、プレス加工、鍛造などの相談も受けるようになり、燕三条の協力工場に専門的な加工を依頼していた。2008年には「TAKEDA DESIGN PROJECT」を始め、文具などの製品を開発し、他業界との取引も生まれた。2010年には生産管理システム「ISO夢工場」を導入し、受発注や伝票、加工指示書の出し入れを簡単にして業務効率を高めていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能スケジュールを紙ベースで作成しており、急ぎの仕事が入るとすべて組み直す必要があって現場の負担が大きかった。
  • 人手・技能PC作業に慣れていないスタッフは、受注や工程情報の入力だけでかなりの時間を要していた。
  • 生産能力メーカーから納期と品質を維持したうえで生産量を上げてほしいという声が増えていた。

やったこと

ものづくり補助金を活用し、生産設備、作業者、外注先の状況を反映して最適化された工程計画を立案する独自仕様の生産スケジューラを導入した。工場内の各部署のコンピュータ端末からリアルタイムに情報を閲覧できるようにし、生産管理システムと紐づけた。バーコードを登録すると実績が自動で表示されるようにし、統計をグラフで示して不適切な工程計画を改善できるようにした。手が空いたスタッフを課を横断して別工程の作業に充てる運用を取り入れ、入力作業はほかのスタッフが教えながら徹底して習得させた。

ソフト生産スケジューラ(独自仕様)

事業の効果

紙ベースだったスケジュール管理がシステム化され、手書きからシステム作業へ移ったことで、スケジュールを組む人の手間がなくなり、その分の時間を作業に費やせるようになった。無駄を排除した計画づくりによって高い生産性と納期短縮が可能となり、作業時間も短縮された。入力作業も慣れによって時間が短縮され、業務効率化の土台が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    ISO夢工場の導入後にスケジュール管理が紙ベースのままで残り、生産スケジューラ導入で改善したという流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    メーカーから納期と品質を維持した上での増産要望が増えたことはうかがえるが、競争優位性や強み・弱みへの言及は見当たらない。

  • 課題の認識と解決4

    スケジュールを紙で作り急ぎ案件で組み直しが発生した課題を認識し、生産スケジューラで工程計画を最適化し納期短縮を実現したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    納期短縮や効率化は述べられているが、付加価値額や賃上げの目標値、数値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    他のスタッフが教えながら入力を徹底し、課を横断して人員を配置したとあり体制面の工夫は読めるが、事務処理能力の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    幅広い業界の顧客や自社製品開発の取組はあるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは整理されていない。

  • 事業化までの道筋3

    新工場建設を考えているとあるが、時期や資金計画、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    切削加工の高精度・高品質を強みとし、自社製品の開発も行うとあるが、高価格化や市場での希少性は書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    業界に縛られずリスクを分散できると書かれているが、地域経済波及や雇用創出など国が補助する理由は示されていない。

  • 費用対効果3

    納期短縮と作業時間短縮、効率化の効果は書かれているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    生産スケジューラによるデジタル化は読めるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    燕三条の協力工場と連携しているとあり地域性はうかがえるが、地域経済の牽引としての記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

工場内の機械を増やすためのスペースが足りなくなってきたため、機械をたくさん入れられる新工場の建設を考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。