ものづくり補助金平成26年度製造業富山県

新型の連続鋳造設備の導入により歩留まりと品質向上、コスト削減を実現

株式会社山森製作所

成果歩留まり率 72%→100%

この事例のポイント

  • 溶解炉の中の空気により酸化物などの介在物が混ざり、鋳巣や金属の強度・加工性・耐久性の低下が起きていた。
  • 縦型の連続鋳造設備を導入し、歩留まりの改善と不良率の低減を目指した。
  • 歩留まり率 72%→100%。縦型連続鋳造設備により歩留まりが72%から100%に改善し、不良品の処理や材料費・人件費の発生が減る副産物も得られた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社山森製作所
所在地富山県 富山市
業種金属製品製造業
技術分野製造環境
従業員数43人
資本金2,000万円
設立1977年

事業の背景

当社は昭和52年に株式会社山森製鎖の本社製造部門を分離独立して設立された。装身用鎖の製造を行い、自動製鎖機による大量生産を続けてきた。近年は雇用情勢や個人消費の低迷、若い世代の節約志向などによりジュエリー離れが進んでいるといわれる。一方、高額商品と廉価品の二極化が進み、富裕層の消費は活況となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度溶解炉の中の空気により酸化物などの介在物が混ざり、鋳巣や金属の強度・加工性・耐久性の低下が起きていた。
  • 生産能力溶解炉の底から横向きのパイプで溶けた金属を引き出す方法では、金属が少なくなると棒状になって不良品として処理され、歩留まりが低かった。

やったこと

縦型の連続鋳造設備を導入し、歩留まりの改善と不良率の低減を目指した。新規導入設備は、原材料を溶解し金属棒を作る連続鋳造装置、冷却装置のサーモチラー、合金の硬さを測るマイクロビッカース硬度計である。新規導入機は溶解を不活性ガスの中で行い、冷却水を井戸水から軟水に変えた。新規導入機は新方式の高周波電源を使用している。

加工機連続鋳造装置(縦型)
その他サーモチラー(冷却装置)
検査測定マイクロビッカース硬度計

事業の効果

  • 歩留まり率 72%→100%
  • 介在物の量の目安となる炉内の酸化不純物の量を比較したところ16%の改善が見られた
  • 従来機と比較して硬度の数値は5%以上改善した
  • 消費電力を53.5%削減できることもわかった

縦型連続鋳造設備により歩留まりが72%から100%に改善し、不良品の処理や材料費・人件費の発生が減る副産物も得られた。炉内の酸化不純物量は16%改善し、溶解材料の硬度は5%以上下がって加工性が向上した。新方式の高周波電源により消費電力を53.5%削減できる見込みである。冷却機能の向上と軟水化により鋳造材の品質向上や設備トラブルの解消も期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の鎖製造や自動製鎖機の導入など過去の取組はうかがえるが、本事業の位置付けを経営戦略として明示した記述は少ない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外現地法人や国内外のファッションブランド採用に触れ強みはうかがえるが、市場動向との関係は十分に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    従来の横型設備で歩留まり72%、不良として処理されていた課題を示し、縦型導入で100%に改善する方向性が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    歩留まり72%から100%、介在物量16%改善、硬度5%改善、消費電力53.5%削減など数値目標と結果が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員43人や創業以来の製造体制は書かれるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ジュエリー市場の動向、高額品と廉価品の二極化、小規模業者と海外大規模事業者の両方への販売見込みが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    導入設備と後工程削減の期待は書かれるが、スケジュールや課題解決の段取りの詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ジュエリー分野で同分野の中で高品質化を図る取組として、硬度や歩留まり改善を数値で示している。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    国内外の雇用情勢や富裕層消費への言及はあるが、国が補助する経済波及や雇用創出の理由は明示されていない。

  • 費用対効果4

    消費電力53.5%削減、歩留まり72%から100%などの効果が数値で示され、費用対効果をうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    高周波電源や不活性ガス溶解は新技術だが、サプライチェーンへの貢献やデジタル活用は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    富山市の本社工場で一貫生産を行う点は地域事業として読み取れるが、地域の経済成長への寄与は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

小規模なジュエリー販売業者と海外の大規模事業者の両方から、引き合いの増加を見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。